カメレオン俳優の前田公輝、『きみセカ』Season4は「ここ最近の集大成に」

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2023年03月25日 09:00  ORICON NEWS

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『君と世界が終わる日に』Season4に下村海斗役で出演している前田公輝 (C)ORICON NewS inc.
 「HiGH&LOW」シリーズや連続テレビ小説『ちむどんどん』(NHK)での好演も記憶に新しい前田公輝。同一人物が演じているとは思えないほど、演じる役柄によって雰囲気をガラリと変えるカメレオン俳優の前田が、Huluオリジナル『君と世界が終わる日に』Season4に下村海斗(しもむら・かいと)役で初参加。「これまで自分がやってきたものを総動員しないとできないかもしれないキャラクター、ここ最近の集大成になると思っている」と、やりがいを感じているようだ。

【動画】『君と世界が終わる日に』Season4・第2話PR映像

 6歳で芸能界デビューをし、子役としてNHKの『さわやか3組』(2001年)、『天才てれびくんMAX』(03〜06年)に出演。その後も、ドラマや映画、舞台で活躍してきた前田。近年、特に注目を集めることになったのは、「HiGH&LOW」シリーズの轟役。ドラマ『HiGH&LOW』シーズン2(16年)から登場し、美しすぎるインテリ眼鏡不良キャラが人気だ。

 一方で、BS時代劇『赤ひげ』(NHK)に、小石川養生所の医師・津川玄三役でシーズン1からシーズン4までレギュラー出演(17年、19年、20年、22年)。シーズンを重ねるごとに、津川にフォーカスが当たることが増え、シーズン3では初めてサブタイトルに役名が入った回も。

 『ちむどんどん』ではヒロイン・比嘉暢子(黒島結菜)たち四兄妹の幼なじみで、子どもの頃から家業の豆腐屋を手伝い、自分の目標をしっかり持ち、恋をして、プロポーズを断られても、また恋をして、前向きに生きる砂川智役を全力で演じた。

 『君と世界が終わる日に』は、ゴーレムと呼ばれるゾンビが蔓延る“終末世界”を舞台に、竹内涼真演じる主人公・間宮響と仲間たちが生き残りを懸けた闘いに身を投じる、極限のゾンビサバイバル。Season3でともに闘った仲間と最愛の人を亡くし、愛しい我が子・ミライまでもが奪われた響。ミライを探して荒廃した世界を彷徨い続けた響はついに倒れてしまう。助けたのは、新山財団会長の娘・新山明日葉(玉城ティナ)。彼女は、閉鎖された刑務所を拠点におり、そこにはゴーレムウィルスが蔓延する前から捕まっていた囚人たちが、収容されていた。

 前田が演じるのは囚人の一人で、冷淡で狡猾な元詐欺師、下村海斗。同じく囚人で元殺人犯の陸斗(姜暢雄)という兄がいる。

 「『赤ひげ』の津川は空気を読むことに長けていて、それゆえに正面から事実を受け入れようとしないちょっと曲がった性格だけど、『きみセカ』の海斗は空気を読んでその時々で最適な選択ができるキャラクター。『HiGH&LOW』の轟は、初登場から映画『HiGH&LOW THE WORST X』(22年)まで、割と時間をかけてゆっくり成長していったけれど、その経験を凝縮させて、海斗の成長を短期間で演じなければいけないと思っています。『ちむどんどん』でずっと恋愛していた経験も生かせそうなんです。撮影では、アドリブも入れながら現場で海斗の人物像がどんどん膨らんでいるのを感じています。また、僕にも兄がいるので、海斗の兄に対する思い、そばにいてくれるだけで安心する感覚は海斗も一緒だろうな、と思いました」。

 以前から『きみセカ』を観ていたという前田は、ゴーレムの特殊メイクを目の当たりにして大興奮。「全く匂いはしないのですが、腐敗臭が漂ってくるような気持ち悪さ」を感じて、ますます撮影に気合が入ったそう。さらに、今回はある出来事をきっかけに、互いに奪い、騙し、殺し合うよう無慈悲で凄惨な人間同士のバトルロイヤルに発展していく。なんと、総勢39人のレギュラーキャストが出演。そのほとんどが初参加のキャストなので、前田もアウェー感なく、「きみセカ」チームになじめたという。

 「竹内さんの提案でキャストが集まって本読みをしたおかげで、スムーズに撮影に入ることができました。撮影現場でも、竹内さんがずっと一緒に撮影しているような空気感を作ってくれて、ありがたかったです。明日葉率いるコミュニティ側も囚人側も、カメラが回っていない時は和気あいあいと楽しく撮影しています」

 最後に、Season4の見どころを聞いた。

 「数々の死闘が繰り広げられてきた『きみセカ』シリーズですが、これまでは響が来美(中条あやみ)と再会するためにゴーレムに立ち向かう姿が魅力的で、非現実的なところが良さでもあったと思うのですが、Season4はいままでどおり日常とは切り離して見ることもできるし、それ以上に人間にフォーカスを当てていて、現実の世界とリンクする瞬間がいくつもあると思います。

 今は、本当に多様化の時代で、いろんな選択肢がある分、あれもいいな、これもいいなと、迷ってしまうし、こっちにしておけばよかった、と後悔することもあると思う。だからこそ、自分自身を信じるしかないことも多くて、信じることができる人ほど強い。自分で自分をどこまで信じることができるか、と問われているようなメッセージを僕は感じました」

撮影:吉原朱美
ヘアメイク:松田蓉子
スタイリスト:立山功
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