名門DJRが契約を更改し、パスカーレ&デイビソンの残留が確定。チームも新所有権体制へ/RSC

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2022年08月19日 11:20  AUTOSPORT web

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来季2023年も強豪Dick Johnson Racing(DJR)で戦うことが決まったアントン・デ・パスカーレとウィル・デイビソンのふたり
オーストラリア大陸を代表する人気ツーリングカー選手権、RSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップに参戦する強豪ディック・ジョンソン・レーシング(DJR)は、2023年に向けドライバーとの契約を更改。今季もチームに所属するアントン・デ・パスカーレとウィル・デイビソンのふたりを継続起用し、引き続きシェルVパワー・レーシングとして参戦することをアナウンスした。

 またドライバー発表に先立つ8月16日には、来季よりDJRが新しい所有権下に置かれることも発表。チームは新たに、オーストラリアのスポーツ界でプロ野球の球団やラグビーチーム、さらに現地で人気の女子ネットボールクラブなど、数多くのプロチームを運営するラルフ家が率いることとなった。

 1980年にディック・ジョンソンが創設した「オーストラリア最古のレーシングチーム」は、2014年にロジャー・ペンスキーが資本参入して本格的にチーム運営に参画し、当時のVASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーではDJRチーム・ペンスキーとして活躍。現在は北米でロジャー総帥のもとインディカーを戦うスコット・マクラフランを輩出した。

 そうして幾度ものタイトル獲得を経て、2020年末には現在のチーム代表であるライアン・ストーリーに売却され、ふたたびDJRとしてシリーズでの活動を続けて来た。

 これで過去10年間で3度目の所有権変更となるDJRは、来季2023年より現地のプロリーグでメルボルン・エース(野球)、メルボルン・ストーム(NRL/ラグビー)そしてサンシャイン・コースト・ライトニング(女子ネットボール)など、数多くのプロチームを運営することで知られる、ラルフ・ファミリーの手に渡ることとなった。

 その女子ネットボールのトップチームでディレクターを務め、プロ野球の強豪メルボルン・エースの会長職も兼務するブレット・ラルフは、このスーパーカーの古豪チーム買収に関して「他のすべてのビジネスベンチャーやパートナーシップと同様に、オーストラリアの文化で勝利を収め、オーストラリアで最も象徴的なレースチームの一員になれることに非常に興奮している」と、その喜びを語っている。

 一方、現在のチーム所有者であるジョンソンとストーリーは、チームの「重要な権利所有者」としてボードメンバーに残る方針だという。

「今日、ラルフ家とのパートナーシップを発表できることを光栄に思う」と続けたライアン・ストーリー。

「ブレットとラルフ一族は、これまでもDJRの戦略的投資家であり、現在の経営体制でこれまでどおり日々の業務を継続していく。一家は素晴らしい人たちで、他の誰かと組むなんて想像もできなかったよ。彼らは非常に経験豊富なビジネスマンであり、誰も否定できないスポーツへの情熱を持っている。ブレットと初めて話した瞬間から、彼と私はすぐに意気投合し、仕事上の素晴らしい関係を築くことができると確信したんだ」

■残留決定のパスカーレ「Gen3マスタングでも先頭に立ち続けたいと思っている」

 チーム創設者であり、5度のシリーズタイトル獲得経験と3度の『バサースト1000』覇者でもあるジョンソンも、ラルフ・ファミリーのビジョンは「共有し得るものだ」と歓迎の意を示した。

「我々としても、ラルフ一家をディック・ジョンソン・レーシングに迎え入れることに興奮している。もちろん我々ファミリーもDJRで築いてきた家族の文化を非常に誇りに思っている。その同じ価値観と考え方を持つ一家と一緒に仕事をすることは、非常に刺激的で自信を与えてくれるものだからね」

 この新契約により、ラルフ一族がフォード系ホモロゲーション担当チームの過半数の株式を取得することが確認された数日後、その新体制初年度もパスカーレが引き続き11号車を、同じくデイビソンが17号車のステアリングを握ることがアナウンスされた。

「ウィル(・デイビソン)とアントン(・デ・パスカーレ)が、2023年もシェルVパワー・レーシングチームで走り続けることを発表できてうれしく思う」と、チームの共同所有者になったライアン・ストーリー。「どちらのドライバーもチームにとってかけがえのない存在であり、すべてのスタッフだけでなくパートナーとも完璧に調和し、忠実で情熱的なサポーター全員に愛されている。彼らのトラック上の結果はそれを証明しており、我々チームにとっても素晴らしい組み合わせなんだ」

 これで新車両規定“Gen3”時代の幕開けもDJRで迎えることが確定したパスカーレは、この契約延長を「心からうれしく思う」と意気込みを示した。

「ディックとライアンが作り上げた家族文化とチームの絆は他に類を見ないものであり、チームに留まれることにとても興奮している」と語ったパスカーレ。

「一緒に仕事をするのにこれほど素晴らしい組織はないし、来季に向けてメンバーの継続性と安定性を維持するのは素晴らしいことさ。そしてウィルという高い能力を持つチームメイトがいるのも大歓迎だね。僕らはもっと多くの勝利を収め、チーム、パートナー、そしてファンのためにも、あのGen3マスタングでも先頭に立ち続けたいと思っている」

 同じく、今季2022年は6回のポールポジションと優勝、10回の表彰台を獲得しているデイビソンも、チームに留まることを「喜んでいる」と語った。

「引き続きDJRで走り続けることにとても興奮している。象徴的なシェルVパワーのカラー、伝説的な#17、そしてDJRの強力なレースチームでシリーズを戦えるなんて素晴らしい機会であり、ドライバーにとっては夢の実現のようなものだ。これまでの結果をさらに発展させ、さらに勝利を重ねるのが待ち切れないよ」

「このレースチーム全体と一緒に仕事をするのが大好きだし、彼らは素晴らしい面々が集ったグループであり、もう家族のように感じているんだ!」

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