J-HOPEが先導するBTSの新章ーーソロ作で見せた表現力の幅広さと、再確認するメンバー愛

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2022年07月17日 10:01  リアルサウンド

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J-HOPE『Jack In The Box』

 J-HOPEが先導するBTSの新章が、いよいよ動き出した。ソロ活動を充実させていくと宣言し、そのトップバッターとして注目を集めていたJ-HOPEのソロアルバム『Jack In The Box』が7月15日より配信されている。ビックリ箱を意味する“Jack In The Box”という名の通り、新たな情報が解禁になるたびJ-HOPEの新しい姿に驚かされるばかりだ。


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 J-HOPEといえば、お決まりの挨拶「I’m your hope. You’re my hope. I am J-HOPE〜!」をはじめ、いつも明るい存在感がイメージとして浸透している。そして謙虚でメンバー想いな姿勢から、リーダーのRMとメンバーとをつなぐバランサーとしてBTSを支えてきたことも広く知られるところ。


 そのポジティブなスタンスは、J-HOPEが作詞、 作曲、プロデュースにも参加したミックステープ『Hope World』や、人気シンガー・Becky Gとコラボした「Chicken Noodle Soup」などにもよく表れていた。それらの楽曲で披露したポップでカラフル、そしてチャーミングな世界観は、私たちが思い描く“BTSのJ-HOPE”そのものだ。


 だからこそ先駆けて披露された『Jack In The Box』のタイトル曲のひとつ「MORE」のMVに、まず度肝を抜かれたのだ。“僕は水を得た魚”と踊るように歌う姿からは、たしかにJ-HOPEらしさは感じられる。だが、そのダークなメイクとハードなサウンドはいつものJ-HOPEからすれば実に新鮮で、その表現力の幅に圧倒されずにはいられない。


 ビックリ箱から飛び出すピエロとなり、人びとをあざけ笑うかのごとく、様々な部屋を行き来して次々に破壊していく。まるで出来上がった日常のルーティーンを打ち砕く動きは、これまで積み上げてきたBTSという枠組みさえも一度取り払う覚悟を感じさせる。このMVは、もっと、もっと……と、さらなる進化を欲するJ-HOPEの渇望そのものなのかもしれない。


 そんな新たな一面で驚かせてくれたMVだが、YouTubeに公開された撮影風景のビハインド映像を見ると、いつものJ-HOPEそのままでホッと一安心。自らの意見を出しつつも、「監督はどう思います?」と人の声に耳を傾けるJ-HOPEの強みがフルに発揮される形で、このMVが磨き上げられていったことが窺える。


 さらに、突然Vが応援に駆けつけるシーンもARMY(ファン)の心を温めたことだろう。その手にはJ-HOPEの好きなクッキーアンドクリーム味のワッフルも。さらに「僕もマネキンにでもなろうか?」「カメオ(出演)1回やってみる?」とエキストラに混ざってサプライズ出演する流れにも、メンバー愛を再確認させられた。


 「BTSというグループ名は知られていても、1人ひとりがどんな人なのかまだ知られていない。僕たちは歌手だから、音楽やパフォーマンスで伝えたほうがインパクトがある」とは今後ソロ活動を充実させていくことを語り合った「防弾会食」でのRMの言葉。J-HOPEが見せてくれるビックリ箱は、彼というアーティストを改めて広く知らしめるものになる一方で、BTSチャプター2の幕開けにほかならない。


 7月15日には『Jack In The Box』のリスニングパーティーが行なわれ、多くのアーティストやセレブたちのSNSを賑わせた。アップされた写真や動画からは、メンバーが駆けつけている様子も確認することができる。撮影現場に登場したり、パーティーを盛り上げたり、そっと見守ったり……メンバーによって応援の仕方は様々だが、そこにも個性が出て面白い。ソロとして活動するほどに、むしろグループの絆を強く感じられるというのも、BTSらしいところかもしれない。


 7月31日には、米・シカゴのグラント・パークで開催される音楽フェスティバル『ロラパルーザ』の最終日に韓国人アーティスト史上初のヘッドライナーとして登場することになっているJ-HOPE。その晴れ舞台もメンバーはそれぞれの形で応援していくことだろう。J-HOPEというアーティストが世界に羽ばたいていくこと、そしてその背中を追うようにBTSのメンバーがまた新たな表現を見せてくれることが、ますます楽しみだ。(佐藤結衣)


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