旅ジャンルをビジネス化「テレ東トラベル」エンタメ旅の本気度

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2021年12月08日 12:00  ORICON NEWS

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写真ユニークなオリジナルエンタメ旅を提供するテレ東トラベル
ユニークなオリジナルエンタメ旅を提供するテレ東トラベル
「ととのう」という言葉と共に、サウナブームに火を付けたのが、テレビ東京の深夜ドラマ「サ道」シリーズだ。同ドラマで主人公たちが訪れた日本各地のサウナの聖地をめぐるツアーを、通販事業などを手掛けるテレビ東京ダイレクトが中心となり、テレビ東京グループのサービス「テレ東トラベル」が企画して、話題となった。テレビ局と旅行会社との協業で立ち上げた新しい旅行サービスを開発するテレ東トラベルは、テレビというフックを使ってどのようなビジネスを目指しているのか。

■帯番組『ハーフタイムツアーズ』から生まれたユニークなオリジナルエンタメ旅

 テレ東トラベルを立ち上げるきっかけとなったのは、現在放送中の帯番組『ハーフタイムツアーズ』(毎週月〜金曜日 朝8時〜8時15分 放送中)だ。旅行会社「クラブツーリズム」との共同企画旅番組で、“遊ぶ、体験する”をキーワードに様々なテーマのある旅を紹介。番組内で紹介されたツアーは、実際申し込み参加することができる。2018年10月からスタートした同番組の開始に伴い、クラブツーリズムからテレビ東京ダイレクトへ出向となったのが石井芳治氏だ。

【写真】サウナブームをけん引 原田泰造×三宅弘城×磯村勇斗『サ道2021』

「パッケージツアーを紹介するテレビのレギュラー番組は、それまでなかったので、画期的な取り組みだと思いました。番組では、クラブツーリズムが実際に行っているパッケージツアーにタレントさんが参加して、体験レポートをする形式でスタートしました。タレントさんと一般のツアー参加者とのコミュニケーションが思わぬケミストリーを生んで、番組をご覧になった方からのツアー申込が増えました」(テレビ東京ダイレクト・石井芳治氏/以下同)

 番組スタートの翌年には、既存のツアーを紹介するだけでなく、「これまでになかったツアーを作ろう!」とオリジナルのエンタメ旅『劇場型謎解き体験ツアー』を番組関係者と企画した。刑事役や犯人役には本物の劇団員を起用し、参加者とともにバスツアー中に起こる事件を解決していくというもの。参加者は観光や絶品グルメを楽しみながら、立ち寄る先々に散りばめられた謎を解き明かして事件の核心に迫っていく。この体験型の観光ツアーは、「まるでサスペンスドラマのよう。個人旅行では味わえない」と、大きな話題を集めた。

■新規顧客開拓につながったドラマ「サ道」シリーズのオフィシャルツアー

 そしてテレビ東京ならではのツアーとして次に取り組んだのが、深夜ドラマながら世の中に一大サウナブームを巻き起こしたドラマ『サ道』のオフィシャルツアーだった。

「ドラマ『サ道』2019年末SPの舞台となった、北海道旭川市・星野リゾートOMO7旭川と上富良野町・白銀荘などを巡るツアー『北の聖地でととのうサウナ旅』を企画しました。年末SP放送の最後の3秒にテロップで告知しただけでしたが、年末年始のクラブツーリズムのホームページに掲載している全ツアーのうち、アクセス数が1位になりました。しかもこのツアーは、クラブツーリズムの中心顧客である60代〜70代とは異なる、20代〜30代の新規顧客獲得にもつながりました。1人参加の女性客もいて、今までと違う客層に、企画した我々も驚かされました」(石井氏)

 このドラマ「サ道」シリーズのツアー成功をきっかけに、翌20年9月に、テレビ東京グループ(テレビ東京、BSテレビ東京、テレビ東京ダイレクト)はクラブツーリズムと共同で、テレビ番組のパッケージツアー化を目的とする新事業「テレ東トラベル」をテレビ東京ダイレクト内に立ち上げた。

