◆ 「自分が切手になるなんて」
昨季、本塁打王に輝いたオリックスの杉本裕太郎が31日、自主トレを行っている宮崎市のSOKKENスタジアムで取材に応じ、「打撃は昨年のような成績と、守備で迷惑をかけたので今年はゴールデングラブ賞を獲りたい」と攻守での2冠を誓った。
快晴とはいえ、時折、冷たい山風が舞うグラウンドだったが、杉本はアップ中にジャージーの上着を脱ぎ捨て、タンクトップ姿に。球団グッズの「伏見“寅”威Tシャツ」(税込3000円)の両袖を切り取ったような夏仕様。「暑いですね。なんでみんな厚着なんやろ、と心配していた」と笑いを誘ったが、体以上に心も熱く燃える理由がある。
キャンプインする2月1日に、日本郵政四国支社からオリジナルフレーム切手『オリックス・バファローズ 杉本裕太郎 徳島が生んだ二〇二一 パシフィック・リーグ本塁打王』が販売開始となることが決まっている。「すごいですね。自分が切手になるなんて、うれしいこと」と杉本。「ロッカーに届くファンレターは全部見ている。ファンからその切手を使った手紙が来たら、すごくうれしい」と続けた。
6年目の昨季、32本塁打を放ち大きく飛躍した。今季は「数字を挙げると力むので、最終的にそうなればいい。個人の数字は出来過ぎ。昨年は終わったこと。一から切り替えて、昨年のような成績が残せれば」と、自然体で2年連続のホームランキングに焦点を当てる。
さらに、今季はゴールデングラブ賞も狙う。「昨季は守備で迷惑をかけた部分があるので、獲りたい。守りでミスをしたら投手に迷惑をかける。投手を助けるようなプレーをしたい」と、守りで貢献することにも意欲を示す。
オフには「昨年は五輪前にバテたので、コンディショニングから見直した」と肉体改造に着手したようで、筋肉量を1割増やし、体脂肪率も減少した。打撃への手応えは「まだバットを振り込んでないので分からない」というが、本塁打を打った後の「昇天ポーズ」を披露する機会は増えそうだ。
取材・文=北野正樹(きたの・まさき)
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