米コメディアンのクリス・ロック(57)が、俳優ウィル・スミス(53)とのビンタ騒動に関するジョークを初めて口にした。英国ツアーの初日、ロンドンのステージに現れたクリスは「聴力はほとんど戻ったよ」と待ち受けた観客に向かって伝えた。
クリス・ロックは、現地時間12日から15日までステンダップコメディ『Ego Death』の英国ツアーを開催している。
英国ツアー初日、ロンドンのロイヤル・アルバートホールに立ったクリスは、今年2月に開催した第94回アカデミー賞授賞式で起きたビンタ騒動に初言及した。
クリスは同授賞式でプレゼンターを務めた際、ウィル・スミスの妻で女優のジェイダ・ピンケット=スミスのショートヘアをジョークにした。
しかしジェイダは脱毛症で髪を短くしていたため、激怒したウィルがステージに上がり、クリスに平手打ちしたのである。
その後クリスは騒動に関するコメントを出しておらず、彼の言動が大きな注目を浴びていた。騒動後にツアーを開始すると、完売したチケットの転売価格が跳ね上がるほど人々の期待が膨らんでいた。
英紙『The Times』によると、ロンドンのショーではおよそ5000人の観客が待ち受ける中、ステージに現れたクリスが冒頭でこのようなジョークを放ったという。
「僕は大丈夫だよ。もしも、知りたい人がいるならね。聴力はほとんど戻ったから。」
そのように伝えた後、「人々は、僕がくだらないことについて話すのを期待している。今のところ、話すつもりはないよ」と詳細について触れることはなかった。
そして「いずれ話すつもりだ。Netflixでね。『言葉が傷付ける』と言う人々は、顔を殴られたことがないんだ」と述べ、ビンタ騒動についてNetflixで話すことに前向きな姿勢であることをほのめかした。
しかしクリスは、自分の名前が書かれた小切手を確認してギャラを受け取るまでは「断固として話さない」と主張した。
さらに観客に向けて「みなさんのチケットは高かった。だが、それほど高くはないんだよ」とジョークを放ち、ビンタ騒動に関する話題が高くつくことを示唆した。
クリスは3月に開始した米国ツアーの初日公演でビンタ騒動には言及しなかったものの、ウィルの名前を罵った客に対して「ノー」と言い、否定的な態度を示していた。
一方のウィルは騒動後クリスに対する謝罪文を発表し、アカデミー会員を辞任した。米映画芸術科学アカデミーはウィルに今後10年間、同賞に関するイベントへの出席を禁じるとの処分を下した。
ウィルは4月にインドの空港に到着する姿がキャッチされており、スピリチュアルリーダーのサドゥグル氏と会うために現地を訪れたことが報じられていた。
画像は『Chris Rock 2022年3月9日付Instagram「Coming soon.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)