イライラの原因は9割が蓄積疲労!? 元自衛隊メンタル教官が指南する"怒りのコントロール実践術"

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2022年07月04日 20:11  BOOK STAND

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『自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術 (朝日新書)』下園壮太 朝日新聞出版
社会に大きな混乱や変化をもたらした新型コロナウイルス感染症。そのせいで、うつやメンタル不調に陥った人も少なくないでしょう。

 そしてもうひとつ、私たちの間に高まったと考えられるのが「イライラ」と「怒り」の感情。東日本大震災以降、格差社会や価値観の多様化、SNSのネガティブ情報などによって社会に蔓延してきた怒りが、このコロナ禍でますます顕著になってくるだろうと心理カウンセラーの下園壮太さんは予測します。

 この「怒り」をどうコントロールするかに焦点をあてて書かれたのが、『自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術』。元陸上自衛隊のメンタル教官だった下園さんが、これまで実践してきたなかで効果のあった方法をわかりやすく紹介しています。

 そもそも私たちの怒りやイライラの原因はどこにあるのでしょうか。下園さんが根底にあるものとして挙げるのは「蓄積された疲労」です。24時間態勢の社会、メディアの発達、情報過多な環境などのせいで、私たちは誰もが精神的疲労が溜まりやすいモードになっています。そのため、もし怒りの暴発を防ぎたいと考えるならば、日ごろから疲労のケアに務めることがとても大事だと下園さんは指摘します。

「具体的には、日々質の良い睡眠をとる。疲れていると感じたら、いつもより1時間長く眠るようにする。お休みは、しっかり心身を休める」(同書より)

 これらに留意するだけで、怒りの感情のケアにはじゅうぶん効果があるようです。

 さらに、怒りを取るための実践的方法を伝えているのが、3章の「怒りの暴発を防ぐには、警備隊長をケアする」です。「1、受け身をとって刺激から離れる」「2、疲労のケア」「3、警備隊長(感情)のケア」といったふうに、怒りへの対処法が6つのプロセスでまとめられており、日頃の生活にも取り入れやすいはず。

「まず日ごろから疲労に気をつけ、トラブルがあったときは受け身をとり、感情をケアし、現実問題を考察する。そうして、感情が1段階に収まったら、振り返ってみる」(同書より)

 どんな怒りであれ、「何日もかけて、行きつ戻りつを繰り返しながら、プロセスを進めていくのが自然で現実的なケアの形」(同書より)とのこと。「感情のケアはスポーツと同じで、理論も大切ですが、実習して自分なりのコツを身につける必要がある」(同書より)のだそうです。

 もしみなさんが毎日の中でイライラや怒りを抱えることが多いなら、それは性格や人格の問題ではなく、蓄積疲労が大きく関係しているのかもしれません。まずは少し立ち止まって、「自分は最近、疲れていないかな?」と振り返るところから始めてみてはいかがでしょうか。

[文・鷺ノ宮やよい]



『自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術 (朝日新書)』
著者:下園壮太
出版社:朝日新聞出版
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