King & Prince、永瀬廉センター曲が示す5人のバランスの良さ 新たな表情見せる振り幅と安定感が武器に

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2022年08月17日 06:11  リアルサウンド

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King & Prince

 2022年9月14日リリース、King & Princeの10thシングル『TraceTrace』。表題曲のMVが8月11日に公式YouTubeで公開され、1週間足らずで再生回数350万回超えを記録している。


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 本作は永瀬廉が主演を務めるドラマ『新・信長公記〜クラスメイトは戦国武将〜』(日本テレビ系)の主題歌で、永瀬が初のセンターを務める。ノルウェーの振付師・Quick Styleが手掛けたダンスのテーマは「アンドロイドと人間」。今回公開されたYouTube Editでは、イントロからエレクトロなサウンドが響き、まるでスイッチを入れたかのようにKing & Princeのメンバーが動き出す無機質なダンスから始まる。


 これまでも彼らは楽曲の持つ世界観を様々な手法で表現してきたが、YouTubeで公開されているMVの並びからもわかるように、ダンスパフォーマンスが中心のMVも多数公開してきた。デビュー以降、アイドルならではのキラキラとした路線を突き進むのかと思いきや、「Mazy Night」ではがらりと世界観を変え、無限の可能性を知らしめるかのように彼らのフレームを拡大。平野紫耀がダブル主演を務めたドラマの主題歌に起用され、ストーリーとリンクした世界観を感じさせる情熱的なダンスを見せた。「Naughty Girl」でも、全身を細かく使い、緩急あるダンスで彼らのダンススキルの高さを見せつけた。「シンデレラガール」のようなキラキラとした世界観からは真逆ともいえるクールさを併せ持つこの振り幅も、King & Princeの持ち味として定着してきたといえそうだ。


 今年6月にリリースされた4thアルバム『Made in』のリードトラック「ichiban」では、作詞・作曲にKREVA、コレオグラファーにRIEHATAを迎え、King & Princeの決意や力強さ、野心を感じるような、彼らのルーツを再認識するコンセプチュアルさを打ち出した。


 そこから続く本作「TraceTrace」は、「未来に何を残せるのかを悩みながら、現在(いま)を積み重ねて僕らの歴史を刻んでいこう」というメッセージが楽曲に込められている。ミディアムポップな曲調も新鮮で、今後も様々なジャンルを開拓していくのだろうというグループの方向性も感じ取れるように思う。MVでも“クローン高校生”というドラマの世界観を踏襲しつつ、King & Princeの過去作品と異なる、また新たな軸での表現に触れることができる。


 本映像は、「Naughty Girl」と同様に照明づかいが特徴的で、陰と陽、明暗を彷彿とさせ、物語に強いコントラストをつけている。強い光を浴びて舞うように踊るメンバーの白い衣装の揺れが美しく、浮遊感や軽やかさがあるのに力強い意思が滲む、躍動感溢れるダンス。草花や水の演出を大胆に取り入れ、楽曲の進行と共に映像がカラフルになっていく流れからも強い生命力を感じる。作品のテーマである「アンドロイドと人間」にふさわしく、無機質さと生命力の対比がユニークで、最後に彩り豊かな花が咲く様子はKing & Princeらしい世界観といえよう。


 また、永瀬をはじめとしたメンバー一人ひとりがしっかりとフォーカスされているほか、5人の息が合ったダンスパフォーマンスも見応えがある。誰がセンターになっても目を引く、バランスの取れた確かなパフォーマンスがKing & Princeの魅力であり、彼らの武器だと再認識させられた。フルサイズではさらにどんな展開が待っているのか、期待が高まる。(柚月裕実)


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