セリエA第6節が11日に行われ、ユヴェントスとサレルニターナが対戦した。
今シーズン、ユヴェントスはセリエAで無敗をキープしているものの、5試合中3試合が引き分けに。勝ちきれない試合が続いており、ナポリ、アタランタ、ミランなどの上位勢から勝ち点を徐々に離されている。加えて、ミッドウィーク開催のチャンピオンズリーグ(CL)では敵地でパリ・サンジェルマン(PSG)に屈し、今季の公式戦初黒星を喫した。“絶対王者”の座を引き戻すためにも、負けられないホームでの一戦に臨む。
気になるスターティングメンバーには、PSG戦から3名を変更。マッティア・デ・シリオ、ウェストン・マッケニー、モイーズ・キーンが先発に名を連ねた。レオナルド・ボヌッチ、フィリップ・コスティッチ、ドゥシャン・ヴラホヴィッチらは連勤となっている。
試合の均衡が破れたのは18分。右サイドからサイドチェンジのボールを受けたパスクアーレ・マッツォッキがフアン・クアドラードと入れ替わり、ドリブル突破からペナルティエリア左の深い位置に侵入。鋭いクロスボールを送ると、ファーサイドから走り込んだアントニオ・カンドレーヴァが押し込み、アウェイチームが先手を取った。
対するユヴェントスも即座に反撃。キーンが敵陣中央でパスを送ると、最終ラインと駆け引きしていたヴラホヴィッチが体制を崩しながらネットを揺らす。同点弾かと思われたが、ヴラホヴィッチがパスを受けたポジションがオフサイドと判定され、得点は認められなかった。
前半アディショナルタイムにはサレルニターナに追加点が入った。カンドレーヴァが右サイドのライン際でスルーパスを通すと、ブライユ・ディアがドリブルでペナルティエリア内に侵入する。横パスから最後はクリシュトフ・ピョンテクが合わせると、このシュートがグレイソン・ブレーメルのハンドを誘発し、サレルニターナにPKが与えられた。このPKをピョンテク自身が冷静に沈め、前半はサレルニターナの2点リードで終了している。
後半に入るとユヴェントスが猛攻を披露。51分、左サイドでルーズボールを拾ったコスティッチが相手DFと入れ替わり、体制を立て直してクロスボールを供給する。ペナルティエリア内に走り込んできたブレーメルが打点の高いヘディングシュートを叩き込み、ユヴェントスが1点を返した。
その後もユヴェントスが攻め立てる展開となるも、なかなかもう1点が奪えない。このまま試合終了かと思われた後半アディショナルタイム、遂に“その時”が訪れた。左サイドからクアドラードがドリブルを仕掛けると、相手DFがクリアしようとしたボールにアレックス・サンドロが反応。先にボールに触れたA・サンドロが相手DFのファウルを受け、土壇場でユヴェントスにPKが与えられた。キッカーを務めたレオナルド・ボヌッチのシュートはGKルイジ・セペのセーブに遭ったものの、こぼれ球をボヌッチが左足で押し込み、ユヴェントスが同点に追い付いている。
試合はこのままでは終わらない。後半アディショナルタイム、左コーナーキックをアルカディウシュ・ミリクが頭で合わせ、ユヴェントスが逆転に成功した。劇的逆転ゴールを記録したミリクは興奮そのままにユニフォームを脱いでしまい、2枚目のイエローカードで退場処分に。さらにVARレビューの結果、ミリクのシュートに関与したとされるボヌッチがオフサイドポジションに立っていたことが確認され、まさかのゴール取り消しとなった。
納得がいかないユヴェントスの選手たちはサレルニターナの選手たちと小競り合いになり、ユヴェントスのクアドラード、サレルニターナのフェデリコ・ファシオにレッドカードが提示。加えて、ユヴェントスを率いるマッシミリアーノ・アッレグリ監督も判定に抗議し、退席処分を命じられている。試合はこのままタイムアップ。ユヴェントスの劇的逆転ゴールは幻となり、試合終了間際には両チーム合わせて4枚のレッドカードが提示される“大荒れ”の展開となってしまった。
次節、ユヴェントスはミッドウィークのCLベンフィカ戦を挟み、18日に敵地でモンツァと対戦する。一方、サレルニターナは16日にレッチェをホームに迎える予定だ。
【スコア】
ユヴェントス 2−2 サレルニターナ
【得点者】
0−1 18分 アントニオ・カンドレーヴァ(サレルニターナ)
0−2 45+5分 クリシュトフ・ピョンテク(サレルニターナ)
1−2 51分 グレイソン・ブレーメル(ユヴェントス)
2−2 90+3分 レオナルド・ボヌッチ(ユヴェントス)