弟妹いじめ解消法 なぜ兄姉は下の子に優しくできない?

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2022年05月25日 11:11  ノーツマルシェ

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ノーツマルシェ

「どうして、うちの子たちはケンカばかりするのか?」「どうして上の子は、下の子に優しくできないのか?」と悩んでいませんか? その悩みは「特別な時間を作ること」で解決します。あなたと上のお子さん、2人の時間の使い方について考えてみましょう。


 


赤ちゃんの誕生による兄姉への影響

今まで、親の愛情をたっぷりと受け、自分だけに向けられた眼差しを独占していた子どもたちが、ある日を境に、お兄ちゃん、お姉ちゃんと呼ばれるようになります。それを喜びと感じる子もいれば、不満に感じる子もいるでしょう。


ママのおなかが大きくなり、そこに赤ちゃんが入っていると知っていて、子どもなりに赤ちゃんがやってくることを受け入れているはずです。でも、実際、目の前に赤ちゃんが現れたとき、どんな気持ちになるでしょう? 今まで自分を見てくれていた眼差しが、一瞬にして赤ちゃんの方へ向けられるのです。みんな目を細めて、「可愛い、可愛い」と連呼するのです。兄姉として赤ちゃんの誕生を喜び、可愛いと思う一方で、寂しさや不安を感じる気持ちを抱き始めるのもしかたのないことです。


 


子どもの不安、赤ちゃん返り

この不安に、パパやママが気づいてあげられれば、子どもの心は救われます。自分のこともきちんと大切にしてくれていると、感じることができるからです。ところが、自宅では生活が一変し、赤ちゃんを中心にした生活が始まります。そして、自分のことを後回しにされ続けていると、上の子どもは自分のことを見てもらいたい欲求に駆られます。これが、いわゆる赤ちゃん返りです。


赤ちゃん返りは、悪いことではありません。このタイミングを逃さず、上の子に向き合いかかわることができれば「自分も大切にされている」安心感を得ることができるので、時間とともに落ち着いてくるでしょう。


 


なぜ、兄姉は下の子に優しくできないのか

「お兄ちゃんだから」「お姉ちゃんなのに」と言われ続けて育てられた子どもは、自分の役割を果たそうと「しっかりしなきゃ」と頑張ります。ところが、その頑張りを当たり前のこととして受け流してしまうと、徐々に不満がつのります。不満や不安、辛さや悲しさなどのマイナスな感情は、放置され続けていると怒りに変わります。そして、心に芽生えた怒りの感情を、自分より弱い相手に向けてぶつけ始めます。それが、弟妹に対するいじめ行動になっているのです。


怒りの感情は、強いものから弱いものへと流れる性質があります。つまり、親への不満から発生した怒りを、親へ向けるのではなく自分より小さな弟妹へと向けてしまうのです。言い換えれば、親の関わり方が変われば、弟妹への関わり方も良い方向へ変わっていくということです。


 


兄姉と特別な時間を作る

上の子を常に優先した生活は難しいと思います。そこでお勧めしたいのが、ときどき二人だけの特別な時間を作ることです。ポイントは、弟妹と一緒にいない時間を作ること。家族や子育てサービスの協力をえながら、ママと上の子だけの二人の特別な時間を作りましょう。上の子の日頃の頑張りを労う時間にするのです。映画を見たり、ランチを食べたりするのもいいですね。お弁当をもって公園に出かけるのもよいでしょう。


筆者は長男が小学生のとき、年に2度ほど1万円デートをしていました。長男がしたいことを1万円で叶える日です。食事、買い物、映画やカラオケなどの遊び、1日のスケジュールを本人が決めて二人分の支払いもしてもらいます。母親である筆者は、何も口出ししないと決めて付き合います。1日の終わりには、弟への土産を買って、笑顔満面で帰路についたものです。


この特別な時間は、「いつも頑張ってくれてありがとう!」「ママ、助かってるよ」という、感謝の気持ちを込めて過ごす時間にするのが大切なポイントです。


 


気持ちを言語化する

兄弟姉妹の関係性をより良い状態に保つために、もう一つ大切なことは、意識的に気持ちを言語化(言葉にして表現)することです。子どもの姿を見て、感じたこと思ったことをどんどん言葉にしてください。


問題発生時、「それはダメ」「もっと〜して」など言葉にすることは多いと思います。でも、言語化で大事なのは些細なことに意識を向けること。当たり前のことも、気づいたときに言葉で伝えてあげましょう。「今日は、一人で起きることができて、かっこいいね」「いつもより、10分早く準備ができたから余裕があるね」「弟と一緒に遊んでくれてありがとう」「連絡帳の字がきれいに書けていて、気持ちがいいね」など、些細なことで構いません。気づいたことを言葉にすると、子ども自身も自分ができていることに気づくことができます。


そして、そのときに感じた「親の気持ち」も添えると良いでしょう。その積み重ねが、子どもの自己肯定感を高めます。自己肯定感が高まると「ありのままの自分」を肯定できるので、弟妹への妬みや不満を感じることは無くなります。


 


まとめ

ある日突然、兄姉の役割を担うことになった子どもは、親の期待に応えようと必死に頑張っています。だからこそ、ときにはママと2人で、パパと2人で、特別な時間を過ごしてあげてください。自分にだけ向き合ってくれる時間があると「大切にされている」という親の愛情を確認できます。そうすれば、自然に弟妹へのかかわり方も変わってくるはずですよ。


[執筆:野村 恵里(子育て・保育専門研修講師)]


※画像: keyphoto / PIXTA(画像はイメージです)


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