朝ドラ後の飛躍は確定! どんな役にも憑依するSixTONES 松村北斗は“超努力家俳優”

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2022年05月28日 08:01  リアルサウンド

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松村北斗『ホリック xxxHOLiC』(c)2022映画「ホリック」製作委員会 (c)CLAMP・ShigatsuTsuitachi CO.

 朝の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)への出演をきっかけに、役者としての活躍に注目が集まるSixTONESの松村北斗。4月期の月10ドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』(カンテレ・フジテレビ系)への出演や、映画『ホリック xxxHOLiC』の公開などもあり、その勢いは止まるところを知らない。本稿では、これまでに朝ドラを通じ飛躍したジャニーズタレントたちにフォーカス。さらに松村北斗の演技歴や魅力から、今後彼に期待することを考察してみた。


【写真】肩見せする松村北斗


■朝ドラ出演歴を持つ演技派ジャニーズの一員に


 松村が所属するジャニーズ事務所のタレントの中には、『かりん』に出演した堂本剛(KinKi Kids)や『春よ、来い』の国分太一(TOKIO)、『純と愛』の風間俊介など、NHK朝ドラへの出演歴を持つ演技派ジャニーズとして名を連ねてきたメンバーが多数いる。


 特に印象的なのは、グループに所属せず俳優としてのキャリアを歩んでいる生田斗真だろう。テレビドラマ『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』(フジテレビ系)や、映画『僕等がいた』などで一気に人気を集めた生田。その活躍はテレビや映画といった映像作品に限らず、劇団☆新感線作品や尾上松也を中心とした若手歌舞伎役者による歌舞伎公演『挑む』など、本格的な演劇のフィールドにまで及んでいる。そんな生田の役者デビューは、事務所に入所した約1年後に出演したNHK連続テレビ小説『あぐり』だったのだ。今でこそ、俳優業で忙しい彼の礎となったと考えるとなんとも感慨深い。


 また、近年では『カムカムエヴリバディ』の1つ前に放送されたNHK朝ドラ『おかえりモネ』で及川亮を演じたKing & Princeの永瀬廉も注目株の1人。2022年1月には初の主演映画『真夜中乙女戦争』が公開され、平凡な日々を送る大学生「私」の掴みどころがない演技っぷりが話題となった。さらにNHK朝ドラ『スカーレット』に出演したAぇ!groupの正門良規は『和田家の男たち』(テレビ朝日系)に出演、なにわ男子としてデビューする前に『ごちそうさん』『あさが来た』のNHK朝ドラ2作に出演した西畑大吾は2022年に入ってから『必殺仕事人』(テレビ朝日系)や映画『KAPPEI カッペイ』で活躍。若手ジャニーズの飛躍も目覚ましい印象だ。


 そんな中、2021年11月1日から2022年4月8日の期間中に放送された連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』に出演した松村。大正から令和まで100年に渡る三世代のヒロインを描いた同作で、松村は一代目のヒロイン・安子(上白石萌音)が思いを寄せる、岡山県で繊維業を営む名家・雉真家の跡取り息子・稔役を演じた。稔は王道少女漫画に出てくるような、絵に描いたような好青年。「恋愛として好きだけど、それを認めても良いのだろうか……」と思わせるような憧れのお兄さんぶりが絶妙だった。


 さらに、稔が多くの人を虜にしたのには彼の端正な顔立ちもマッチしたのではないかと考察する。11月13日にNHKバラエティ番組『土曜スタジオパーク』にゲスト出演した際、松村が「今どきのものが似合わない」「(昭和時代の学生を演じて)ここが居場所だったんだなと感じた」と自己分析したように、良い意味で古風で爽やかなルックスが、知的だけれども嫌味のない柔らかさを持ち合わせた稔に説得力を持たせたのだ。


 その結果、松村が演じた稔さんは多くの視聴者のハートをキャッチ。同ドラマ全112回、約23週にも及ぶ放送のうち、稔がしっかり登場したのは4週目までという事実を忘れさせるほどの盛り上がりっぷりを見せた。


■どんなキャラクターにも憑依する超努力家俳優・松村北斗


 『カムカムエヴリバディ』で一気に役者としての知名度を上げた松村は、2022年4月期の月10ドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』に出演中。“恋マジ”では、女性の欲しがる優しい言葉を天才的に返す一方、彼自身は何に満たされているのかわからないというミステリアスで危険なギャルソン兼見習い料理人・長峰柊磨を演じている。


 柊磨は、言葉を選ばずに一言で言うなら、なかなかのチャラ男だ。彼を目当てに訪れた女性客からオーダーを受ける際には、背もたれに手を回したり、近距離でメニューの説明をしたりと、モテることを自覚した上で気があるように振る舞うプレイボーイっぷり。絵に描いたような紳士・稔から松村を知った人の中には「こんな役も!?」と驚いただろう。


 しかし、稔さんと柊磨のような対照的なキャラクターを、違和感なく演じきれるのは松村北斗の強みだ。その証拠に彼が約10年もの間に演じてきたキャラクターは、明暗、陰陽がはっきりと分かれているように思える。


 例えば、松村にとっての初ドラマであり、SixTONESが結成するきっかけとなった2012年放送のドラマ『私立バカレア高校』(日本テレビ系)や、同じ年に放送された『黒の女教師』(TBS系)、『Piece』(日本テレビ系)。この3作品で松村は、クールで口数が多くない、少し影のあるキャラクターとしての一面を披露。高校生とは思えない色気のある姿に視聴者をドキッとさせた。


 そんな印象をガラッと変えたのは2019年に放送された『パーフェクトワールド』(カンテレ・フジテレビ系)での渡辺晴人だった。ここで松村は、一度も染めたことのない黒髪を明るめの茶髪にしイメージチェンジ。人当たりが良く、好きになった相手に正面からアタックする子犬系男子を演じ、「かわいい!」「癒される!」と言った今までとは真逆の評価を受けた。この役以降、亀梨和也主演のドラマ『レッドアイズ 監視捜査班』(日本テレビ系)や、特別ドラマ『女王の法医学〜屍活師〜』シリーズ(テレビ東京系)では後輩感が強いキャラも定着していった。


 このように対照的な役を演じ続けてきた松村北斗。アーティストとして培ってきたさまざまな声色や、冷めた表情ときゅるんとした表情を上手に使い分ける姿は観ている者をわくわくさせてくれる。


 そこに加えて、自分自身の手で表現の幅を増やし続ける努力家な一面も。義足の青年を演じた『パーフェクトワールド』では車いすバスケに挑戦し『10の秘密』(カンテレ・フジテレビ系)ではピアノを猛特訓、映画『ホリック xxxHOLiC』では弓道の特訓を重ねるなど、1役1役にしっかりと愚直に向き合っているのだ。


 持ち合わせた魅力だけでなく、自身の努力によって表現の引き出しを増やし続けている松村。4月29日に公開された映画『ホリック xxxHOLiC』では、クールで口数の少ない、だけれども胸の内に熱い思いを抱く百目鬼静を演じている。どんな役にでも説得力を持たせる松村が今後どんな役に挑戦するのか。ラブストーリーからコメディ、バディものなど、ボーダーレスに活躍することを楽しみにしたい。


(於ありさ)


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