ジョニー・デップとアンバー・ハードの裁判のハイライトを解説 3週間経過も水掛け論に?

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2022年05月04日 08:01  リアルサウンド

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リアルサウンド

ジョニー・デップ(写真提供=REX/アフロ)

 アンバー・ハードが、元夫で俳優のジョニー・デップに名誉棄損で訴えられている裁判が4月11日(アメリカ現地時間)に始まってから3週間が経過した。これまでのハイライトに注目してみたい。


【写真】胸に手を当てるアンバー・ハード


 今回の裁判は、2018年12月にハードが家庭内暴力の犠牲者だったことをWashington Postに寄稿したことに端を発する。その社説でハードは名前こそ出さなかったものの、加害者がデップだと示唆していたことは明白で、2019年3月にデップがハードに対して5,000万ドル(現為替で約65億円)の損害賠償を求める名誉棄損の訴訟を起こした。


 この訴えに対し、ハードはデップから嘘つきのレッテルを貼られたとして名誉毀損で逆提訴し、1億ドル(約130億円)の損害賠償を求めている。ハードの弁護を務めるエレイン・ブレデホフトは、ハードが書いた社説はアメリカ合衆国の憲法修正第1条で保護されているとし、デップがハードに身体的・性的虐待を加えた証拠もあると主張。対して、デップの弁護士であるカミーユ・ヴァスケスは「ハードが復讐に燃えている」と非難し、「ハードが一世一代のパフォーマンスを披露する準備をしている」と述べ、米バージニア州フェアファックス郡の巡回裁判所にて、すでに泥沼と化している裁判の火蓋が切って落とされた。


 裁判の初日にはハード側のブレデホフト弁護士が、2015年にオーストラリアでデップとハードの間に起こった3日間にわたる“人質”疑惑事件に言及。弁護士は、デップがハードをホテルの部屋にあるバーに閉じ込め、酒のボトルなどを投げつけた挙句、割れたボトルが散乱する床の上でハードを引きずり回したと述べた。さらにデップが、殴る蹴るの暴行をハードに加えたうえに暴言を吐いたと主張。対するデップは、ハードがプラスチックの携帯電話を自分に叩きつけた際、手指の骨が見えるほどの怪我を負ったと反論。「大きなアコーディオンにぶつけて怪我をしたと病院で嘘をついたのは、ハードさんをトラブルに巻き込みたくなかったからです」と説明し、ミュージシャンでギタリストでもある自分が、自身の指を傷つけることなどしないと主張していた。


 別の日の裁判では、デップに暴力を振るわれたとするハード側の言い分に対してデップが、「いかなる形でもハードさんを殴るに至ったことはなく、人生で一度も女性を殴ったことはありません」と述べていたのこと。


 そして、裁判の3日目には2人の結婚カウンセラーとしてセラピーを担当した臨床心理療法士のオーレル・アンダーソンが召喚され、「2人は“相互虐待”の関係に陥っており、お互いに暴力を振るっていた」と証言している。


 また、デップの長年の運転手兼ボディガードの一人であるスターリング・ジェンキンスが、2016年4月に起こった夫婦喧嘩の余波について語った。その喧嘩は、デップがハードの誕生パーティーに遅刻したことが原因で勃発し、喧嘩後にデップが自宅を出てからほどなくして、警護チームが夫婦のベッドの上に排泄物を発見。ハードが家を留守にしている間に荷物を取りに戻ろうとしたデップに、ボディガードが排泄物を撮影した写真を見せ、「今、家に戻るのはやめた方がいい」と説得。当時を振り返ったデップは、「それは私たちのベッドの写真で、いつも私が寝ている側に排泄物があり、それはあまりに異様かつグロテスクで笑うしかありませんでした」と証言。その排泄物についてハードは、2人が飼っていた2匹のティーカップヨーキーのものだと言い張っていたそうだが、デップは、「私は、その犬と一緒に暮らしていて彼らの糞を片付けたことがあり、それ(ベッドの上の排泄物)は犬のものではありませんでした」と述べていた。


 今回の裁判では、ハードが手にしたデップとの離婚和解金700万ドル(現為替で約9億円)の行方も議論の対象となっている。和解金が支払われた当時、ハードはその半分を人権擁護団体であるACLUに寄付すると約束したが、同団体で最高執行責任者兼法律顧問を務めるテレンス・ダハティが、ハードの名前で団体が受け取ったのは130万ドル(約1億7000万円)のみで、そのうちの50万ドル(約6500万円)は、その頃にハードが交際していたイーロン・マスクからの寄付だと思うと証言していた。


 そして、3週目の裁判で最も注目を集めた証人の一人が、デップとの関係で心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しんでいると主張するハードを分析するため、デップが雇った臨床心理学者のシャノン・カリーだ。カリーはハードに2日間で12時間にわたり、心理検査のために数百の質問に答えさせたという。カリーは、ハードが自身の症状を大きく誇張していてPTSDではいないと証言し、ハードが境界性人格障害と演技性パーソナリティ障害を患っていると診断。カリーは、ハードが感情的かつ支配的な性格で人を肉体的・心理的に虐待する人物だと分析し、「ハードが人間関係において見捨てられることを恐れる人物」だと主張するデップの説明と一致すると証言。またカリーは、ハードのような人物は相手と関係を維持するために脅迫したり、暴力をエスカレートさせたりする可能性があるともと述べていた。


 現時点で、デップ対ハードの裁判は水掛け論的にしか進んでいない感があるが、果たしてどのような判決が下るのだろうか。5週間にわたって開かれる裁判は、残すところ2週間となっている。


※参照
https://www.insider.com/amber-heard-admitted-poop-johnny-depp-bed-guard-testifies-2022-4
https://metro.co.uk/2022/04/25/johnny-depp-and-amber-heard-trial-everything-thats-happened-so-far-16528804/
https://www.insider.com/amber-heard-admitted-poop-johnny-depp-bed-guard-testifies-2022-4


(Hollywood)


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