King & Prince 永瀬廉、物語を通して覗かせる様々な表情 青春群像劇から時代劇まで幅広く演じる巧みな表現力

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2022年06月01日 06:01  リアルサウンド

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King & Prince

 7月にスタートする新日曜ドラマ『新・信長公記〜クラスメイトは戦国武将〜』(日本テレビ系)で、King & Princeの永瀬廉が主演を務めることが発表された。


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 本作は学園を舞台に、戦国オタクの博士によって生み出された、織田信長、徳川家康、豊臣秀吉などの戦国武将のクローン高校生が、知力と武力で総長を目指して大暴れする“学園天下獲り”エンターテインメント。原作は甲斐谷忍による漫画『新・信長公記〜ノブナガくんと私〜』。永瀬は主人公の織田信長役を演じる。


 2021年放送のNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』から『わげもん〜長崎通訳異聞〜』(NHK総合)、そして映画『真夜中乙女戦争』と、この1年を振り返っても俳優として着実に活躍している永瀬。作品のジャンルも幅広く、出演のたびに新たな表情を見せている。


 『おかえりモネ』で“りょーちん”こと、及川亮役として登場したのが昨年のちょうど今ごろ。第6話からの出演だった。オーディションを受けて勝ち取った亮役に、永瀬は「オーディションを受けられただけでも嬉しかった」と少々控え目なコメントを残していたが、清原果耶演じる主人公・永浦百音の幼なじみとして、また浅野忠信演じる父・新次の息子としてかけがえのない存在感を発揮した。亮なりの寄り添い方や言葉、佇まいがいまでも心に残っている。永瀬は自身のラジオ番組『King & Prince 永瀬廉のRadioGARDEN』(文化放送)で出演作品について語ることもあり、『おかえりモネ』のクランクアップを報告した際は「(舞台となった)気仙沼はすごく大事で、大好きになりました」と故郷のようにコメントしていた。


 中学生から漁師へと成長した及川亮の10年を演じた2021年。その余韻を残しつつ、今年1月にはちょんまげ、着物姿で再びNHKドラマに登場。『わげもん〜長崎通訳異聞〜』で主演の伊嶋壮多役を演じた。江戸時代の長崎を舞台に、父の失踪の謎を探るべく江戸からやってきた青年役で、第一声は柔らかくも少し寂しげ。身体の動きも現代とは異なる。母を亡くし父を探すなか、瞳の奥に寂しさと強さを宿した演技を見せた。


 ドラマに限らず、映画にも出演してきた永瀬。2019年公開の『うちの執事が言うことには』で映画初主演を務めたのを皮切りに、翌年には人気コミックの実写版『弱虫ペダル』、そして今年1月には『真夜中乙女戦争』でも主演を務めた。


 『真夜中乙女戦争』での永瀬の役どころは、上京したばかりの大学生“私”。恋人も友達もいない孤独な青年で、大学の退屈な講義に反抗的な態度を取ったり、過酷なバイト生活を送ったりと、人生に絶望した様子が伝わってくる機械的なセリフ回しで冒頭から物語へ引き込んだ。「かくれんぼ同好会」入会にあたっては、“先輩”(池田エライザ)からの質問に「わかりません」「壊したいです……何もかも」と、身体は微動だにせず淡々と回答。口と喉仏だけがわずかに動いた。続けて「一番壊したいのは自分自身かもしれません」と、諦観したような胸の内を、抑揚をつけて表した。さらにパーティー会場で“先輩”と2人きりで話すシーンでは、少しだけ目に光を宿すような表情を見せ、“黒服”(柄本佑)との奇妙な出会いを機に、動きも所々で機敏に。そして声に出して笑うまでになった。冒頭からごくわずかな変化を重ね、心境の変化を表現していたのが印象的だ。また、鬱屈とした日々に、若いながらに絶望を含んだ心境を繊細に演じた。


 前述のように、永瀬はラジオ番組で出演作品について語ることも多く、『真夜中乙女戦争』の公開に際しては、「これマジで見てほしい!」とリスナーに呼びかけ、「また違った永瀬廉が見られるっていうのはマジでそうやと思うし、今までにない」とのコメントには、演技に対する手ごたえや自信が感じられた。


 青春群像劇から時代劇と様々な作品に出演しては、幅広い役を演じた永瀬。人物に合わせた身体の動きや表情のほか、声のトーンを細かく変え、決して大げさに見せることなく心情を表現する。その演技力を支えているものの一つが、ラジオからも伝わる、作品に向き合う姿勢や情熱ではないだろうか。主役でもバイプレーヤーでも、演技を通して存在感を放っている。


 公式サイトでは、輝く金髪と奇抜な学ラン姿の織田信長が写る『新・信長公記〜クラスメイトは戦国武将〜』。永瀬は今年の目標として「一つでも新しい作品に」と語っていたが、まさに“新しい作品”ではないだろうか。ゴールデン・プライムタイムでの連続ドラマ初主演作品で、また新たな永瀬に出会えそうだ。(柚月裕実)


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