ケン・ブロック、パイクスピーク100回大会に向け1400PSの“ピンク・ピッグ”を投入へ

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2022年05月23日 16:10  AUTOSPORT web

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往年のル・マン参戦車である1971年型ポルシェ917/20、通称"Pink Pig(ピンク・ピッグ)"にオマージュを捧げたペイントスキームを採用した
この2022年に記念すべき第100回大会を迎えるパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(PPIHC)に向け、おなじみケン・ブロックが総合優勝を狙っての参戦を表明。注目の車両は、大会制覇を経験するBBiオートスポーツがフーニガン・レーシング・ディビジョンと共同開発した、ポルシェ911のSVRSRを使用した1400PSのモンスター4WD、その名も『Hoonipigasus(フーニピガサス)』を投入する。

 会期まで約1カ月半を切った5月中旬に、ケン・ブロック本人と自身の率いるフーニガン・レーシング・ディビジョン名義で発表されたプロジェクトは、かつてPPIHC制覇の経験を持つBBiと、世界的オイルブランドのモービル1が参画。こちらも世界的ストリートアーティストとして活動するトラブル・アンドリュー、別名“グッチゴースト”によって作成された新しいカラーリングを特徴とし、往年のル・マン参戦車である1971年型ポルシェ917/20、通称“ピンク・ピッグ”にオマージュを捧げるペイントスキームを採用した。

 また、実戦で使用するガソリンとオイルにはモービル1のF1エンジニアチームが協力し、専用開発の燃料と潤滑油を供給するのに加え、公式パートナーシップの一環としてブランドを象徴する“モービル1・ハイ・フライング・ペガサス”の商標ロゴも掲げられ、そのアイコンに敬意を表するとともに車名の由来にもなっている。

 2017年にはコロラド州の著名なステージでおなじみのビデオ撮影を敢行し、メタノール燃料のツインターボから同じく1400PSを発生する、1965年式フォード・マスタング『フーニコーンRTR V2』をドライブし“Climbkhana: Pikes Peak(クライムカーナ:パイクスピーク)"を公開したブロックだが、このRace to the Clouds(雲の上のレース)本戦に向け、総合優勝を狙う本格的なチャレンジはこれが初となる。

「パイクスピークヒルクライムは、私がラリードライバーになった理由のひとつでもあるんだ」と明かしたブロック。

「この伝統的ヒルクライムレースで優勝したドライバーのリストには、僕のヒーローの多くが含まれている。ワルター・ロール、アリ・バタネン、ミシェル・ムートンにセバスチャン・ローブ、そしてロッド・ミレンなど錚々たるメンバーだろ? 僕はつねにパイクスピークに参戦し、オーバーオールでの勝利を狙うチャンスを望んでいたんだ」と続けたフーニガン共同創設者でもあるブロック。

■車両開発にはBBiが温めてきた10年越しのアイデアも採用

 その彼とジョイントプログラムを推進するBBiオートスポーツは、PPIHCで5回のクラス優勝を果たし、8回の表彰台を獲得したスペシャリストとして車両製作を請け負い、史上初のミッドエンジンとAWD、ツインターボを搭載したビンテージ・ポルシェ911を完成させた。

「我々のチームとBBiオートスポーツが、この素晴らしいポルシェを製作することで、その総合勝利に向けチャレンジする、良いショットを手に入れた。歴史上もっとも有名なポルシェの1台に触発された、トレバー(・アンドリュー/グッチゴーストの本名)によるワイルドなカラーリングも見逃すことはできないね!」と続けるDCシューズ創業者でもあるブロック。

 そのブロックのドライビングスタイルに合わせて特別に設計されたという“Chorizo Tunnel(チョリゾ・トンネル)”と呼ばれるトランスミッションハウジングは、ショルダーハイトからフロントアクスルに向け傾斜させることで低重心化にも貢献。車両総重量わずか1000kgに収められた『フーニピガサス』は、前年度大会のテレメトリーデータに基づいて作動する、GPS連動の車高調整機能付きサスペンションを備えるなど、その車両開発にはBBiが温めてきた10年越しのアイデアが採用されているという。

「この象徴的なレースに参加できてうれしく思う。そして、地球上でもっともテクニカルかつチャレンジングなヒルクライムで、全体最速を記録した伝説的な人々の横に、自分の名前を追加するというこの挑戦を楽しみにしている」とブロックは付け加えた。

 前述のとおり第100回の記念イベントとなる2022年大会は6月26日(木)の開催が予定され、全長12.42マイル(約20km)のコースで156のコーナーをクリアし、スタート地点の4725フィート(標高約1440m)からフィニッシュ地点の14115フィート(標高約4302m)まで一気に駆け上がる。そのレコードタイムは9分36秒559となっている。

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