アストンマーティン、モントレーで『DBR22』発表。レースの伝統受け継ぐV12搭載オープンスポーツ

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2022年08月19日 18:30  AUTOSPORT web

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アストンマーティンが発表したDBR22デザインコンセプト
アストンマーティンは8月15日、2022モントレー・カーウイークにおいて、オープンコクピットタイプのV12スポーツカー『アストンマーティンDBR22』のデザインコンセプトカーを発表した。

 アメリカ・カリフォルニア州のモントレーで初公開されたDBR22デザインコンセプトは、アストンマーティンのビスポーク部門『Q・バイ・アストンマーティン』が手がけたプロジェクトの最新モデル。このクルマは同部門によって開発されたワンオフモデルの『ビクター』をはじめ、世界24台限定で発売された『ヴァルカン』、同じく14台のみが生産された『ヴァルカンV600』と同様に、限られた顧客を対象に製造される予定だ。

 クラシカルなプロポーションが与えられたDBR22は、そのデザインに『DBR1』や『DB3S』を送り出してきた創業109年を数えるイギリスの老舗ブランドの伝統を表現している。

 1953年に登場したDB3Sは、アストンマーティンによるモータースポーツの歴史において重要な1台だ。フランク・フィーリーがデザインしたこのクルマは、ル・マン24時間レースで強豪の一翼に加わり、その他のレースでも好成績を収めた。また、究極のアストンマーティン・スポーツカーとして知られるDB1Rは、フィーリーのデザイン言語をさらに進化させ、1959年のル・マン優勝を含む多くのメジャーレースで勝利を手にした。

 最新の2シーター・オープンコクピット・スポーツカーであるDBR22には、この2台からインスピレーションを受けたデザインが採用されている。アストンマーティン量産車に見られる“ヴェイン(Vane)”に代わり、ユニークなカーボンファイバー・デザインが活用されたフロントグリルがそのひとつだ。また、開発チームはアストンマーティンのヘリテージを明確に取り入れながら、このインスピレーションを利用して真に現代的なデザインを生み出している。

 コックピットもまたレーシングカーからインスピレーションを得ているが、快適性も重視された。数多くのユニークなコンポーネント、レザー、素地を露出させたカーボンファイバーを幅広く使用することで、クラシックな佇まいと現代的なアプローチが融合している。

■最高出力715PSのV型12気筒エンジンを搭載

 シート後部では、ドライバーとパッセンジャーの後方に生まれるエアフローを整流するため、“ナセル”と呼ばれる隆起が設置された。リヤはDBR22用に専用設計されたスリムで幅広いライトストリップが採用され、これは水平基調のグラフィックを特徴としている。その下に見られるパーフォレーテッド・デザインのパネルは熱を後方に排出するためのもの。この美しく彫刻的なパーツは、DBR22の魅力的なデザインにおけるハイライトのひとつとされている。

 DBR22の心臓部は5.2リットルV12ツインターボ・パワートレインだ。このエンジンの最高出力は715PS、最大トルクは753Nmで、0〜60mph(0〜96km/h)加速はわずか3.4秒をマーク。最高速度は319km/hに達する。組み合わされるギアボックスは、専用のエンジン・キャリブレーションとトルクを最大限に活用する8速パドルシフト・オートマチック・トランスミッションだ。

 DBR22のこだわりはシャシーにも見られる。フロントとリヤに採用されるユニークなシアーパネルはねじり剛性を高め、専用のキャリブレーションが施されたアダプティブ・ダンパーは優れたボディコントロールと洗練された走りを実現する。

 また、3Dプリンターを活用したサブフレームの採用もこのクルマの特徴のひとつだ。リヤサブフレームは、アルミニウム素材を3Dプリントした複数のパーツを接着して製造される。アストンマーティンがこの製造方法を採用するのは同モデルが初となる。利点は大幅な軽量化と剛性の維持。さらに、必要に応じて希少モデル用の特別なパーツを製造できることが挙げられる。

 今回発表されたDBR22デザインコンセプトは、8月19日(金)から8月21日(日)にかけて、モントレーで開催されるペブルビーチ・コンクール・デレガンスで展示される予定だ。
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