アマゾン下請業者の配達員が労組結成、「偽装請負」指摘し労働環境の改善求める

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2022年06月13日 18:41  弁護士ドットコム

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アマゾンの下請業者を通じて、配達業務に携わっている配達員たちが労働組合「アマゾン配達員組合横須賀支部」を結成し、6月13日に厚生労働省で記者会見を開いた。


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配達員たちは現在、下請業者との間で業務委託契約を締結して業務を行っているが、直接的な指揮命令になっていることから、労働基準法の労働者として扱わないことが「偽装請負」にあたる可能性が高いことを指摘し、アマゾンや下請業者に対して、長時間労働の是正や、荷量の適正化などを求めている。



●「是正されないと、ドライバーは働きながら死んでしまう」

この組合は、連合加盟の「全国ユニオン」に参加する地域合同労組「東京ユニオン」に、神奈川県横須賀市の配送センター(amazon三春)で働く10人が参加する形で結成したもので、配達の現場で組合が結成されたのは初めてだという。



配達員はいずれもアマゾンとの直接の契約ではなく、下請業者である若葉ネットワークや、さらにその下請業者と契約を締結して、配達業務を担ってきた。



現場では、アマゾンの配達用アプリ「ラビット」の使用を義務付けられ、アルゴリズムによって決定された配達先をまわっているが、GPSで位置情報を把握されたり、労働時間を管理されたりしているという。また、若葉ネットワークによる朝礼や業務指示、他の配達員の応援指示などもあることから、業務委託ではなく、労働者であると主張している。



組合を支援する菅俊治弁護士は「業務委託だけれども、労働者のように働かされている配達員はたくさんいる。古くて新しい問題だ」と批判。「荷量が拡大の一途をたどり、過重労働が生じている。横須賀だけの問題ではなく、全国で配達業務をやっている人にも一緒にやろうと呼びかけたい」と語った。



荷量については、2021年6月に、アマゾンがAIの導入で配送先を決める方式にして以来、1日最大120個と説明されていたものが、200個を超えることが常態化し、報酬も1個170円から、日当1万8000円に変わったため、健康や生活に重大な影響が出ていると主張している。



組合支部長の男性は「もう耐えられない状況だ。是正されないと、ドライバーは働きながら死んでしまう」と語り、副支部長の男性は、過労による自損事故を起こしたことを語ったうえで、「偽装請負として指摘されていることが全部自分に当てはまる。今のままなら、また事故を起こすかもしれない」と組合結成の動機を語った。


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  • ITエンジニアと同じやな。勤務時間も勤務地も指定されてプログラミングや鯖缶してるのに個人事業主を偽装して残業代も有給も無しで過労死するまで働かせる。
    • イイネ!6
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