草なぎ剛「役を考えない」芝居の境地 極限まで突き詰めた30代を経て“抜けた”現在

7

2022年08月18日 08:00  ORICON NEWS

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ORICON NEWS

写真草なぎ剛(撮影:田中達晃/Pash) (C)ORICON NewS inc.
草なぎ剛(撮影:田中達晃/Pash) (C)ORICON NewS inc.
 2020年公開の映画『ミッドナイトスワン』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞、翌21年放送の大河ドラマ『青天を衝け』でも江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜を好演し「第59回ギャラクシー賞」テレビ部門 個人賞を受賞した草なぎ剛(48)。もともと俳優としての評価は高かったが、近年さらに凄みを増している印象を受ける。そこには、これまで考え尽くしてきたからこそたどり着いた“抜けた感覚”が功を奏しているという。8月19日公開の映画『サバカン SABAKAN』に出演する草なぎに、円熟していく表現の現在地を聞いた(取材・文:磯部正和)

【写真】パネル姿でイベントに登場した番家一路&原田琥之佑

■最近は役についてあまり考えないようにしています

 大河ドラマ『青天を衝け』で主演を務めた吉沢亮は、徳川慶喜を演じた草なぎに対して「現場にいる草なぎさんは慶喜にしか見えなかった」と役柄と同化するすごさを語っていた。同じく現在配信中のドラマ『拾われた男 LOST MAN FOUND』で主人公・松戸諭を演じている仲野太賀も、兄を演じた草なぎに「兄にしか見えなかった」と役への憑依に舌を巻いていた。

 こうした若手俳優からの称賛に草なぎは「亮くんや太賀くんのような若い俳優さんと一緒になる機会が増えてきましたね」と笑顔を見せると「みんなすごく上手いんだよね。瞬発力も集中力もあって、僕の方こそ感心させられることばかりなんですよ」と大きな刺激を受けているようだ。

 草なぎ自身、俳優として快進撃が続いているが「最近あまり役について考えないようにしているんです」とスタンスを語る。続けて「難しいことを考えちゃうと動けなくなってしまう。台本は読まないと迷惑が掛かっちゃうけれど、本当に読み込まない程度の“抜け感”の方がいい気がするんです。結局現場に入ってから芝居するわけですからね」と述べる。

 こうした考えに行きついたのは、30代にその逆を突き詰めていったからだという。「しっかり考えて臨むのも大切だと思います。実際僕も昔は、台本を読み込み、役についてものすごく向き合っていた気がします。でもあまりに作品に集中しすぎると続かなくなってしまうし、疲れてしまうんですよね(笑)」。

 極限まで役や作品に向き合った30代を経験してきたからこそ、いまの“抜けた感覚”にたどり着いた。「煮詰めて考えて役を作り出すことをやってきたからこそ、必要最小限の準備だけして、現場で無意識に役に同化するスタイルにたどりつけたような気がします。小さいころからこの仕事をしていたので、カメラのどこに立ったらいいかなどは感覚的に理解しているので、あえてそういう意識を手放すことで見えてくることもある。そういった状況を楽しむことが大切なのかなと思っているんです」と自身の変化を語っていた。

■『サバカン SABAKAN』を経験し、もう一度リセット!「いまが人生で一番楽しい」

 そんななか臨んだ最新作映画『サバカン SABAKAN』。本作で草なぎは、イルカを見るために冒険に出た主人公の少年・久田孝明の大人になった姿を演じているが、登場シーンはそれほど多くないため、純粋に観賞する側として子供たちの青春を楽しめたという。

 「本当にノスタルジックというか懐かしい気持ちがフワーっと心のなかに沸いてきました。子供たちの演技も、とても純粋でキラキラしていて、観ているだけで元気になれました。僕もとても元気な小学生で、ザリガニやカエル、蛇などを捕まえに行ったり、高いところに登ってそこから飛び降りてケガをしたり……。そんな経験すべてがいまの自分のどこかに反映されているんだなと考えると、やっぱりこの時期の思い出というのは、人間形成の上で大切なんだなとしみじみ思いました」。

 さらに草なぎは、主人公たちが冒険する姿を見て、さまざまな思いが心に宿ったという。「僕はいま48歳なのですが、また冒険したいなって思ったし、もう一度人生リセットして次に進む大きな原動力になるような作品でしたね」と目を輝かせると「この作品を観て、いつまでたっても子供でいいんだなと思ったんです。大人よりも子どもの方が人生楽しんでいる、実は偉いんじゃないかってね。僕も最近は朝起きたときから元気なんですよ」。

 公私ともにやりたいことは思い切りやる――とアクセル全開の草なぎ。「『拾われた男』で仲野太賀くんと共演したのですが、彼の影響でカメラに興味を持って。太賀くんにいろいろ教えてもらって、カメラも買っちゃったんですよ」と無邪気に笑うと「いまはSNSでわからないことをなんでも勉強できますからね。ギターも好きだし、バイクも車も大好き。ワンちゃんとの時間も大切だし――もう24時間じゃ足りないぐらいです」と充実感をにじませる。

 年々人生が楽しくなってきているという草なぎ。「まあ年をとってくると、不便なこともいっぱい出てきますよ。どこが痛いとか、血液検査の数値がどうかとか。でもそれ自体も楽しむというか、数値が悪ければ、どうしたら良くなるかって楽しんじゃえばいいじゃないですか」と笑うと「朝起きて『今日はなにをしようかな』って考えると本当にワクワクする。仕事はもちろんだけれど、カメラもギターも、バイクも……そう考えると、いまが人生で一番楽しいのかもしれません」と語る。

 人生を楽しむという基本的な営みがビシビシと伝わってくる映画『サバカン SABAKAN』。草なぎ自身も本作に参加したことで“ワクワク感”がずっと続いているという。「『サバカン』撮影前と後では、僕のなかの人生の基準が大きく変わった気がします」と大きな影響を受けるほど生き生きとした登場人物たちの姿を堪能してほしい。

――――――――――――
■衣装
BLUE BLUE JAPAN/OKURA
HIGH! STANDARD
――――――――――――

このニュースに関するつぶやき

  • 慶喜を知っている人って重臣以外にいるのかな。
    • イイネ!1
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(4件)

ニュース設定