オーバーテイクを決めたフェルスタッペンが接戦を制して今季初優勝。PPペレスに無情のセーフティカー【決勝レポート/F1第2戦】

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2022年03月28日 04:30  AUTOSPORT web

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最後までトップバトルの接近戦を見せたフェルスタッペン(レッドブル)とルクレール(フェラーリ)
3月27日現地時間20時、2022年F1第2戦サウジアラビアGP決勝が行われた。気温は25度、路面温度は28度で、風は風速2.2mとこの3日間で最も弱い。

 予選で大クラッシュを喫したミック・シューマッハー(ハース)は、身体には問題なかったものの今後のスペアパーツ状況も考慮してチームが欠場を決定。予選12番手のダニエル・リカルド(マクラーレン)はエステバン・オコン(アルピーヌ)に対する走行妨害で3グリッド降格ペナルティを受け、14番グリッドスタートとなった。

 予選ノータイムの角田裕毅(アルファタウリ)は19番グリッドとなったが、スターティンググリッドに向かうレコノサンスラップでパワーを失ってストップ。MGU-Kで再起動を試みたがチームからの指示で電源を落としてマシンを降り、決勝に出走することなくリタイアとなった。

 ほぼ全車がミディアムタイヤをスタートに選び、ケビン・マグヌッセン(ハース)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、ニコ・ヒュルケンベルグ(アストンマーティン)だけが皮むきをしたハードタイヤでスタートに臨んだ。

 スタートでポールポジションのセルジオ・ペレス(レッドブル)がホールショットを奪い、2番グリッドのシャルル・ルクレール(フェラーリ)がアウト側にけん制した影響で3番グリッドのカルロス・サインツ(フェラーリ)のインへ4番グリッドのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が飛び込んで3番手に浮上した。

 後続は大きな混乱無くスタートを決め、オーダーは首位ペレス、2番手ルクレール、3番手フェルスタッペン、4番手サインツ、5番手オコン、6番手ジョージ・ラッセル(メルセデス)、7番手フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、8番手バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)、9番手マグヌッセン、10番手ピエール・ガスリー(アルファタウリ)という順になった。2周目のターン1ではランド・ノリス(マクラーレン)がガスリーのインを突いて10番手に上がった。開幕戦に続きスタートでクラッチに問題が再発した周冠宇(アルファロメオ)は、ターン1でリカルドと接触してアンチストールに入り、最後尾まで後退してしまった。

 3周目の最終コーナーでラッセルはオコンのインに飛び込んで5番手に浮上。アロンソがオコンの背後に迫るが、オコンはメインストレートで幅寄せするなど激しいバトルになる。アロンソは7周目のターン1でようやくパスして6番手へ。ガスリーも再びノリスに対してプッシュを開始し、ノリスを抜いて10番手を取り戻した。

 オコンはウィービングでブロックするアロンソに対して8周目のターン1で前に出るがオーバーシュートしてターン2をカットしながら前に出るかたちになり、セクター2でポジションを戻す。この間に後方のボッタスが背後に迫り、マグヌッセンまで加わって4台の争いとなる。ターン2をカットしてアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)を抜いた周には5秒ペナルティが科された。

 8周目にリカルドが先陣を切ってピットインしてハードに履き替えた。

 2番手ルクレールは首位ペレスから2.5秒前後のギャップを保って走行。レッドブル勢はフェラーリ勢よりも先に左フロントのグリップが低下し始める。

 15周目のメインストレートでハミルトンはガスリーを抜いて10番手に浮上。チームオーダーでポジションキープを指示されたオコンは、ボッタスに抜かれて8番手に下がった。

 ペースで優位にあると考えるルクレールはアンダーカットするために15周目にピットインの指示を受ける。これを受けて首位ペレスはアンダーカット阻止のために先にピットインしハードに交換し、ルクレールはオーバーカットのためにステイアウト。

