『おかげでした。』の“全落オープン”が落とし穴ドッキリの教科書になったワケ

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2022年09月30日 23:02  日刊サイゾー

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日刊サイゾー

とんねるず

 放送作家の深田憲作です。

企画倉庫」というサイトを運営している私が「あの企画はどこが面白いのか?」を分析し、「面白さの正体」を突き止めるための勉強の場としてこの連載をやらせてもらっています。

 今回のテーマは「『とんねるずのみなさんのおかげでした。』(フジテレビ)の人気企画・全落(ぜんらく)オープンについて」です。

『みなさんのおかげでした。』は「食わず嫌い王決定戦」を始めとして「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」「男気ジャンケン」「2億4千万のものまねメドレー選手権」など、とんねるずさんの面白さを抜きにしたとしても、企画として素晴らしいコーナーがたくさんあった番組。そんな番組を代表する名企画の1つが「全落オープン」(時に「水落オープン」というコーナー名で放送)でした。

「全落オープン」は、簡単に言うと芸能人を次々と落とし穴に落としていくドッキリ企画。落とし穴といえばドッキリの定番モノというイメージですが、この「全落オープン」はその世界観やパッケージングが秀逸だった企画だと思います。

 番組の会議で企画を考える時に「これやってみよう」という案が出た時、必ずと言っていいほど次に出る言葉が「これをどんなパッケージでやればいいかな?」です。

 例えば「芸能人を次々に落とし穴に落としていくドッキリ」という案が出た時、それをどういう世界観や設定で行うかを考えます。「仕掛け人のMCが落とし穴に落ちる芸能人のリアクションを、分析する研究所という設定はどうでしょう?」「芸能人が落とし穴に落ちる時のリアクションを学ぶ、学校という設定は?」といった具合です。

 いわゆる、01の案を10や100に磨き上げていく作業です。

 コーナー名からもお分かりかと思いますが「全落オープン」は。ゴルフの世界観でパッケージングされています。

「芸能人を落とし穴に落としていくドッキリ」という、やること自体は同じでも、このパッケージングで企画の見え方や面白さは大きく変わってきます。パッケージングの重要性を考えた時に、ぼくが真っ先に浮かぶのがこの「全落オープン」なんです。

 本来ならばナレーションで行うところを「全落オープン」では、男性アナウンサーがゴルフの世界観で実況。落とし穴の仕掛けによって「着いてすぐ落ちホール」「椅子落ちホール」といった具合に、ゴルフコースのように紹介。落とし穴に落ちた瞬間は「ナイスイーン!」とゴルフ中継さながらの叫びが入ります。

 そして、石橋貴明さんはゴルフ界のレジェンド・青木功さんを模した「世界のAO木さん」として、ターゲットのリアクションなどについて、解説者のスタンスでコメント。「イーグル」「バーディー」などゴルフワードを使って評価・評論していくわけです。

 このゴルフのパッケージングによって、本来は退屈に感じてしまう「企画のルール説明」「落とし穴の詳細説明」「ターゲットの紹介」「落ちた後のターゲットとのやりとり」なども、楽しく見ることが出来てしまうんです。

「全落オープン」は、落とし穴に落ちる瞬間以外の部分も、隅から隅まで面白くて楽しい。言うなれば「一分の隙もない面白さ」といったところ。

 このように、企画の中身は同じでもパッケージングによってテレビ番組の面白さは大きく変わってきます。設定・世界観・ナレーション・出演者の衣装などなど、テレビマンの創意工夫に目を凝らして番組を見ていただければ、また1つ違った見方が出来るかもしれません。それでは今日はこの辺で。

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