フォーミュラ・リージョナル第3大会もてぎ。小山美姫が3戦連続ポール・トゥ・ウインで完全制覇

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2022年07月03日 13:01  AUTOSPORT web

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2022 FRJもてぎ大会でトリプルポールを獲得した小山美姫(TGR-DC F111/3)
2022年のフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ(FRJ)の第3大会(第7戦〜第9戦)が7月2〜3日にモビリティリゾートもてぎで開催され、シリーズランキングトップの小山美姫(TGR-DC F111/3)が全3レースでポール・トゥ・ウインを果たし、もてぎ大会を完全制覇。今季通算5連勝を飾ったことで、シリーズランキングでもライバル勢を大きく引き離す結果となった。

 6月25〜26日に岡山国際サーキットで開催された第2大会の第5戦・第6戦と連勝をマークした小山。7月2日9時から行われた予選2セッションともにトップタイムを叩き出すと、第9戦のグリッドが決せられる公式予選1のセカンドベストでもトップタイムをマーク。小山はFRJ初ポールポジションを獲得すると同時に、第3大会もてぎの3レースすべてをポールからスタートすることとなった。

「これが初ポールポジションなので嬉しいです。今週末は走行初日からずっとクルマの調子が良くて、そのパフォーマンスを今回も発揮できたと思います。決勝に関しては、前回の岡山でスタートが重要だなというのを実感したので、そこに集中していきたいです」と小山。

 また、マスタークラスでは小山と同じSuper Licenseからエントリーする畑享志(A-NeKT F111/3)が、こちらも3戦すべてでポールポジションを獲得した。

■第7戦:小山美姫の勢い止まらず。今季3勝目を飾る

 予選終了から約2時間後の11時42分に第7戦決勝レースはスタートを迎えた。2番グリッドスタートの片山義章(Team LeMans F111/3)が好スタートを決めて小山とサイド・バイ・サイドで1コーナーへ進入。しかし、小山がポジションをを守り切り、以降は片山とのギャップを広げにかかる。

 トップは小山、2番手に片山、3番手に小川颯太(Bionic Jack Racing Scholarship FRJ)、そして4番手にFRJデビューレースを迎えた大木一輝(PONOS Racing)のオーダーで中盤を迎えたが、8周目の1コーナーで三浦勝(F111/3)がスピンを喫し、グラベルにマシンを止めてしまう。これによりセーフティカー(SC)が導入されることに。

 10周目にレース再開を迎えると、小川と大木の3番手争いがヒートアップ。大木は果敢に小川に対しオーバーテイクを仕掛けるべく揺さぶりをかけるが、かわすまでには届かず。16周目、小山が終始危なげない走りで首位を譲ることなく、今季3度目となるトップチェッカーを受けた。2位に片山、3位に小川が続き、マスタークラスは田中優暉(アスクレイ☆イーグルスポーツ)が今季2勝目を飾った。

 小山は「スタートがうまくいかなくて片山選手に迫られましたが、何とかトップを守ることができました。今回もSCが入る展開になりましたけど、トップから再スタートができれば不利になることはないなと思っていたので、落ち着いて再スタートを決めることができました。前半はプッシュしていましたけど、ここまで温度が上がるとクルマにも負荷がかかってしまうので、セーフティカー解除後は、ペースをコントロールして走っていました。この勢いで2レース目も勝てるように頑張ります」と、第7戦を振り返った。

フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ
第7戦モビリティリゾートもてぎ 決勝正式結果
PosClassNoDriverCar NameLaps /Gap18小山美姫TGR-DC F111/316Laps26片山義章Team LeMans F111/33.507397小川颯太Bionic Jack Racing Scholarship FRJ14.777445大木一輝PONOS Racing15.3625M14田中優暉アスクレイ☆イーグルスポーツ17.5116M7畑享志A-NeKT F111/321.5027M11HIROBONRn-sportsF111/31LapM34三浦勝F111/39Laps
天候:晴れ コース状況:ドライ
スタート時間:11時42分50秒
チェッカー時刻:12時14分05秒
規定周回数:12Laps
ベストラップ M #14 田中優暉 1分53秒392 2/16 152.423km/h
ベストラップ #8 小山美姫 1分51秒404 4/16 155.143km/h
※クラス区分:M=マスタークラス
※SC導入:7周回完了時から1周回(T2での停止車両改修のため)

ペナルティ
No.11:訓戒《FORMULA REGIONAL SpR.20-7.違反「コース上での停止」》(裁定:12時30分)

■第8戦:完走4台と荒れた一戦も小山美姫が完勝

 第7戦終了後、16時36分から行われた第8戦決勝レースは、フォーメーションラップ中のV字コーナーでHIROBON(Rn-sportsF111/3)がコース上にマシンを止めたことでスタートディレイに。周回数も1周減算の15周で争われることとなった。

 抜群のスタートを決めた小山がホールショットを守る。一方、4番手スタートの小川が1コーナーで大外刈りを決めて片山、大木をパスし2番手に浮上する。

 小山がスタートから他を寄せ付けない走りでレースをリードする一方、2番手小川、3番手片山は接近戦を展開。そんな中、3周目の3コーナーで片山が小川と接触。片山はフロントウイングに、小川はリヤウイングにダメージを受け、さらに3周目のセクター3で小川のリヤウイングが脱落。

