「母さんとは違う恋愛結婚がしたかった。でも、もう遅い」 アフガニスタンの女性の不自由を訴える

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2022年05月29日 07:00  AERA dot.

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写真サハラ・カリミ監督(Sahraa Karimi)/1985年生まれ。イランのアフガニスタン難民2世。スロバキアで映画を学び、30本以上の短編やドキュメンタリー映画を撮影。名古屋シネマテークほか全国順次公開中 (c)2019 Noori Pictures
サハラ・カリミ監督(Sahraa Karimi)/1985年生まれ。イランのアフガニスタン難民2世。スロバキアで映画を学び、30本以上の短編やドキュメンタリー映画を撮影。名古屋シネマテークほか全国順次公開中 (c)2019 Noori Pictures
 妊婦のハヴァは夫と義父母の世話に追われている。ニュースキャスターのミリアムは浮気性の夫との別れを決意し、結婚を控えた18歳のアイーシャはある秘密を抱えていた──。新連載「シネマ×SDGs」の6回目は、現代アフガニスタン女性のリアルを現地の女優を起用した「明日になれば〜アフガニスタン、女たちの決断〜」を描く、難民2世のサハラ・カリミ監督に話を聞いた。


【映画の場面写真はこちら】
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 アフガニスタンについて語られる映画はステレオタイプなものが多く、特に女性は被害者かヒーローの両極端しかありませんでした。しかし現実はそうではありません。彼女たちは世界中の女性と同じ悩みや願望を持っています。



 妊娠や中絶、よい仕事をして平和な結婚生活を送ること──。これまで語られてこなかった彼女たちのリアルを伝えたいと考え、多くの女性を取材しました。



 私の友人にもハヴァのように夫や家族に従って生きる女性がたくさんいます。ミリアムのように学歴や社会的な地位があっても、離婚すると親権を取ることができないと悩んでいる友人もいます。


 母性は美しく尊いものですが、男尊女卑と父権主義のある社会では、母親になることが女性が社会に受け入れられるために行わなければならない行為になってしまっています。一昔前の日本の状況に似ているかもしれませんね。



 2021年8月以降、タリバンによる制圧で女性たちはより厳しい状況にあります。彼らは学のある女性を恐れ、女性を家という檻(おり)に閉じ込め、学校や仕事に行かせない。家から数キロ離れた場所に一人で行くこともできないのです。国際社会も日本政府もタリバン政権を認めるべきではありません。


 私はアンチタリバンとしてブラックリストに載っています。8月にはアフガニスタンを脱出しなければならず、現在は米イエール大学で教えています。



 家も生活も仕事もすべてをなくしましたが、安全な場所にいることを幸せに思います。希望を捨てずこれからもアフガニスタン女性の自由を求めて発言を続けます。


 こんなに強くならなければならないとは夢にも思いませんでしたが(笑)。私がやらなければならないのです。


(取材/文・中村千晶)


※AERA 2022年5月30日号


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