波乱のデイ3。オジエ再逆転、ローブに21秒差をつけ最終日へ/WRC第1戦モンテカルロ

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2022年01月23日 11:10  AUTOSPORT web

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総合トップで最終日を迎えるセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第1戦モンテカルロ
モナコとフランスで開催されているWRC世界ラリー選手権開幕戦モンテカルロは1月23日、ラリーの競技3日目を迎えた。SS9〜13が行われたこの日はアクシデントが相次ぐ波乱の1日となったが、そのなかでセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位に返り咲き、初日から優勝争いを繰り広げているセバスチャン・ローブ(フォード・プーマ・ラリー1)に対し21秒のギャップを築いた。勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)はSS13でコースオフを喫し、その際に側溝にはまってしまい総合13番手に順位を下げている。

 初日のデイ1から、ともにモンテをを得意とする“ふたりのセバスチャン”による激しいトップ争いが続く第90回ラリー・モンテカルロ。デイ3はモナコの北西方向にあたるフランスの山岳地帯で5本のSSが実施され、オープニングとなったSS9では総合3番手につけるエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)を筆頭にカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)、オジエが続きTGR勢がワン・ツー・スリーを決めた。

 トヨタの3名は続くSS10でも速さをみせ、今度はオジエ、エバンス、ロバンペラの順で2度目のステージトップ3独占を果たす。一方、オジエと首位争いを展開しているローブはペースが上がらず、序盤の2ステージで貯金を失い、総合でオジエと同タイムに。

 また、頂上付近は積雪路となったSS11“サン・ジュニエ/トアール”でも、ライバルから5.4秒の後れを取り再逆転を許してしまった。続くSS12ではロバンペラに次ぐ2番手タイムを記録し、その差を5秒ジャストに縮めたローブ。元9連覇王者は、SS11の再走ステージでありこの日最後のSS13でスノータイヤを選択せず、4本すべてをソフトタイヤとするギャンブルを敢行する。

 これを見たオジエはすでにソフト2本、スノー2本のミックスで行くことを決めていたが、最大のライバルと同じタイヤ選択に変更。そのうえでローブを16.1秒上回るタイムを記録し、1日の最後には総合でのタイムギャップを21.1秒に拡げている。

 モンテ最多8勝を誇る現王者は、「それがもっとも安全な選択肢だったのでスノータイヤを使うつもりだったが、セブ(セバスチャン・ローブ)がスリックタイヤを履いているのが見えたから、スタート直前に交換したんだ」と説明した。

 ローブは前日に4連続ステージベストを記録したものの、デイ3ではそのペースを再現することができなかった。

「いまでは、(オジエに)かなり離されてしまった」と劣勢を認めた元王者。「僕たちの選択を見て、オジエは土壇場で(タイヤを)交換した。スリックタイヤでのアタックは本当にトリッキーでミスを犯しやすい状況だったが、我々はここにたどり着いた」

■タナク、モンテカルロで3年連続のリタイア

 ふたりのセバスチャンが“別次元”とも言える戦いを繰り広げるなか、後方では波乱が続いた。デイ3を総合3番手で終えたクレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1)はその恩恵を受けたひとりだ。
 
 この日のスタート時、彼の前にはエバンスとティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20 Nラリー1)、オット・タナク(ヒュンダイi20 Nラリー1)が並んでいたが、トヨタのドライバーは総合3番手で迎えたSS11でコースオフ。観客の助けを借りステージに復帰するも、大幅にタイムを失い総合26番手に後退した。

 また、同じSS11ではタナクもコース脇の土手にフロントから突っ込んでラジエーターを破損させてしまい、ラリー続行が不可能に。僚友のヌービルは右フロントのダンパーが損傷したことでタイムを失い、順位を6番手に下げている。

 この他にもオリバー・ソルベルグ(ヒュンダイi20 Nラリー1)がSS10でコースを外れて斜面に転落、SS13では総合5番手に順位を上げていた勝田が雪に足を取られ、道路脇の溝にはまってしまったが、いずれも観客の手助けによってラリーに復帰している。ポジションは勝田が総合13番手、ソルベルグは総合48番手だ。

 ブリーンと同じく、この状況下で順位を上げてきたのは、トヨタのロバンペラだ。苦しんだ前半2日から一転、バランスのとれたセットアップを見つけた彼は序盤から好調な走りを披露し、終盤のSS12とSS13ではベストタイムを記録してみせた。ライバルたちが次々に脱落していくなか9番手からポジションを上げ、3番手から37.8秒遅れの総合4番手につけた。

 前日にキャリア初のステージ優勝を飾ったガス・グリーンスミス(フォード・プーマ・ラリー1)は、パンクとエンジンの不調に苦しめられた。彼はスパークプラグを交換したことでTCに後れ3分のペナルティを受けたものの、波乱続きの1日を生き残り総合5番手につけている。

 SS14〜17が行われる競技最終日の23日(日)は、デイ2の実施エリアと一部が重なるフランスの山岳地帯で、2本のステージを各2回走行する。SS15の再走ステージとなる最終SS17はステージトップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスポイントが与えられる“パワーステージ”だ。4本のSS合計距離は67.22km、リエゾン(移動区間)を含む1日の総走行距離は298.41kmとなっている。

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