アキュラ、新型LMDhのエンジンやソフトウェアをアップデート。IMSA公認テストで「多くの発見」

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2022年12月09日 14:21  AUTOSPORT web

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メイヤー・シャンク・レーシング(MSR)の60号車アキュラARX-06と、ウェイン・テイラー・レーシング(WTR)の10号車アキュラARX-06
 ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(HPD)副社長のケルビン・フーによると、アキュラは今週デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われたIMSA公認テストで、アキュラARX-06のエンジンとソフトウェア関連のアップデートに取り組んだという。同氏は新型LMDhカーについて「まだ多くの発見がある」と語った。

 ウェイン・テイラー・レーシング(WTR)と2022年IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権DPiチャンピオンとなったメイヤー・シャンク・レーシング(MSR)は、12月6〜7日に行われたテストの両日とも、非公式ながらタイムシートのトップ2を独占した。

 しかし、今回の合同テストではペースは焦点ではなかった。フーはIMSA公認テストを前に先週末行われたNCMモータースポーツ・パークでのシェイクダウンの中で、最新のアップデートが入ったことを確認した。

「我々は多くの良い仕事をしてきたが、信頼性の問題の多くを解決するところまで来ている」とSportscar365に語ったフー。

「しかし今でも、これは最終的なホモロゲーション仕様のエンジンだが、再生可能燃料のために新しいパーツが組み込まれた。従来の燃料と性能が異なるため、その変更をしなければならなかったんだ」

「これまで(エタノールを20%配合する)E20で多くの作業を行ってきたが、(2023年のGTPクラスで使用される新燃料の)R80が登場したときに、その特性の違いに気がついた。この変化に対応するためエンジンのハードウェアを変更する必要があった」

「私たちはそれに喜んで対応した。我々はサステイナブルで社会的な意識を持っていたいのだ。IMSAとVP(レーシング・フューエルズ)がそれをやってくれ、私たちに(機会を)与えてくれた」

「まだ多くのソフトウェアの調整をしている。すごいことだよ。エンジンとMGUのコンビネーションだから、今はトルクカーブのコンピュータープログラムを走らせている。そこにはより柔軟性がある」

「マイナートラブルもあるが、それを解決するために解明しているところだ」

 アキュラにとって、GTPクラスのライバルメーカーであるポルシェとキャデラックは、ともにテスト走行距離が2万kmを超えるなど非常に多くのラップを重ねているが、フーは来月のIMSA開幕戦デイトナ24時間に向け、ホンダの北米ブランドがそのレベルに達していないことを認めた。

「現時点では、彼らのようなマイレージを持っていない」と同氏。

「このクルマについては、まだ多くのことを発見しているところだ。最終的にはパフォーマンスを発揮することができるだろう。だが、ロア(開幕前週に実施されるIMSA公式テスト)の前でも未知数な部分が多いと考えている」

「ポルシェは走行距離が長く、これは信頼性の観点から見ると重要な面だ」

「私たちのクルマは正常に機能する。それが24時間にわたって完全に動作することを確認する必要がある。それが大きな問題になるだろう」

■オレカ07やARX-05の発展形ではない新型マシン

 アキュラは、LMDhフォーミュラに移行したふたつのDPiメーカーのうちのひとつであるにもかかわらず、チャンピオンを獲得した先代マシンから引き継ぐものはなく、ARX-06は完全に白紙の状態から設計がスタートした。

 MSRチームの共同オーナーであるマイク・シャンク氏が絶賛する新開発の2.4リットル・ツインターボV6エンジンもそのひとつだ。

 フーは次のように付け加えた。「DPiは(ベースとなった)オレカ07が発売されてから1、2年経っていたのでよかった。我々は2年目を迎えた。その時点で、私たちは非常に強固なプラットフォームを構築した」

「多くのものが打ち消され、07の発展性を見ることはなかった。いま、オレカではLMP2カーと呼ばれるものが開発されており、それを見ているところだ。我々はその開発プロセスの一部なんだ」

「それはクールだが、非常に多くの仕事がある」

「サスペンションもまったく違うコンセプトだし、エンジンも(ARX-05と比較して)白紙からのデザインだった。オレカ07からGTPカーに引き継がれたものはひとつもないんだ」

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