BTSのグッズ戦略、綿パジャマが約1万5000円、マスクは7枚3300円!「強気価格」にファン戸惑い

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2022年01月27日 07:10  週刊女性PRIME

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BTS

「新しいグッズが発売になる度、また“集金”かと思う一方で、見ればお財布の紐が緩んでしまうのがオタクという生き物。最近は高額なグッズが登場してきて、金銭感覚がどんどんおかしくなっているのを自覚しています」

 と苦笑いするのは、千葉県在住の30代女性アーミー。

 “アーミー”とは、韓国出身の世界的グループ、BTSのファンのこと。2年連続でグラミー賞にノミネートされるなど、コロナ禍でも快進撃を続けている彼ら。しかしここ最近、BTSのグッズ販売がアーミーたちの間でちょっとした議論となっているのだ。

 その一番の理由が商品の高額化。顕著だったのは、今年1月4日から世界同時発売された「ARTIST-MADE COLLECTION BY BTS」と名付けられた新商品。「BTSのメンバーが『ARMYのみなさんと一緒に使いたい商品』を題材に直接企画し、メンバーの嗜好と感性を100%込めた商品」という触れ込みで、メンバー毎に2〜5種類の商品が順次リリースされた。

 実際にメンバー自身がデザイン画を描いたり、素材選びをしたりするなど、メンバーのこだわりがギュッと詰まったグッズとあり、アーミーを歓喜させた一方で戸惑わせたのがその値段。

 Vが手掛けた一番安いブローチセット(2個入り)でも4,200円(日本オフィシャルショップでの税込み価格。以下同)。アパレル商品はどれも1万円超で、ジョングクのパーカーは1万6,200円、ジンのパジャマは1万4,300円……。ちなみにどちらもシルクといった高級素材が使われているわけではなく100%コットン。一番高かったのがVのボストンバッグで1万9,800円。価格的に本革かと思いきやフェイクレザーで、送料を加えたら2万円を超す。

本人も価格に「驚いた」

「ジンがファンコミュニティーアプリのWeverse(ウィバース)に、『パジャマに良い素材を使ってと言ったけれど、何という価格……。僕も驚いたよ』と苦言を投稿し、アーミーの共感を呼んでいました。

 批判めいた声もあがる中、発売されたこれらの商品ですが、いざ蓋を開けてみれば、全アイテムとも発売と同時に即完売。ファンクラブ会員限定商品ではなく、サイトにアクセスすれば誰でも買える販売方法だったこともあり、フリマサイトで高額で転売する“転売ヤー”も出現。ほどなくして受注生産による2次販売が始まり、アーミーをホッとさせていましたが、『だったら最初から受注生産すればいいのに』という声も上がっていました」(K−POPに詳しい音楽ライター)

 本国・韓国でも、BTSの関連商品が“高すぎる”とニュースになったのが、ヒット曲『Butter』をモチーフにしたマスク「BTS ARTWORK MASK BUTTER」。

 7枚入りで3万5,000ウォン(約3,330円)、56枚入りのスペシャルパッケージが24万5,000ウォン(約2万3,330円)という強気の価格設定に、一部アーミーから不満の声が上がっていると報じられた。

「“高くてもアーミーなら買うだろう”という足元を見られている感覚がありますね」とは前出のファン。

「正直、コラボ商品の量の多さにも最近ちょっと疲弊気味。BT21(ビーティートゥエンティーワン。メンバー発案のイラストキャラクター)とTinyTAN(タイニータン。メンバーをモチーフにしたキャラクター)の企業コラボ商品が毎月、何種類も登場するんです。見るとほしくなる→コンプリートしようとしたら家庭崩壊→物欲を押し殺す、の無限ループがストレス過ぎて、最近は積極的に情報収集しないようにしています(苦笑)」

事務所は「BTS 依存」状態

 基本的にタレントの稼働なくとも収益が得られるグッズは、芸能事務所にとって利益幅の大きい商売。韓国のアイドル業界では、東方神起、SHINee、EXO、NCT127などを有するSMエンタテインメントがいち早く自社タレントのグッズ販売を強化。2015年にはソウルの一等地にある商業施設内にグッズ販売ショップを開業し、お菓子からアパレルまで、さまざまなグッズをリリースしていた(※ショップは20年5月に閉店)。

「それと比べてもBTSの所属事務所HYBEのグッズ販売戦略はレベルが違う」と語るのは前出のライター。

「HYBEのトップでBTSの生みの親でもあるパン・シヒョク氏が目指しているのは、単なる芸能事務所ではなく、コンテンツ制作から配信、流通まで、すべてを狙うグローバルプラットフォーム企業。グッズ販売も自社で開発したファンコミュニティーアプリのウィバースで行い、世界各国のファンがオンラインで購入できる仕組みを構築しています」

 その一方ではこんな問題も。

「BTS関連の事業が会社の売上高の9割近くを占める状態のため、HYBEは“BTS依存”とも言われています。後輩グループも順調に育ってきていますが、依然BTSの人気は圧倒的。

 今、韓国国内ではBTSの兵役免除について議論が交わされていますが、兵役で活動休止となれば、空白期間の収益を確保するため、彼らの関連グッズがこれまで以上に大量リリースされることは必至でしょう」(前出のライター)

 HYBEは現在、メタバース(ネット上の仮想空間)やNFT(非代替性トークン)といった最新技術を用いた新サービスも開発中で、デジタルフォトカードといったまったく新しいグッズが近い将来販売されるというのがもっぱらの噂。

 アーミーの懐が寂しい状況は今後も続きそうだ。

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