石橋静河が語る「“お芝居をやったらいけない”と本当に落ち込んだ」苦い過去

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2022年01月28日 06:00  週刊女性PRIME

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石橋静河 撮影/吉岡竜紀

 朝ドラ『半分、青い。』('18年)や『大豆田とわ子と三人の元夫』('21年)など、話題の映画に出演する女優、石橋静河。映画『前科者』ではこれらの作品で演じた役柄とは正反対の茶髪&ヒョウ柄などのド派手なヤンキーファッションに身を包む役に挑戦。今後目指す女優像や過去の失敗経験など、女優・石橋静河の素顔に迫る。

「やっちゃいけないことを全部やっている感じ」

覚悟のいる役だな、とすごく思いました。ビジュアルもかなり、普段の自分から振り切った感じになりますし(笑)

 12月まで放送されていた『前科者−新米保護司・阿川佳代− 』(WOWOW)。その熱きドラマの続きを描く映画『前科者』が公開となる。

 保護司とは、犯罪者の更生を手助けする非常勤の国家公務員。佳代(有村架純)が初めて担当した保護観察対象者は、恐喝および傷害罪で懲役2年を経て仮釈放となった斉藤みどり(石橋静河)。

 朝ドラ『半分、青い。』('18年)や『この恋あたためますか』('20年)、『大豆田とわ子と三人の元夫』('21年)など、落ち着いた聡明な女性を演じるイメージのあった石橋だが、本作では茶髪&ヒョウ柄などのド派手なヤンキーファッションに身を包む。そのギャップには驚きが。

「フフフ。いい意味でですか?(笑)。みどりを演じるのは本当に楽しかったです。歩き方やしゃべり方など、作っていく部分がすごく多くて。例えば、足を開いて座るとか、お行儀悪く食べるとか、“やっちゃいけない”と教わってきたことを全部やっている感じでした(笑)

 姉後肌のみどりは仲間思いであると同時に激情家。

「みどりは、一度信じたらとことん信じ抜く熱い人。その素敵な部分を表現したいと思いました」

 衝突、怒り、涙……。保護司の佳代と、保護観察対象者のみどり。多くを乗り越えたふたりの間にいつしか芽生えていたのは、友情。

「映画『前科者』はドラマから3年後の世界。また別の苦しみを抱えた保護観察対象者(森田剛)が出てきます。佳代ちゃんとみどりのそれぞれの成長、そして深まっている友情をぜひ見守っていただきたいです」

今になってみればあの苦さは大事な経験

 たとえ失敗をしても、やり直せる。そんな経験を尋ねると、

「『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』('17年)で初めて主演をさせていただいたんですけど、右も左もわからず、ただただ精いっぱいで。“私なんて、お芝居をやったらいけない”と本当に落ち込みました。でもそれは経験が浅い状態だったから、当たり前で。

 そこからいろんな人のお芝居を見て学び、作品を経験させていただく中で“こういうことはもっとやっていいんだ”とわかってきた。今になってみれば、あの苦さは大事な経験。失敗も、数年後には失敗だと思わなくなるから、そのときの自分に“大丈夫だよ”と言ってあげたいですね

 父は石橋凌、母は原田美枝子。4歳でクラシックバレエを始め、中学卒業後はアメリカ、カナダへバレエ留学。帰国後はコンテンポラリーダンサーとして活動を始め、'15年に女優デビュー。“新米”のころに描いていた女優像と今を聞くと、

「踊りはずっと好きだし、封印せずにやっていきたいこと。でも “新しい世界に入ってみたい”“お芝居の世界を知りたい”と始めたのが女優の仕事。だから両方を自由に行き来したいと考えていました。そんな簡単じゃなかったんですけど(笑)」

 しかしながら、現在地としては大きくかけ離れてもいないという。

「昨夏にやった舞台では踊るシーンもあって。最近は少しずつ、踊る感覚を取り戻しています。現段階ではもっとお芝居の経験を積まなきゃいけないと思っていますが、ふたつの柱が徐々に立ってきている感じがすごく楽しいです

【同世代・有村架純との共演】

 佳代役の有村架純(28)との共演について尋ねると、

「ずっと第一線でやっている方だけど、同世代でもあって。作品の真ん中に立つ責任感をちゃんと理解してやっている姿は本当にカッコいいなと思ったし、勉強になりました。そして、その存在がすごく可憐で可愛い方。自然と現場にやる気を与える影響力を目の当たりにできたのは、すごくうれしかったです。“有村さんも頑張ってるから、自分たちも頑張らなきゃ!!”と思わせてくれる存在です」

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