ヤクルト・奥川の初完封に解説陣お手上げ「今日は誰が指示を出しても打てない」

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2021年11月11日 07:21  ベースボールキング

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ヤクルト・奥川恭伸 (C)Kyodo News
◆「ヤクルトの良さ」も見えた20歳の快挙

 ヤクルトの高卒2年目右腕・奥川恭伸投手(20)が10日、「2021 JERA クライマックスシリーズ セ」ファイナルステージ第1戦に先発し、9イニングを6安打無失点、無四球9奪三振で投げ抜く快投。CS初登板をプロ初完投・初完封勝利で飾った。

 立ち上がりからストライク先行の投球で、3球勝負も見せるテンポ良い投球でゲームメイク。5回一死一・三塁のピンチでの代打攻勢も真っ向勝負で抑え込み、球数100球未満での完封=通称“マダックス”で、2014年の藤浪晋太郎(阪神)と並ぶリーグ最年少20歳6カ月でのCS白星を手にした。

 奥川の投球について、10日に放送されたCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』で解説を務めた大久保博元さんは「(巨人打線は)みんなやることやっているけど、あまりにも奥川が良すぎてヒットにならない。今日の試合は誰がバッティングコーチで指示を出しても打ててないですよ」と圧巻の投球内容を称え、ゴロアウト3つでゼロを刻んだ7回は「空振りも奪うわ、グラウンダーにもするわ。変幻自在でしたよね」と振り返った。

 同じく番組で解説を務めた田尾安志さんは「もう素晴らしいですね」と感嘆の声を漏らし、「バッターに対して向かっていくという気持ちがすごい出ているし、きょうも四球ゼロ。自分のボールに自信を持っていると感じた。もうほんとに言うことなし」と手放しで称賛。

 番組MCを務めた真中満さんは、試合後のヒーローインタビューで塩見が「凄すぎて何も言えない」と奥川を称えていた件にも触れ、「塩見が言うのもわかります。凄すぎましたね。本当にジャイアンツが攻めるところがなかった。それくらい良かった」と賛辞を並べていた。

 また、大久保さんは「ヤクルトの良さが今日の奥川のピッチングで見えた」と語り、奥川に限らず、今季のヤクルト投手陣は「ストライクゾーンで勝負できているのが強み」と分析。

 今回の奥川の98球完封劇についても、「打たれても良いんだよって言ってくれる伊藤コーチと高津監督がいないと、こんなに大胆に攻められなかったと思うんですよ。結果論で責められないからのびのび投げられる」と、その背景を推察した。

 奥川はもともと制球力の高い投手で、今季は54回1/3連続無四球という離れ業も成し遂げた逸材だが、今季のヤクルトはチーム四球数もリーグ最少の363個に減少。120試合制だった昨季が同5位の404四球だったことを考えれば、飛躍的に数値が良化していることがわかる。

 高卒2年目の奥川が無四球マダックスでプロ初完投を飾ったことは、奥川自身の成長はもちろん、投手陣全体で取り組んできた意識改革が結実した1勝とも言えそうだ。

☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』

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