香川真司、サッカー日本代表への思い「その目標があるから戦い続けている」

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2022年07月03日 08:01  TVerプラス

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サッカー元日本代表の香川真司が、7月2日に放送された『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:25〜)にゲスト出演。欧州サッカーの魅力や、サッカー日本代表への思いなどを語った。

今回は、香川とMCの勝村政信による1対1の対談が実現。まずは勝村から今年1月に加入したベルギーリーグのシント=トロイデンVVについて聞かれた香川は、リーグ内の戦力差があまりないと言い、「レベル的には可能性がすごくあるなと思っていて。シント=トロイデンで上を目指せるなというのは手応えとして感じたので、来シーズンのチームの目標設定が重要になってくる」と答えた。

新天地での活躍が期待される香川だが、海外への挑戦の始まりは2010年、ドイツの古豪・ボルシア・ドルトムントから。香川は1年目からリーグ前半戦のMVPに選ばれるなど、ゴールとアシストを量産。クラブを史上初の国内2冠に導き、歴史にその名を刻んでいる。

そして、ドイツでの活躍が名将・アレックス・ファーガソンの目に留まり、2012年にはイングランドのマンチェスター・ユナイテッドへ。プレミアリーグでアジア人初のハットトリックを決めるなど活躍を見せ、リーグ優勝にも大きく貢献。香川はドイツとイングランドの違いについて、「イングランドは個のレベルがものすごく高かった。それはなかなかドイツでは感じてなかったことでもあったので。フィジカルやスピードで言ったら、プレミアリーグのほうがストロングなところが当時は特にあったのかなと思います」と分析した。

その後、香川はトルコ、スペイン、ギリシャと渡り歩く。どの国でも感じたのは、ファンの熱量だった。香川は欧州のサッカー人気について、観客動員数などに触れながら、「ファンの力、スタジアムが作るホームチームのアドバンテージというのは、ヨーロッパでは特にものすごく感じる」と指摘。トルコでは移籍後に自身のSNSのフォロワーが30万人ほど一気に増えたのだという。香川は「(トルコで)半年プレーして、1回ドルトムントに戻りますって言った時に、一気に30万人減りました。うちの選手じゃないなら別に応援しない、みたいな」と明かして、勝村を笑わせた。

海外への挑戦は決して順風満帆ではなく、スペインではレアル・サラゴサに移籍するも、コンディション不良などもあって、結果を残せず無念の契約解除に。香川はスペインに憧れがあったと言い、続けてリーグの外国人枠問題に触れる。ドイツやイングランドでは規定の数だけ自国の選手がいれば外国人選手の人数に制限はないが、スペインでは外国人選手の登録は1クラブ5人、試合出場は3人まで。香川は「外国人枠の問題はすごくシビア」としながらも「ただ、そこで1年、2年とやり続ければ、きっと評価される。僕はやっぱり日本人がスペインで活躍する姿を見たいですし、必ずやれると思います」と期待を寄せた。

香川は欧州サッカーについて、今一度ファンの熱量の高さを説明。「ファンが心からチームのエンブレムを愛してる。僕もそこに全てをかけなきゃいけないなって思わせてくれます。ヨーロッパは環境も含めて、自分の最高を生み出してくれる場所であるんじゃないかな」と、欧州にこだわる理由を語った。

そんな香川が最高を目指せる場所だという欧州で、今年の5月に長谷部誠と鎌田大地の所属するアイントラハト・フランクフルトがヨーロッパリーグを制覇する。日本人としては小野伸二以来となる20年ぶりの快挙に、香川も「すごいうれしかったですよ。長谷部さんのやっていることはもっと日本で評価されなきゃいけないですし、リスペクトの気持ちでいっぱいです」と称賛。鎌田についても「テクニックや、クリエイティブなところはドイツでもあまりいないプレーヤーなので、あとは数字をもっと残していければ。まだ25歳なので、ステップアップしていくと思うし、そういうところはすごく刺激になります」と、関心の目を向けていた。

長谷部や鎌田のような日本人選手を増やすためには、何が必要なのか。香川はオフシーズンに日本で参加した練習に、ある違和感を覚えたという。それは、日本人選手の自己主張や自己表現の弱さだった。香川は「(日本では)和を乱さない、みんなでいい雰囲気でやるという文化があると思うんですけど、海外ではもっと自分を表現することにフォーカスを置いているので、そこは大きく違うかなと。ミニゲームでも負けたらみんな感情をあらわにするし、そうなると練習に向けてすべてを出さなきゃいけないという環境に変わる。そういう環境でやれることがすごく成長につながる」と主張する。

そして、日本人選手の成長のために、Jリーグにおける外国人枠の撤廃を提言。香川は「もっともっと外国人選手を入れて競争意識をチームに与える必要があるんじゃないかと。べつに仲良くなる必要はなくて、自分自身のことに集中して、練習で全てを出すということをやれる環境を作ることが一番大事。その環境を作るのは、やっぱり外国人選手を入れることが近道だと思うので」と、アイデアを話した。

最後は自身の今後について聞かれた香川が「未来に向けてというのは特にないですね」としながら、「本当に目の前のこと。短期で言えば、もちろんワールドカップというものが入ってくるんですけど」と、11月から開催されるカタールW杯に言及。勝村から「僕らは諦めていませんからね。代表にまた戻っていただいて」と水を向けられると、「その目標があるから戦い続けていると思ってるので。そのために毎日頑張っていきたいと思います」と意気込んだ。
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