トヨタ育成3選手が欧州ラリーに再登場。3位表彰台獲得の山本雄紀を含め全員が完走果たす

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2022年08月15日 19:30  AUTOSPORT web

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2022バラオサ・エクスパート・ラリーで総合3位表彰台を獲得した山本雄紀/ミイカ・テイスコネン組(ルノー・クリオ・ラリー4)
TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラム2期生の大竹直生、小暮ひかる、山本雄紀の3選手が、8月12日から翌13日にフィンランドで開催された『バラオサ・エクスパート・ラリー』に参戦。ヨーロッパでの2戦目となるラリーで山本/ミイカ・テイスコネン組が総合3位、大竹/マルコ・サルミネン組が僅差の総合4位、小暮/トピ・ルフティネン組も総合6位でフィニッシュし、全員がそろって完走を果たした。

 WRCドライバーを目指す3名がエントリーしたバラオサ・エクスパート・ラリーは、フィンランドの首都ヘルシンキの約100キロ北に位置する、ラハティの町を中心に開催される高速グラベル(未舗装路)ラリーだ。12日金曜から13日土曜に行われた同イベントは、歴史ある『ラハティ・ヒストリック・ラリー』と併催された。

 イベントが行われた週末は晴れて暖かく、路面はドライコンディションとなった。そんななか、3名の日本人ドライバーたちはそれぞれが7月に参戦した欧州デビュー戦からの進歩を見せる。フィンランドラリー選手権に出場しているドライバーも参加するなか、彼らの駆る『ルノー・クリオ・ラリー4』と同じラリー4カーで参戦する地元の上位選手と遜色ないスピードを披露したのだ。

 大竹/サルミネン組は金曜に好スタートを切り、総合3番手で初日のラリーを終えた。これに対して山本/テイスコネン組は5.7秒差の総合6番手につけると、翌日のSS9でベストタイムを記録。最終的に順位を3つ上げ総合3位表彰台を獲得した。なお、この結果は二輪駆動車では2位、同部門1位とのタイムは5.4秒だった。

 山本組に逆転を許した大竹組はわずか1.8秒差の総合4位に。小暮/ルフティネン組は金曜朝の2ステージで慎重なアプローチを取ったことで遅れたが、その後はペースを掴み最終的に総合6位でラリーを終えている。

 3名の戦いぶりについて、プログラムのチーフインストラクターを務めるミッコ・ヒルボネンは、「予想していた以上にとても良い週末になった。選手たちがよいペースを安定して保つことができたことが素晴らしかった」と評した。

「初日は極めて明快な、ストレートの多い高速ステージで、2日目はよりテクニカルな箇所があり、休む間なくつねにクレストとコーナーが続くような高速のステージだった」

「ペースノートにおいては、2日目はかなりチャレンジングになることを想定していたが、フィンランド人ドライバーたちと比べてもパフォーマンスが落ちることはなかった」

「山本と大竹は最初から安定しており、ライバルや彼ら同士でバトルをしているときも冷静で、ミスをしなかった。また、小暮も自信を持つことができ、彼らと近いタイムで走ることができた」

 ヒルボネンは最後に、「3選手が同じレベルで成長ができているのは、プログラムを進めていくにあたっても良いことだ」と語っている。

 欧州ラリーへの挑戦の第2ラウンド、バラオサ・エクスパート・ラリーを戦い終えたTOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラム2期生のコメントは以下のとおりだ。

■「ペースノートの情報を信じて走ることができました」と山本

●小暮ひかる(総合6位:ルノー・クリオ・ラリー4)
「よいリズムで走ることができ、ラリーはうまくいきました。結果に完全に満足しているわけではありませんが、とくにペースノートにおいて、前戦から進歩できたとことはとても良かったと思います」

「最初は、長いストレートからタイトなコーナーに入るときのハードブレーキに苦戦し、多くのタイムをロスしてしまいましたが、走行を重ねるうちに徐々に感覚を掴むことができました。次回は最初のステージからもっと速く走れるようにできればと思います」

●大竹直生(総合4位:ルノー・クリオ・ラリー4)
「週末を通じてスピードを保つことができ、良いラリーでした。とくにペースノートとスピードにおいて、前戦より成長できました。レッキで4回ステージを走ったので、ペースノートもしっかり作れましたし、コドライバーのマルコ(・サルミネン)との協力もうまくいきました」

「一番難しかったのは、コーナーでの正しいラインを見極めることでした。自分たちのクルマに比べ、よりタイトなラインを通る、多くのヒストリックカーの後で走行をしたので、正しいラインを判断することが難しかったです」

●山本雄紀(総合3位:ルノー・クリオ・ラリー4)
「前回のラリーから成長したのでとても良かったと思います。多くのステージで、ラリー4マシンを駆るフィンランド人ドライバーたちと競い合うことができましたし、トップタイムも1度取ることができました」

「一番大きな進歩はペースノートだったと思います。前回よりずっと正確になり、すべての情報を信じて走ることができました。今回のラリーではレッキの回数に制限がなかったので各ステージ4回走り、道をかなり覚えてしまいました。ですが、フィンランド選手権では通常2回しかレッキはできないので、今後のラリーではよりチャレンジングになると思います」

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