神尾楓珠、“イケメン”邪魔だった「自分を信じられなければ俳優業はできない」

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2022年05月24日 08:00  ORICON NEWS

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写真映画『20歳のソウル』で主演を務める神尾楓珠 (C)ORICON NewS inc.
映画『20歳のソウル』で主演を務める神尾楓珠 (C)ORICON NewS inc.
 話題の映画、ドラマへ出演が相次ぐ俳優の神尾楓珠(23)。演じる役柄も、好青年からやや屈折した役まで幅広く、その演技力は制作陣の間でも評価が高い。そんな神尾が、2017年1月に20歳の若さで逝去した市立船橋高校吹奏楽部の浅野大義さんの人生を描いた映画『20歳のソウル』で、主演を務める。実在し、しかも自身とほぼ同じ時代を生きた人物を演じることに、これまでとは違う思いが宿ったという。そんな神尾に、本作を経験して感じたことや、俳優としての未来について聞いた。

【動画】映画『20歳のソウル』作品のみどころは? 撮り下ろしメッセージを送る神尾楓珠

■実在する人物を演じることの難しさ「大義くんの想いを壊してはいけない」

――神尾さんが演じた浅野大義さんは、千葉県船橋市立船橋高校の吹奏楽部に所属し、甲子園を目指す野球部員たちに勇気を与える学校の応援曲「市船soul」を作曲した人物。同世代で実在した人物を演じるうえで、意識したことはありましたか?

【神尾楓珠】実際に大義くんのことを知っている方がいまも生活していて、その方々のなかに大義くんの想いが生きているので、まずはそれを壊してはいけないということは強く意識しました。それがこれまで演じてきた役とは一番大きな違いでした。

――しっかりとリサーチを?

【神尾楓珠】そうですね。大義くんが尊敬していた吹奏楽部の顧問の高橋健一先生にも実際にお会いしてお話を聞きました。でもすべてを取り入れることは不可能なので、大義くんの軸となる人間性をしっかりつかんで、ブレないように…ということを心掛けました。

――大義さんの軸はどこにあると感じたのでしょうか?

【神尾楓珠】音楽が好きというところと、真っすぐで嘘がないという部分。だから人に愛されるんだろうなと。

――ご自身と重なるなと感じる部分はありましたか?

【神尾楓珠】僕も小中高とサッカーをやっていたので、サッカーが好きだったときの思いや、情熱みたいなものを思い出しながら役に投影したつもりです。悔しい思いや、うまくいかない苦い経験などの感覚を思い出しながら演じました。

■モチベーションになっているのは「まだまだできる」という向上心

――撮影前にも市立船橋高校に赴いたとお聞きしました。大義さんを演じるうえで、気づきになりましたか?

【神尾楓珠】実際訪れたことでイメージしやすくなりました。実際に大義くんが使っていた音楽室や、高橋先生がいま使っている音楽準備室などでの撮影も、いろいろなことを感じることができました。大義くんを理解しようとするうえで、すごく助けになりましたし、きっとスクリーン越しにも伝わるものがあると思います。

――大義さんの人生を生き抜いたことで、神尾さん自身はどんなことを感じましたか?

【神尾楓珠】「一日一日を大切に生きなきゃいけない」ということを実感しました。明日が来ることが当然ではないんだなということにも改めて気づかされましたし、大義くんは与えられたことを、命に代えてでもやり遂げようとした。僕自身も仕事への向き合い方を考えさせられました。

――大義さんは自分の才能を信じ、どんなことがあっても負けない強い意志で道を切り開いていきました。神尾さんはどんなことを信じて俳優業にまい進しているのでしょうか?

【神尾楓珠】“俳優”には明確な正解がないので、自分を信じられなかったらできない仕事だと思います。でも、僕はあまり自分に自信があるタイプではないので、いつも「これでいいのかな?」という気持ちもあって。

――どんなモチベーションで俳優業を続けているのですか?

【神尾楓珠】現状に満足しすぎないことかもしれないですね。「もっと成長しなければ、まだまだできるんだ」という向上心は、いつも持っています。

――もっと成長しなければ……というお話ですが、いまのご自身のなかにある課題は?

