◆ 初のCSへ平常心を強調
オリックスは2日、全体練習で紅白戦を行い、実戦形式で投打の調整に取り組んだ。
6イニング制で主力中心の白組がラベロのソロ本塁打などで3-0と勝利。順調な調整ぶりを示したのが、白組の先発・田嶋大樹だった。伸びのあるストレートを中心に、2イニングを無安打、無失点に抑えた。
8勝目を挙げた10月19日の楽天戦(京セラD大阪)以来、14日ぶりのマウンド。「休養をしっかりと取ることが出来たので、体の動きがすごくよかった」と振り返った左腕。体のケアに留意していても、ローテーションを任されたシーズン中は時間的な余裕は少なく、どうしても疲労が蓄積してしまう。優勝争いの中でのプレッシャーは、さらに体に負担を強いた。
「シーズン中は、筋疲労がなかなか取ることが出来ない。(シーズン終盤は)重圧で見えない力が働いて、なかなか疲れが取れなかった」と吐露する。この13日間で「1回、リセットすることが出来た。ようやく普通の体に戻った」とのこと。1年を通して過酷なペナントレースを戦い抜く体力面、精神面での疲労感は、相当なものだったのだろう。
4年目の今季、目標としていた2ケタ勝利は果たせなかったが、2年連続して規定投球回数をクリアし、先発陣としての責任は果たした。初めて迎えるCS。「何も変わらず、フラットな気持ちでいる。試合に入るまでの準備をいつも以上、入念にやるだけ。CSという看板(タイトル)はついているが、試合は試合。やることは変わらず、スッと試合に入り自分の仕事をしたい」。
飄飄とした佇まいの左腕は、淡々とアウトを積み上げていくマウンドさばき同様、静かに燃えている。
文・写真=北野正樹(きたの・まさき)