琵琶湖で体長1mのチョウザメを捕獲 「生き物が常に放流されている。飼育魚は最後まで責任を持って」と博物館が警鐘

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2022年05月24日 19:40  まいどなニュース

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写真大津市で捕獲されたチョウザメ(滋賀県立琵琶湖博物館Twitterより)
大津市で捕獲されたチョウザメ(滋賀県立琵琶湖博物館Twitterより)

「#琵琶湖 の漁師さんから、エリで #チョウザメ が獲れたと連絡があり、現場に急行してきました!1メートルはあろうかという個体でした。飼育魚は逃がさないように、最後まで責任を持って飼うようにお願いします。」

【写真】学芸員も驚いた、1mもの大きなチョウザメ

琵琶湖をテーマとする「滋賀県立琵琶湖博物館」(滋賀県草津市)の投稿が話題に。同館の学芸員に今回の捕獲や、琵琶湖での放流について話を聞いた。

5月6日午前に小型定置網(えり)漁法で捕獲されたチョウザメについてのツイートが通常の20倍もの反響となった今回の捕獲。同館としては、チョウザメが持ち込まれるのは5例目。養殖品種として出回っているベステルチョウザメである可能性が高いという。

チョウザメは「生きた化石」と言われる古代魚の仲間で、淡水に生息。硬骨魚類に分類され、軟骨魚類にあたるサメとは全く別の生き物。しかし、蝶のような形をしたウロコや、ヒレの形や位置がサメに似ていることから「サメ」の名が付いている。

半信半疑で、獲れたというチョウザメを確認しに現場へ赴いた

1メートルの個体は、「そこそこ成長した個体です。チョウザメの種類、水槽の大きさや餌環境によっても異なるので一概には言えませんが、ここまで成長するのに少なくとも5〜6年かかったと思われます。しかも、このクラスのチョウザメを飼うには、ガラスやアクリル水槽では短期間生かすだけなら問題ないと思いますが、長期飼育となると最低でも2m×2m以上で障害物の無い池で飼育する必要があります」と、時間をかけ、環境を整えて育てられた可能性が高いそうだ。

大津の漁師さんからの連絡で現場に赴いた経緯は「チョウザメはあまり獲れるものではないので“まさかチョウザメが?”という半信半疑で、正体を確認するためだった」とのこと。捕獲された個体は、飼えなくなって放流された、逃げた可能性があるのだそう。「チョウザメは底生動物を中心に捕食するので、数が増えると生態系に悪影響を及ぼす恐れがあります」と今回の状況を憂えた。

SNSでも「これから動物を飼おうとする方は必ず、飼おうとする動物を勉強してから飼ってほしい」「困った人がおるな…」「生き物は最後まで見ましょう!」「逃がす人はかわいそうだからとかいって逃がしたりするけど、駆除対象という扱いにする行為にやさしさなんてものはない。飼いきれないならお店なりに相談して引き取ってもらうのが責任とやさしさだと思う」「自己都合で考え無い行動の結果、ガーやナイルパーチは日本では未来永劫飼育できなくなってしまった。本来魅力的な魚種が悪者扱いされる事はもう勘弁して欲しいです」など、放流についての苦言や意見が寄せられている。

実はチョウザメ以外にも、「ピラニア ナッテリィ」「レッドテールキャット」「ナイルティラピア」など本来であれば琵琶湖に生息しない生き物が発見されており、昨年にはシャベルノーズキャット、2016年にはディスカスが珍しいことから同館の標本展示となっている。これ以上ペットを飼えなくなってしまった飼い主から、琵琶湖博物館に問い合わせがくることも多く、その数は「数え切れないほど。“琵琶博でなら預かってもらえるかも”と思われているかもしれません」と学芸員。

しかし同館では引き取りは行っておらず、「ペットの放流や遺棄については今に始まったわけではありません。相変わらず毎年のように多くの生き物が放されているのが現状です。魚に限ってみると、飼育品種のメダカや琵琶湖にはいないはずのタナゴの仲間が見つかることが多くなっています。純粋にその地域の生き物というのが、遺伝子汚染によって失われる危機にあります。生き物を放流するという行為は実は自然破壊につながるんだという意識を強く持って、生き物を採っても移動させない、ペットは最後まで大切に飼う、ということを心がけてほしいです」と話す。

今回捕獲した個体については「今回は反響が大きく放流に関する啓発効果も高いと判断されるため、展示することを考えています」とのことだ。ちなみに、同館の「水族展示室」の7「生きた化石 古代魚」ですでにチョウザメは展示されている。

琵琶湖では、「滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例」に基づき、滋賀県県庁による公式サイトでは「釣り上げたブラックバスやブルーギルは、琵琶湖をはじめ、県内全ての水域に戻してはいけません」と再放流を禁止。外来魚回収ボックス・外来魚回収いけすの位置を設置したり、外来魚釣り上げ名人事業を実施(2022年4月1日から2022年3月31日まで、釣り上げたブラックバス、ブルーギルの重量で段位認定)するなど、琵琶湖本来の生態系を次の世代へ伝えるための取り組みがおこなわれている。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・中河 桃子)

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  • なんでペットの輸入を放置してるのかね。環境省は真面目に仕事しろよ。
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