映画『浅草キッド』は、柳楽優弥が演じるタケシ(ビートたけし)と大泉洋が演じる師匠・深見千三郎との師弟愛が描かれている。10日放送のラジオ番組『JUMP UP MELODIES TOP 20』(TOKYO FM)にゲスト出演した劇団ひとりによると、同作品で絶対にタケシとキヨシの漫才を成立させなければならなかったが、ドラマ『べしゃり暮らし』(2019年)で役者にリアリティーのあるお笑いシーンをやらせるのに大変苦労した経験があった。土屋伸之とのスケジュールが合わず、柳楽にはずっとツービートの漫才の稽古を助監督と一緒にやってもらっていたが、監督としては「イマイチだなぁ」と感じていたという。しかしやっと土屋が現場に入り、柳楽と合わせてみると漫才シーンが一気に良くなった。土屋が彼を引っ張り漫才のリズムが出てきて、劇中に役者が演じる漫才ではなく、舞台でプロが見せる本物の漫才っぽく仕上がったのだ。
タケシの相方・キヨシにはプロの漫才師であること、そして浅草の匂いがあることで土屋の起用を決めたのだが、劇団ひとりは正直なところ彼の演技力にはあまり期待していなかったという。しかし予想に反して土屋の演技は自然で、キヨシとしての漫才も全く違和感がなかった。『JUMP UP MELODIES TOP 20』のパーソナリティを務める鈴木おさむ氏も、「何もしないスタイルが絶妙だった」と彼の演技を絶賛していた。