IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権でBMW MチームRLLが走らせている24号車BMW MハイブリッドV8 チームWRTは、2024年のWEC世界耐久選手権・ハイパーカークラスでのファクトリープログラムに先立ち、LMDh規定車『BMW MハイブリッドV8』の初テストに向けて準備を進めている。
今季2023年より、長年のパートナーだったアウディと袂を分かちBMW陣営に入ったチームWRT。ベルギーのチームは、今後2カ月以内にドイツメーカーのダラーラ社製LMDhマシンでのテストを開始する。この作業は2台体制で活動しているWEC・LMP2プログラムと並行して行われる予定だ。
先週アメリカ・フロリダ州のセブリングで行われたシリーズの開幕戦で、チーム代表のヴァンサン・ボッセは、WRTはまもなくLMDhマシンの組み立てを開始するとSportscar365に語った。
ボッセによると、作業はBMW Mモータースポーツの協力のもと、ミュンヘンのヘッドクォーターで行われているという。
ハイパーカー・プログラムの準備は、同チームがBMW MチームRLLとして活動するファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパのテストとも並行作業となる。なお、WRTはすでにIGTCインターコンチネンタルGTチャレンジなど他のGTプログラムで『BMW M4 GT3』を走らせている。
「LMDhのテストプログラムは5月から開始する予定だ」とボッセは語った。
「テストの回数や、どのようにしなければならないかというレギュレーションがある。私たちはいくつかのテストについて計画を持っている」
「BMWは、彼らがやりたいと思ったときにそれをシェアするだろうし、いつどこでやるかは言えない。しかし、私たちは準備のために充分なテストを実施するつもりだ」
「WECのキャンペーンも同時に進行していることを考慮すると、これ以上はできないだろう。だが、準備を整えるには充分だと考えている」
2022年11月にボッセがSportscar365に対し、2023年の「第2四半期」にマシンをロールアウトすることを目指すと語ったことを考えると、WRTによるLMDhのテスト計画は予定どおりに組み立てられていることになる。
昨年のWECキャンペーン終了後、WRTはプロトタイプ・プログラムのスタッフの一部をアメリカに派遣。BMW MチームRLLとともに働き、WECに焦点を当てたテストを開始する前に車両についてある程度の理解を得ることにした。
IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権でGTPプログラムを行うチームRLLは、1月のデイトナ24時間レースでBMW MハイブリッドV8をデビューさせ、先週末のセブリング12時間で初のGTPクラス表彰台を獲得した。
LMDhカーのテストはヨーロッパで始まり、2022年8月にイタリア、バラーノで最初のシェイクダウンが行われたが、BMWは夏以降ウェザーテック・スポーツカー選手権のシーズンに向けた準備に集中するため、開発拠点を北米に移動させた。
「(WEC最終戦)バーレーンが終わったとき、我々のスタッフの何人かはアメリカにいた」とボッセは説明した。
「BMW MチームRLLをサポートするために、LMPチームから数名のチームメンバーがデイトナに行っていて、デイトナ24時間の準備をしていた」
「わたしたちは、たくさんのミーティングを行った。もちろん、未知の世界に飛び込むわけではないが、それは我々にとって重要なことであり、新しいプログラムに適応する必要がある」