◆ 春秋Vに導いた扇の要「学ぶことはたくさんある」
オリックスのドラフト3位・福永奨(国学院大)が、「捕手出身の監督のチームに入れて恵まれている。チームを勝たせる捕手になるため、遠慮せず教えてもらいに行きたい」と、捕手としてNPBで30年近く活躍した中嶋聡監督の指導を熱望した。
新人合同自主トレの2日目は、好天に恵まれグラウンドでアップやキャッチボールで体を動かした後、初めて室内練習場に移動しノックやティー打撃、フリー打撃で汗を流した。
「本格的にバットを振るのは久しぶり」という福永は、「フォームなどを確認しながら徐々に。最初からMAXで行こうとは考えていなかった」と落ち着いた表情。
昨年はチームの主将と4番を務め、東都大学リーグの春秋連覇に貢献した主力選手だっただけに、「けがをすると長期離脱につながる。けがをしないように体作りをしっかりとやっていきたい」と、必要以上に気持ちを高ぶらせることなく足元を見据える余裕がある。
「肩が武器」と胸を張る福永にとって、大きな目標は中嶋監督だ。
「ユーチューブを見て参考にさせてもらっているが、盗塁を刺しているところを見ても肩が強いと思う。これまでの経験や練習方法、捕手としての取り組み方など、学ぶことはたくさんある」といい、「教えてもらえるチャンスがあるので、積極的に自分から聞きに行きたい。1年目だからといって遠慮せずにいたい」と、自らアドバイスを求める考えを示した。
「肩だけでなく、試合を動かせる捕手が大事。いい捕手はチームを勝たせることが出来る。中嶋監督のそういうところを目標にしたい」
経験がものをいう捕手の世界。貪欲に自己研鑽を重ね、開幕一軍を目指す。
取材・文=北野正樹(きたの・まさき)