【神尾楓珠】いままでも演じる人物のことは自分なりに考えていたのですが、今回大義くんを演じたことで、たとえ役であっても1人の人生を生きる重みを感じるようになりました。描かれていない部分の人生も深く考えるなど、もっと役柄に対して深く時間をかけて向き合うことをしていきたいです。

――出演作が続いていますが、俳優として成長したなと実感できる部分はありますか?

【神尾楓珠】ありがたいことに、本当にいろいろな作品の中で演じさせていただき、少しずつ役に染まれるようになってきたのかなとは思います。作品を観てくださった方から「この前の作品のときとは全然違う役だね」という感想もいただけるのがうれしいです。

■“演じてみたい役”は考えない「理想は、どんな役にも染まれるフラットな状態」

――エキセントリックな役柄から好青年まで、幅広く演じていますが、切り替えはすんなりとできるのでしょうか?

【神尾楓珠】意外とスッと切り替えられますね。メイクとか衣装とかも助けになります。作品が重なっていることもありますが、ひとつの役を引きずらないタイプだと思います。

――現在23歳ですが、学生服はまだ全然抵抗はないですか?

【神尾楓珠】いま『ナンバMG5』(フジテレビ系)で共演している間宮祥太朗くんはいま28歳ですが、まだ学生服似合っていますからね(笑)。僕自身は抵抗ないですし、オファーをいただけるうちは頑張りたいですね。まあでも高校1年生よりは、3年生の方が演じやすいかもしれません(笑)。

――俳優というお仕事の魅力は?

【神尾楓珠】自分とはまったく違う人の人生を経験できることですね。すごく魅力的だなと思う反面、大変だなと感じることもあります。

――どのあたりが大変なのでしょうか?

【神尾楓珠】普通に生きていたら出す必要のない感情を出さなければいけないじゃないですか。普段の僕は、感情表現を表に出すタイプではないので、とてもパワーを使うし、きついなと思うこともあります。たとえば憎しみとか負の感情って、あまり出したいものではないじゃないですか。もちろん、それがおもしろさでもあるんですけれどね。

――年齢が上がると役柄の幅がさらに増えてくると思いますが、演じてみたい役はありますか?

【神尾楓珠】あまりそういうことを考えたことがないんですよね。「この役を神尾楓珠にやらせてみたい」と思っていただくために、僕自身はどんな色にでも染まれるような、フラットな状態でいたいということを心掛けています。

――「イケメン俳優」とカテゴライズされることが多いと思いますが…。

【神尾楓珠】最初は「イケメン」と言われるとうれしかったのですが、途中からちょっと邪魔だなと思うようになって……。でもそこからさらに進んで、いまはなんとも思っていないですね。「好きに言ってください」って感じです(笑)。

――神尾さんが考える魅力的な俳優像とは?

【神尾楓珠】「この役ならこの人」みたいな自分の色をしっかり持っている俳優さんって格好いいなと思うのですが、逆にどんな役にも染まれるような俳優さんも魅力だなと思うんです。

――ご自分ではどちらに進んでいきたいというのはありますか?

【神尾楓珠】正直わからないですね。でも、決まっていない時点で、目指すべきは後者なのかなとも。だからこそフラットに構えて、本来の素の自分を見てもらえるのが理想ではないかと思っています。

――今回の作品は、神尾さんにとっても大きな出会いとなった作品だと思いますが、どんなところを観てほしいですか?

【神尾楓珠】闘病や別れなど、つらいシーンもたくさんあるんですけど、映画を観た後に思い出すのは、高校時代の楽しかったシーンなんですよね。この物語は悲しい話ではなく、前向きな作品なんだなと感じました。きっと大義くんも、この作品を観て泣いてほしいのではなく、強く生きてほしいと思っているはず。そんな思いが伝わったらうれしいです。



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映画『20歳のソウル』
公開日:2022年5月27日(金)

出演:神尾楓珠、尾野真千子、福本莉子、佐野晶哉、前田航基、若林時英、佐藤美咲、宮部のぞみ、松大航也、塙宣之、菅原永二、池田朱那、石崎なつみ、平泉成、石黒賢、高橋克典、佐藤浩市ほか
監督:秋山 純
原作・脚本:中井由梨子
原作:『20歳のソウル 奇跡の告別式、一日だけのブラスバンド』中井由梨子 著/小学館刊、『20 歳のソウル』幻冬舎文庫
配給:日活
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