「民放と旅行会社との協業は初の試みとなります。番組情報をベースにしてツアーを企画できるのが強みと言えます。番組プロデューサーをはじめ、複数の番組関係者が企画立案時から参画し、コース全体の中身を協議しあいながら進めますが、ドラマ『サ道』ツアーのように当時の番組プロデューサーが、実際のツアーに参加するのもテレ東トラベルならではだと思います」(テレビ東京ダイレクト・土田紀子氏)

『北の聖地でととのうサウナ旅』に同行した当時の番組プロデューサーは、ツアー参加者と一緒にととのい、ハダカの付き合いをした。また、サウナというニッチなジャンルの同好の士が集ったツアーとあって、参加者同士の話も弾み、「究極のマニアックツアー」とサウナファンの間で好評を博したという。

 テレビ番組にちなんだツアーとしては、乳幼児向けの子供番組『シナぷしゅ』(テレビ東京系月〜金曜 朝7:35〜8:00放送中)とのタイアップしたオフィシャルツアーも、大きな手応えを感じたと土田氏は言う。

「乳幼児を連れてのお出かけは大変ですし、行ける場所も限られます。そんな視聴者に楽しんでもらえるミニ旅行は企画できないかという、『シナぷしゅ』制作者の発案で生まれました。東京丸の内の三菱一号館美術館を貸し切りにし、子どもが騒いでも周囲を気にせず美術鑑賞でき、都内のレストランで番組オリジナルコース料理を味わいながら番組関係者とミニ交流会を楽しめる内容の日帰りバスツアーで、各施設を貸し切るため、少々価格的には高いものでした。残念ながらコロナの影響で催行できませんでしたが、そういう商品でもニーズがあるとわかったことは、我々の自信になりました」(土田氏)

■番組と現地を結ぶツアーという新たなサービスに高まる期待

 その道に精通する番組制作者がツアー制作に加わることで、さまざまな世代のさまざまなコミュニティからツアーニーズの掘り起こしが上手く図られている。これらの経験を活かし、今後はどのような目標を掲げているのか尋ねると、「新しいツアー企画月1本ペースを目標にしたい」という答えが戻ってきた。

「少ないと思われるかもしれませんが、新規の企画ばかりなので1本を練るのに時間がかかってしまうのです。コロナに見舞われたこの2年は企画しても催行できなかったツアーが多かったので、22年はGoToトラベルキャンペーンにも期待しつつ、テレビ局だからこそ実現できるツアーをより多くの視聴者に楽しんでいただきたいと思っています。これまで、情報番組等でご紹介した場所や地域に対して、点での取り上げ方しかできずにいました。でも、番組と現地を結ぶツアーという新たなサービスができたことで、番組制作サイドからも“お世話になった現地の皆さんへお返しできるきっかけになる”と、ツアー制作の声がかかるようになりました。テレビ東京の番組は、経済、アニメ、旅・グルメを柱にしています。今後は、これまでがなかなかビジネス化できていなかった旅ジャンルをテレ東トラベルで収益の拡大につなげていければと思っています」(土田氏)

 テレビを媒介にしてコアファン同士を繋いだドラマ「サ道」シリーズツアー、番組視聴者のニーズをすくい上げた『シナぷしゅ』ツアーのように、これまでありそうでなかったサービスで、新たな需要を掘り起こすというのは、いかにもテレビ東京らしい取り組みだ。これまでパッケージツアーに縁のなかった人たちの興味をひく、どんなユニークな旅企画が生まれるのか、興味は尽きない。

文:坂本ゆかり

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  • 孤独のグルメで紹介されたお店を巡るツアーとか、良いかもしれませんね。でも、大勢で押し掛けると、お店も対応できないので、その時は、貸切営業でしょうか。まだ他にも出来そうですね。
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