 ダメージを負ったまま2台はポジション争いを続けるも、両者のペースは落ちており、4周目のS字コーナーで大木が片山、小川をかわし2番手に浮上する。その直後のV字コーナーで小川が片山をパス。その小川に続いてマスタークラスの畑、田中の2台も片山のイン側に飛び込むが、ここで3台が接触。その後方につけていた三浦もわずかに接触し、一時コース上でストップを強いられることに。

 このアクシデントで畑はグラベルから動けず。また、田中、片山の2台もピットに戻るも、ここで畑、田中、片山3台の車両がリタイアとなってしまう。これでコース上は小山、大木、小川、三浦の4台のみに。マスタークラスの三浦はリヤウイングを失った小川を11周目に仕留め総合3番手に浮上する。

 レースは序盤から他を寄せ付けない走りを見せた小山が今季4連勝を飾った。2位にはFRJ初表彰台となる大木が、そして3位にマスタークラス優勝の三浦が続いた。

「今回も自分としては良いスタートではなかったのですが、後ろが混戦になっていたので、そこに助けられた部分はありました」と小山。

「早い段階から単独走行になりましたが、クルマの調子が良いのに対して、ドライバー側がもっと伸ばせる部分があるなと思っていたので、逆に色々とトライができる良い機会と捉え、毎周プッシュをして、少しでも次に繋がるようにと走っていました。今回は私と片山選手がニュータイヤを使いましたけど、3レース目は(2番グリッドの)小川選手がニュータイヤを残しているので、スタートで抜かれないようにしたいなと思います。明日も頑張ります!」

フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ
第8戦モビリティリゾートもてぎ 決勝正式結果
PosClassNoDriverCar NameLaps /Gap18小山美姫TGR-DC F111/315Laps245大木一輝PONOS Racing24.3263M34三浦勝F111/358.158497小川颯太Bionic Jack Racing Scholarship FRJ1’20.514M7畑享志A-NeKT F111/312LapsM14田中優暉アスクレイ☆イーグルスポーツ12Laps6片山義章Team LeMans F111/312LapsM11HIROBONRn-sportsF111/3DNS
天候:晴れ コース状況:ドライ
スタート時間:16時26分45秒
チェッカー時刻:17時04分35秒
規定周回数:11Laps
ベストラップ M #7 畑享志 1分52秒593 2/3 153.505km/h
ベストラップ #8 小山美姫 1分50秒656 14/15 156.192km/h
※クラス区分:M=マスタークラス
※フォーメーションラップ中の車両停止のため、“START DELAYED”を適用した。
またFORMULA REGIONAL SpR.第31条10.3)を適用し、周回数を1周減算の「15周」とした。

ペナルティ
No.6:競技結果に10秒加算(5'45.446+10sec)《FORMULA REGIONAL SpR.第16条1.1「衝突を起こしたもの」》(裁定:16時52分)

■第9戦:小山美姫が今季5連勝。もてぎ大会を完全制覇

 3日午前に行われた第9戦決勝レースでも小山の勢いは止まらなかった。ポールポジションから抜群の蹴り出しを見せると、序盤から好ペースをキープ。このレースでニュータイヤを投入した2番手スタート小川とのギャップを着々と広げる。

 オープニングラップの混乱のなか、マスタークラストップにつけていたHIROBONがフロントウイングを破損。それでも総合5番手をキープしていたが、3周目にマシントラブルによりビクトリーコーナー手前でストップ。HIROBONは第8戦に続き、リタイアとなった。これで畑がクラストップのポジションを取り戻す。

 レース後半を迎えても、小山は1分51秒台のペースをキープ。後続に10.995秒のリードを築いて16周目のトップチェッカーを受け、もてぎ大会3連勝。さらにファステストラップも記録し、週末を完全制覇することとなった。2位に小川、3位に片山が続いた。マスタークラスは畑が逃げ切りを見せ、今季2勝目を飾っている。

 第9戦を終えた小山は「2番手の小川選手がニュータイヤを履いていて、最初の5〜6周は攻めてくるだろうなと思っていました。そこに意識がいってミスをしてしまうといけないので、いつもと変わらない走りをすれば大丈夫だと思い、ドライビングに集中して走りました。もし、クルマが良くないといろんなところに意識がいって、自分の走りができなかったりします。今週末はクルマが良かったことに助けられました。今回も良いクルマを準備してくれて、私が走りたいように走らせてもらえたチームに感謝です」

「私たちドライバーは30分のレースを走ったら終わりですけど、その30分のためにチームの皆さんは何時間もメンテナンスをしたり動いたりしてくれています。それに対する感謝の気持ちを、こうして結果で示すことができて良かったです」とコメントしている。

 2022年のフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ、第10戦〜第12戦が開催される第4大会は7月23〜24日にスポーツランドSUGOにて開催される。

フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ
第9戦モビリティリゾートもてぎ 決勝正式結果
PosClassNoDriverCar NameLaps /Gap18小山美姫TGR-DC F111/316Laps297小川颯太Bionic Jack Racing Scholarship FRJ10.99536片山義章Team LeMans F111/313.938445大木一輝PONOS Racing16.0115M7畑享志A-NeKT F111/333.1686M34三浦勝F111/336.3187M14田中優暉アスクレイ☆イーグルスポーツ40.549M11HIROBONRn-sportsF111/33Laps
天候:晴れ コース状況:ドライ
スタート時間:9時42分57秒
チェッカー時刻:10時12分43秒
規定周回数:12Laps
ベストラップ #8 小山美姫 1分51秒096 4/16 155.571km/h
ベストラップ M #7 畑享志 1分52秒627 10/16 152.423km/h
※クラス区分:M=マスタークラス

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