NGT48の“未完成の未来”はそこにあるーーグループの今を目の当たりにした1stライブツアー東京夜公演

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2022年09月06日 12:11  リアルサウンド

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NGT48(C)Flora

 結成8年目を迎えるNGT48。グループを結成時から支えてきた1期生が卒業を迎える一方で、昨年リリースの6thシングル『Awesome』、7thシングル『ポンコツな君が好きだ』の2作では小越春花が新センターに。3代目キャプテンに藤崎未夢が指名されるなど、ドラフト3期生や2期生から新たなエースが台頭してきている。1stアルバム『未完成の未来』リード曲の「しそうでしないキス」は、中井りかと小越のダブルセンター。グループのこれまでとこれからを象徴した、今のNGT48を表す楽曲である。


(関連:【写真あり】NGT48、1stライブツアー東京夜公演レポ


 筆者は1stライブツアーの2カ所目、8月19日にLINE CUBE SHIBUYAで開催された東京での夜公演を観た。セットリストはグループにとってのベストアルバムとも呼べる本作の収録曲を満遍なく披露していく内容。「ポンコツな君が好きだ」を皮切りに、「世界はどこまで青空なのか?」「青春時計」「しそうでしないキス」といったシングル曲/アルバムリード曲を畳み掛けていくライブ序盤、「新潟の四季」をテーマにした「春はどこから来るのか?」「シャーベットピンク」「君はどこにいる?」「Maxとき315号」の春夏秋冬を表す4曲、「Awesome」「世界の人へ」「みどりと森の運動公園」といったシングル曲やグループの代表曲を披露していく本編ラストと、全編に渡ってファンを飽きさせない構成は見事である。かつて荻野由佳がセンターを務めていた「世界はどこまで青空なのか?」では小越が、「世界の人へ」では藤崎がそのポジションを継承していたことは、グループの今を目の当たりにしていると強く感じさせた。


 グループの今という視点では、『未完成の未来』の新録曲が連続でパフォーマンスされた中盤ブロックもそれに当てはまるだろう。中井がプロデュースするグループ内ユニット・CloudyCloudy。メンバーは中井を含め、小熊倫実、對馬優菜子、小越の4人で、楽曲やMVの世界観だけでなく衣装、メイクに至るまでを彼女が全て監修している。今回の「片想いのままじゃ終われない」もまた前作「はっきり言って欲しい」に続き、ガーリーでポップでキュートなイメージが強く打ち出されている。


 CloudyCloudyの色鮮やかなパフォーマンスから一変して、ステージに登場したのは本間日陽。「春はどこから来るのか?」でのシングルセンターだけでなく、ソロコンサートの開催や写真集の発売、グループを飛び出しての舞台『サザエさん』への出演など、彼女もグループを代表とする一人であり、ソロ曲「好きなんて…」はその活躍とさらなる期待への表れである。まず、本間は声が抜群に良い。この日もアンコールで披露された「ナニカガイル」の囁きはそのことを証明する楽曲の一つだが、透明感溢れるボーカルで滔々と歌い切る4分弱。派手な演出に頼ることなく、その歌声が真ん中にあるステージは本間にしか作り出すことのできない空間だ。


 ここからは『未完成の未来』収録の1期生、ドラフト3期生、2期生の期生曲が続く。西潟茉莉奈がこの夏で7周年を迎えたこととファンへの感謝を告げてスタートした「昨日よりも今日 今日よりも明日」。西村菜那子との残り少ないステージを噛み締めるように歌うメンバーたち。9月末に控える西村の卒業で、1期生は6人となる。元Aqua Timezの太志が作曲を担当しているドラフト3期生の「どうしようもないこと」を経て、ブロックのラストを締めくくるのは2期生の「自然渋滞」。一度聴いたらメロディが頭から離れなくなるような中毒性の強いナンバーだ。そして、この後のMCで中井がお気に入りだと絶賛していたように、NGT48切ってのダンストラックでもある。ライブ序盤にもダンス選抜として「空き缶パンク」を披露していたが、その5人中3人が2期生。大塚七海、古舘葵、諸橋姫向はもちろんのこと、中でも目を見張るのがセンターを務める小越のオーラだった。


 NGT48の今をはっきりと示したこのブロックの後に登場したのが、グループの未来を担う3期研究生だ。彼女たちは今年6月に加入したばかり。ツアー初日の新潟公演でお披露目を兼ねた初パフォーマンスを終えている。東京公演に出演したのは磯部瑠紅、北村優羽、鈴木凛々花、長谷朱桃の4人。そんな彼女たちに向けて紹介する(という体の)「部活動紹介コーナー」では、「地域密着・地元貢献」をテーマにしたグループの特性を十二分にアピールしていた。3期研究生がそれぞれどの部活動に入部するかは、今後も埼玉、千葉と続いていくツアーのファイナル公演にて発表される予定だ。


 3期研究生が参加したのはアンコールの「Soft Serve」「NGT48」と4人でパフォーマンスした初々しさ満点の「あとで」の3曲。グループ加入前からの推しで尊敬する先輩・中井を上機嫌にした長谷を筆頭に、どのメンバーもNGT48愛が伝わってくる。アンコールラストでコメントを求められた北村は、お披露目からステージに立つのは2回目だと話しながら、緊張よりも楽しさが勝った公演に「こうやってNGT48に入れて幸せだなと思いました」と語っていた。まるで冬から春に季節が巡っていくような温かな希望。“未完成の未来”はそこにあるのだと感じた瞬間だった。(渡辺彰浩)


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  • もう青春時計の頃には戻れないんだよな・・・みど森目当てでシュートサイン買ったのも今や昔よ・・・・・。
    • イイネ!2
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