 その直後に最終コーナーでニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)がクラッシュし、セーフティカー導入。これでマグヌッセン、ハミルトン、ヒュルケンベルグ以外の全車がピットインし、首位ルクレール、2番手フェルスタッペン、3番手ペレス、4番手サインツ、5番手ラッセル、6番手マグヌッセン、7番手ハミルトン、8番手アロンソ、9番手ヒュルケンベルグ、10番手ボッタスとなる。サインツはピット出口のSCライン1をペレスよりも前で通過しており、直後のターン2でペレスが先行したが順位を戻す前にレース再開となってしまう。

 21周目にレースは再開。ルクレールは最終コーナーをワイドに走行してフェルスタッペンのラインを潰しながら加速して首位をキープ。ペレスはペナルティ回避のためにターン3でサインツを先行させた。

 ルクレールはファステストラップを記録しながらフェルスタッペンをDRS圏外へと引き離す。後方ではスタートからハードタイヤのままで走り続ける6番手マグヌッセンと7番手ハミルトンが激しくやりあい、23周目のターン27でハミルトンがマグヌッセンをパス。しかしマグヌッセンは次のメインストレートでDRSを使って6番手を取り戻す。25周目はメインストレートでハミルトンがマグヌッセンを抜いてようやく6番手に上がった。

 首位ルクレールと2番手フェルスタッペンが徐々に3番手サインツ以下を引き離していくが、お互いにレース終盤を見据えてタイヤをいたわりながらの走行。各車とも最後まで走り切れる計算だが、タイヤ交換がまだのハミルトンとマグヌッセンはハードのままでセーフティカー出動を待つ。

 35周目のターン1でアロンソがマグヌッセンを抜いて7番手に浮上。その直後の36周目にパワーが低下してスローダウンし、リカルドもピット入口手前でスローダウンしコース上にストップ。さらにボッタスもピットに戻ってリタイア。これでVSC(バーチャルセーフティカー)となったが、アロンソもピット入口でストップしたためピットエントリーは閉鎖となり、ハミルトンはピットインができなくなってしまった。マグヌッセンとヒュルケンベルグはVSCが出る前の37周目にピットインを済ませた。

 41周目にVSCが解除となり、ピットエントリーのオープンと同時にハミルトンは40周目にピットインしマグヌッセンの後方12番手でコースに戻る。フェルスタッペンは41周目にセクター2と3でベストセクターを刻んでルクレールとのギャップを縮め、42周目のメインストレートでDRSを確保してアタック。ルクレールはなんとかこれを抑える。

 42周目のターン27手前でルクレールはフェルスタッペンを先行させ、一旦首位を譲りながらDRSを確保し、43周目のメインストレートでDRSを使って抜き返した。その後ターン27では両者がDRSを譲り合うかたちになりロックアップするが、ルクレールはすぐに加速してDRSを持つフェルスタッペンに仕掛けさせず首位を守りきった。

 46周目のターン27でもフェルスタッペンが背後に迫り、DRSの譲り合いとなるがそのままの順位でメインストレートへ。フェルスタッペンはDRSを使ってメインストレートでルクレールを抜いて首位を奪い取った。ルクレールはそのまま着いていき、最終コーナーでDRSを確保してメインストレートでもついていく。

 ルクレールは49周目のメインストレートへ0.5秒差でDRSを使って絶好のチャンスを手にするが、ターン1でストロールのインに飛び込んだアルボンが接触して黄旗が出され、ストレートでDRSが使えなくなってしまう。

 最終ラップの50周目のメインストレートではDRSが使用可能になりルクレールがDRSを使って0.7秒差で追うが届かず。ルクレールは最後まで必死に追いすがるが、フェルスタッペンは0.549秒差で逃げ切って今季初優勝を挙げた。3位には7.548秒差でサインツ、ペレスはサインツに2.703秒届かず4位に終わった。

 5位ラッセル、6位オコンは0.107秒差でノリスから逃げ切り、8位ガスリー、9位マグヌッセン、10位ハミルトンという結果になった。

このニュースに関するつぶやき

  • ペレスが残念だったなあ。あのままポールTOウィンだったらよかったのに。角田もがっくり。フェルスタッペンの強さはわかった。
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