プジョー、9X8のWEC開幕戦欠場を発表。ウイングレス・ハイパーカーの開発は継続中

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2022年01月19日 06:11  AUTOSPORT web

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2022年1月18日に公開された『プジョー9X8』の最新画像。当初の計画どおりリヤウイングが存在しないマシンとなっている
1月18日、プジョーは新しいル・マン・ハイパーカー(LMH)のホモロゲーション登録前のテストプログラムを継続するため、セブリングで行われるWEC世界耐久選手権の2022年シーズン開幕戦への出場を見送ることを明らかにした。

 現在、LMH規定に基づく新型ハイパーカー『プジョー9X8』を開発しているフランスのメーカーは、93号車と94号車のペアが3月19日にアメリカ、フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで開催されるセブリング1000マイルを欠場することを確認した。

 WECのフレデリック・ルキアンCEOは先週、プジョーが6月のル・マン24時間レースでグリッドを確保するためには、開幕戦セブリングもしくは第2戦スパに参加する必要があることを明言している。そうしたなか、プジョースポールは彼らのニューマシンがどのタイミングでレースデビューを果たすのかを明らかにしていない。

 2022年のWEC“シーズン10”に参戦するプジョーは、他のハイパーカーチームと同様に、フルシーズンエントリーする競技者としてサインアップしている。彼らは現在、2.6リットルV6ハイブリッドエンジンを搭載した新しいプロトタイプレーシングカーのホモロゲーションを確定させる前段階の集中的なトラックテスト・プログラムに取り組んでいる。このホモロゲーションは一度確定すると2025年まで凍結される予定だ。

 この発表に合わせてモーターランド・アラゴンでの走行テストの様子を記録した写真と動画を公開したフランスのメーカーによると、9X8の開発プログラムは今年「さらにスピードアップ」し、シミュレーターでの検証や毎月のトラックセッションを通じて研究と承認作業が継続されるという。

 ステランティス・モータースポーツディレクターのジャン-マルク・フィノーは、「チーム・プジョー・トタルエナジーズは、フロリダ州のセブリングで始まる2022年のカレンダーを構成する6つのラウンドの最初のラウンドには参加しない」と明言した。

「9X8は、大会主催者と合意した準備、信頼性、競争力のレベルに基づいてレースデビューを果たす予定であり、(我々は)開発プログラムの進捗に合わせて定期的に情報を提供する」

■リヤウイングを装備しない決定が適切であることを確認

「シーズン全体にコミットせず、一部のレースに参加するという選択肢もあった」と同氏。

「それも可能だっただろうが、一貫性がなかった。そのため、チームがこの分野に完全に没頭できるようなアプローチを選択した」

「これによって開発作業とホモロゲーションプロセスが継続しているため、9X8がすべてのレースに出場しなくても主催者とのコラボレーションを大幅に強化することができる」

 アラゴンで撮影されたプジョー9X8の写真は、彼らの新しいハイパーカーにリヤウイングが装備されていないことを示している。

 プジョーのハイパーカーは先月ロールアウトが行われ、その際に公開された画像ではリヤエンドの広範囲が意図的に隠されていたため、独創的な「ウイングレスのデザインが変更されたのではないか」との憶測につながった。

 プジョーのWECテクニカル・ディレクターを務めるオリビエ・ジャンソニは、「この(ウイングレスの)構成はACOフランス西部自動車クラブ/FIA国際自動車連盟のル・マン・ハイパーカー規則によって認められているものだ」と述べている。

「私たちの計算と風洞実験によって、リヤウイングなしで走るという我々の決定が適切であることが確認された」と彼は付け加えた。

「このオプションに必要な開発やセッティングとともに、特性の異なるさまざまなサーキットでのテストを通じて、このオプションが検証されることを期待している」

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