楽天加入の西川は優勝への使者となるか 盗塁&出塁率の二冠なら“V率100%”

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2021年12月31日 12:30  ベースボールキング

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日本ハム時代の西川遥輝
◆ 浅村ら抑えチーム内「通算出塁率」トップ

 日本ハムから自由契約となっていた西川遥輝の楽天入りが決まった。入団会見では「すべての部門でキャリアハイを目指し、石井(一久)監督を胴上げできたら」と新天地での目標を語り、心機一転で2022年のシーズンを迎える。

 2021年の楽天の外野陣を見ると、打点王に輝いた左翼手の島内宏明、ゴールデングラブ賞を獲得した中堅手の辰己涼介、復活を果たした右翼手の岡島豪郎とレギュラー3人全員が規定打席に到達した。

 控えにも、2017年の新人王・田中和基、2015年のドラフト1位・オコエ瑠偉、高卒2年目ながら44試合に出場した武藤敦貴、さらには、小郷裕哉や渡邊佳明と若く伸びしろのある選手も多い。

 ただ、そのなかに割って入ろうとする西川の実績は他を圧倒するものがある。今季4度目の盗塁王を獲得し、通算311盗塁は現役最多。チーム盗塁数がリーグワーストの45個に終わった楽天にとっては、足攻を期待できる貴重なピースとなる。

 また、出塁率もリーグトップクラスを誇る。今シーズンは打率.233(447-104)と打撃そのものは低迷したが、四球数は浅村と島内に次ぐリーグ3位の89個を記録し、出塁率.362はリーグ10位の好成績。これまで2度にわたって出塁率が4割を超えるなど、通算出塁率が.380と非常に高い選手である。

 この数字は、浅村栄斗(.365)や島内(.355)ら楽天の主軸選手をしのぎチームトップを誇るものだ。この数字からも、足が使えるリードオフマンとしてうってつけの存在だということは明確だろう。


◆ 盗塁&出塁率の二冠達成ならV率100%

 高い出塁能力を誇る西川は、前述のとおり4度の盗塁王を獲得しているが、最高出塁率のタイトルを獲得したことはない。キャリアハイの出塁率.430を記録した昨シーズンも、近藤健介(日本ハム)、吉田正尚(オリックス)、柳田悠岐(ソフトバンク)の後塵を拝しリーグ4位に終わっている。

 今シーズンも、パ・リーグは吉田正尚(出塁率.429)、セ・リーグは鈴木誠也(広島/出塁率.433)が4割を優に超える好記録を残して最高出塁率に輝いた。クリーンアップを打つような主軸選手が、勝負を避けられることで四球を増やし、結果的にタイトルを獲得したと見ていい。


 過去の最高出塁率受賞選手を振り返ると、西川のような足を使えるリードオフマンタイプの獲得者は少ない。

 楽天が新規参入した2005年以降では、青木宣親(ヤクルト/2007年)、エステバン・ヘルマン(西武/2013年)、山田哲人(ヤクルト/2015年)、田中広輔(広島/2017年)の4人だけ。山田は後半戦から3番で起用されており、1番での出場試合は68試合と半分以下だったことを考えると実質3人ということになる。

 その他の受賞者では、2015年から4年連続で獲得した柳田悠岐(ソフトバンク)や村上宗隆(ヤクルト/2020年)、ウラディミール・バレンティン(ヤクルト/2013−2014年)など強打者たちの名前がズラリと並ぶ。

 さらに、出塁率が「犠飛」を分母に入れる現行の計算方式になった1985年以降、盗塁王と最高出塁率のタイトルを同時獲得した選手は、イチロー(オリックス/1995年)、山田哲人(2015年)、田中広輔(2017年)の3人だけ。いずれも受賞したシーズンで所属チームをリーグ優勝に導いており、盗塁&出塁率のタイトル二冠ならV率100%という記録もある。


 近年の楽天は大型補強を続けており、2018年オフには主砲の浅村、2019年オフにはユーティリティープレイヤーの鈴木大地、昨年は先発ローテーションの柱として田中将大を獲得。そして今オフ、球界屈指の韋駄天・西川を迎え入れた。

 11年在籍した日本ハムを予期せぬかたちで離れ、楽天へと移籍する西川。新天地で盗塁と出塁率の二冠に輝くような活躍ができれば、目標に掲げた「胴上げ」もグッと近づくはずだ。


【動画】スキあらば!解説者絶賛の西川の走塁とは…?

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