ウェイン・テイラー・レーシングのアキュラが予選レースを制す。小林可夢偉は力走見せ3位/IMSAデイトナ24時間

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2022年01月24日 07:20  AUTOSPORT web

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2022年デイトナ24時間の予選レースで勝利し、ビクトリー・レーンへと向かうウェイン・テイラー・レーシングの10号車アキュラARX-05
1月23日、アメリカ・フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイでIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権2022年第1戦『ロレックス24』(デイトナ24時間レース)の決勝グリッドを決する予選レースが行われ、ウェイン・テイラー・レーシングの10号車アキュラARX-05(リッキー・テイラー/フィリペ・アルバカーキ/アレクサンダー・ロッシ/ウィル・スティーブンス)がトップフィニッシュを飾った。

 5クラスすべてが参加する2022年のデイトナ24時間は1月29〜30日に決勝レースが開催されるが、その前週の21〜22日には公式テスト『ロア・ビフォア・ザ・ロレックス』の4セッションが行われた。そして2021年より、この『ロア』(咆哮を上げる、といった意)ウイークの最終日には、決勝レースのグリッドを決する100分間の予選レースが行われている。各チームは2名のドライバーで、この予選レースを戦う。

 この予選レースのグリッド決定のため22日には予選セッションが行われ、最高峰DPiクラスではJDCミラー・モータースポーツの5号車キャデラックDPi-V.Rをドライブするトリスタン・ボティエが最速タイムをマーク。2番手には10号車アキュラARX-05のアルバカーキが続いた。

 以下、予選順位は3番手にキャデラック・レーシング(チップ・ガナッシ・レーシング)02号車キャデラックのアレックス・リン、4番手にウェーレン・エンジニアリング・レーシング(アクション・エクスプレス・レーシング)31号車キャデラックのトリスタン・ヌネス、5番手にアリー・キャデラック48号車キャデラックのジミー・ジョンソンというオーダーとなっていた。

 なお、アリー・キャデラック48号車は当初発表されたエントリーリストにおいて小林可夢偉とマイク・ロッケンフェラーが予選レースを走る指名ドライバーとなっていたが、その後発行されたリストでは可夢偉とジョンソンのふたりへと改められている。

 現地時間23日14時05分にスタートした予選レースは各車がピットストップを終えた終盤、トップを走る10号車アキュラのテイラーと、5号車キャデラックのリチャード・ウエストブルックによる首位争いが展開された。

 2台は最終スティントを通じてほとんどが1秒以内、テール・トゥ・ノーズに近い僅差の状態で走行を続け、バックマーカーを絡めて仕掛けるウエストブルックが、インフィールド出口で軽くテイラーをプッシュする場面も。

 ハイライトは最終ラップに突入した1コーナーで訪れた。

 ウエストブルックは何とかテイラーのインへと飛び込もうとするが、ここでもやや距離があり、10号車の左リヤにヒット。テイラーはバランスを崩しながらも走行を続けたのに対し、仕掛けたウエストブルックはスピンしてトップ浮上の望みが絶たれることとなった。

 このとき、3番手には48号車キャデラックの小林可夢偉が浮上してきていたが、数秒のギャップが開いていたことから、すぐにリカバリーしたウエストブルックが2位を守る形となった。

 ジョンソンからバトンを受け継いだ可夢偉は力走を見せ、残り8分というタイミングでマイヤー・シャンク・レーシング60号車アキュラのオリバー・ジャービスをパスし、4番手にポジションを上げていた。その後、3番手を走行していたウェーレン・エンジニアリングの31号車が燃料スプラッシュのためピットに向かったことで、可夢偉は3番手まで浮上していた。

 これにより、ジョンソンと可夢偉にロッケンフェラー、ホセ・マリア・ロペスが加わる48号車キャデラックは、29日の決勝レースを3番手からスタートすることとなった。

 チップ・ガナッシの2台のキャデラックDPi-V.Rはいずれも最初のピットストップ時にピットレーンスピード違反のペナルティを受けた結果、レンガー・バン・デル・ザンデとセバスチャン・ブルデーがドライブした01号車が5位、アール・バンバーとリンが予選レースを担当した02号車が6位に終わっている。

■新設GTDプロはランボルギーニ・ウラカンGT3が制す



 LMGTEカーで争われていたGTLMクラスに代わって、今季よりGT3車両とプロドライバーで争われるGTDプロクラスには、8マニュファクチャラー/13台のマシンがエントリーする盛況ぶりとなった。

 予選レース後半、トップにはPfaffモータースポーツ9号車ポルシェ911 GT3Rがつけていた。ドライブしていたのは今季よりポルシェのワークスドライバーとなったフェリペ・ナッセだったが、これにウェザーテック・レーシング79号車ポルシェのアレッシオ・ピカリエッロが迫る展開に。

 残り25分というタイミングでピカリエッロが9号車を攻略するが、さらにここにTR3レーシング63号車ランボルギーニ・ウラカンGT3を駆るミルコ・ボルトロッティが迫ってきていた。

 ボルトロッティは残り14分、オーバル前半部でサイド・バイ・サイドに持ち込み、バスストップシケインへインから進入し首位を奪うと、そのままチェッカーまで逃げ切った。63号車はマルコ・マペッリ、アンドレア・カルダレッリ、ロルフ・イネイシェンを加えたラインアップで、クラストップから決勝レースをスタートする。


 GTDクラスはウインワード・レーシングの57号車メルセデスAMG GT3(ラッセル・ワード/フィリップ・エリス/ミカエル・グレニア/ルーカス・アウアー)が22台による争いを制した。

 10台で争われたLMP2クラスではPR1/マティアセン・モータースポーツの52号車オレカ07・ギブソン(ベン・キーティング/ミケル・イェンセン/スコット・ハファカー/ニコラ・ラピエール)が、9台がエントリーするLMP3クラスではアンドレッティ・オートスポーツの36号車リジェJSP320・ニッサン(ジャレット・アンドレッティ/ジョシュ・バードン/ラスムス・リンド/ギャビー・チャベス)が、予選レースを制している。

 なお、今回がIMSA初参戦となる日本の阿部光もエントリーしているLMP3のパフォーマンス・テック・モータースポーツ38号車リジェ・JSP320は、阿部と17歳のチリ人ドライバー、ニコ・ピノが予選レースを担当したが、フィニッシュできずに予選レースを終えている(リザルト上はクラス7位扱い)。

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