【漫画】もしもオタクが「時をとめられる」ようになったら? オタ活×超能力の創作漫画がヤバい

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2022年10月20日 07:01  リアルサウンド

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 好きな漫画やアニメを鑑賞している際、興奮から思わず「待って」と繰り返し口ずさんでしまう人は少ないはず。上記がくせになっている女性が超能力に目覚める短編漫画『時をとめるオタク』が2022年10月にTwitterで公開され、共感やツッコミの声など多くの反響を呼んでいる。


短編漫画『時をとめるオタク』を読む


 作者の矢尾いっちょさん(@1203Yao)は山奥にある農村で暮らしながらSNSに漫画を投稿し続けている人物だ。本作を創作したきっかけ、田舎で創作をするなかで感じることなど、話を聞いた。(あんどうまこと)


ーー怒涛の勢いで展開していく物語のなかで共感や笑いを覚えた作品でした。創作のきっかけを教えてください。


矢尾いっちょ:僕や友人はいい作品に出会ったとき「ちょっと待って」というタイプで……。実際に「待って」という友人もいますし、SNSで作品に関する新しい情報が出た際に「待って」と投稿される様子も多く目にしてきました(笑)。皆よく人を待たせるなと思いつつ、そのツッコミとして「じゃあ本当に時間が止まったらどうなるんだろう」と思い本作を創作しました。


 本来は前編(主人公が火事の現場で男の子を救うまで)で完結する予定だったのですが、前編を描いている途中から爆弾をつかうオタクの友達といったアイデアが思い浮かび、じゃあこれも描いてみようと思い後編部分も描きましたね。


ーー本作を描くなかで印象に残っていることは?


矢尾いっちょ:最初は“時を止める”というネタから笑える作品を描ければと思っていたのですが、最終的には好きな作品のおかげで世界を救えたり、行動を起こすきっかけになったりなど、僕が思っているよりもポジティブに捉えられるような結末になったと感じています。


 好きなことに夢中な学生時代を過ごし、皆から見たら綺麗には映らない青春かもしれないけれど、自分にとっては楽しい青春だった。そんな“オタクだから楽しかったぜ”というところを描けたのはうれしい誤算であり、この話を描けてよかったと思いました。


ーー普段SNSで投稿しているシリーズものの作品と比べ、短編作品である本作を創作することに対する意識や印象の違いはありましたか?


矢尾いっちょ:シリーズものの作品は最終的にインパクトのある作品にするため、1話ずつストーリーを積み上げていくかたちで描いています。ただ短編作品の本作はとにかく冒頭をインパクトのあるものにすることを意識しました。


 冒頭をインパクトのあるものにするために“失敗しても大丈夫“という気持ちで自由に描いたので、創作の勉強として楽しく描けたかなと思っています。


ーー漫画を描きはじめたきっかけを教えてください。


矢尾いっちょ:中学生のころから漫画家になりたいと思っていました。もともと勉強が得意ではなく、授業中に落書きをしているような生徒でした。落書きばかりしているような自分を生かせる仕事に就ければいいなと思い、漫画家を目指すようになったのだと思います。


 本格的に漫画を描きはじめたのは高校3年生からで、当時は商業誌の掲載を目指して漫画を投稿することが多かったです。ただ商業誌に掲載されるまでの過程でむずかしさを感じ、創作に対するストレスが溜まり漫画を描くことが嫌いになってしまうかもしれないとつよく思いました。


 そのためSNSで自分と読者をストレートに結びつけることで作品をたくさん見てもらえる機会をつくろうと思い、Twitterなどで漫画を投稿するようになりました。


ー−現在は山間部で暮らしながら漫画を執筆していると伺いました。田舎に暮らしながら創作活動をするなかで感じることは?


矢尾いっちょ:田舎だとお金をあまり使わずに生活できると感じますね。ご近所さんからお野菜を頂いたりするので食費は減りますし、都市部と比べ家賃も安く、井戸水を利用しているため水道代はかかりません。


 現在は創作で十分なお金を生むことがむずかしい状況ではありますが、アルバイトで最低限のお金を得ることができれば生活することができ、多くの時間を創作活動に充てることができています。


 ご近所さんも僕が漫画を描いていることを親身になって応援してくださる方が多いこともありがたいです。創作活動だけに向き合っていると心がへし折れそうになることもありますが、そんなときに人と会話できる機会があることは大きな価値があることだと思っています。


ーー今後の活動について教えてください。


矢尾いっちょ:始めたからには結果が出るまで創作活動をつづけたいと思っているので、今後もSNSでの投稿を中心に多くの作品を描いていきたいと思います。自分の中にある“漫画が好きだ”という気持ちを裏切らないように、これからも創作活動をつづけていきたいです。


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