ヤクルトCS突破! MVPは奥川恭伸、リードオフマンの塩見は打率4割の活躍

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2021年11月13日 01:30  ベースボールキング

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日本シリーズ出場を決め、記者会見するヤクルトの(左から)奥川、青木、高津監督、塩見=12日、神宮
◆ ベテラン青木「日本一を目指して」

 「久々にドキドキした」打席だった。クライマックスシリーズ制覇を手繰り寄せる一打を放ったのは、プロ18年目のベテラン・青木宣親だ。7回二死満塁の場面で、巨人3番手・中川皓太の初球を捉え、レフトへの逆転2点適時打。

 「あそこはヒットを打つしかない」。そう決めた。ベンチからチームメイトが飛び出して、ムードは最高潮に達した。青木はあのシーンについて「野球をやっていて、ああいう瞬間というのが格別で、本当に良い思い出になりました」と、振り返った。

 6年ぶりのリーグ制覇を達成したあと、「ヤクルトで優勝できたことを嬉しく思う」と語っていた男は、「まずは(CS)を突破できたことを本当に嬉しく思います。日本一を目指して頑張りたい」と、次なる目標を「日本一」に定めた。


◆ MVPは誰の手に!?

 今回のファイナルステージで打率.400と結果を残した塩見泰隆は、「シーズンが終わってからの期間を大事に過ごして、いろいろな人からアドバイスをもらってうまく調整できた」ことを、活躍の要因に挙げた。
 
 MVPの可能性もあったが、会見で「奥川の投球がすご過ぎる。僕は全然及ばなかった。正直半々ぐらいかなと思っていたけど、全然違ったみたい」と、笑わせた。

 日本シリーズでもさらなる活躍が期待されるリードオフマン。「持ち味は積極性。どんどん攻めて塁に出て、宣さん(青木)や、クリーンアップにつないでいけたら」と意気込みを語った。

 塩見に「本当にすごいに尽きる。羨ましい」と言わしめたのが、大事な第1戦でプロ初完封勝利を挙げた奥川恭伸だ。

 奥川本人は「皆さんの力があってのことなので、とても嬉しいですけど、これから日本シリーズもありますので、しっかりベストを尽くせるように頑張りたい」と、謙虚にMVP受賞の感想を述べた。

 「9回までまさかいけるとは思っていなかった」という奥川だが、「試合前のミーティングで『攻める』という言葉があって、攻めの気持ちをもう一度持てたことが好投につながった」と話し、高津臣吾監督がファイナル初戦の前に語りかけた「絶対受け身になってはダメ」という言葉が、若き右腕の心に火をつけた。

 指揮官の熱い思いと共に一つになったチームは、20日から今度はオリックスと日本一をかけて争う。20年ぶりの頂へ、「チームスワローズ」は最後まで全力で戦い抜く。


取材・文=別府勉(べっぷ・つとむ)

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