アニメ飽和時代に思いを明かした梶裕貴 (C)ORICON NewS inc. 声優の梶裕貴が27日、都内で行われた映画『かがみの孤城』×『ハケンアニメ!』コラボトークイベントに登場。原恵一監督、吉野耕平監督、原作者の辻村深月氏とともに、2作品への思いを語り合った。
【集合カット】原恵一監督、吉野耕平監督、辻村深月らもイベントに登場! 同イベントは、第46回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞した『かがみの孤城』を手がける原監督、そして同じく優秀作品賞を受賞した『ハケンアニメ!』吉野監督に加え、両作品の原作者の辻村氏、『かがみの孤城』では恋愛気質で惚れっぽくマイペースな中学生・ウレシノ役を演じ、『ハケンアニメ!』では劇中アニメの声優に加えて実写パートにも出演した梶裕貴がそろった一夜限りのトークイベント。
声優として数多くのアニメ作品に関わる梶は「アニメがたくさんの本数、制作されることがどこか当たり前となっている時代だからこそ、1本のアニメを作る本当の労力や価値の重みがわかりにくくなっている」と語気を強める。
『ハケンアニメ!』では、アニメを制作するスタッフたちを描いた実写映画だが、「そんなタイミングで『ハケンアニメ!』という作品を通して、1つ1つの作品ができるまでの大変さを感じてもらえたっていうのは、僕も本当に改めて身が引き締まる思いでしたし、すばらしい作品だったなと感じます」とアニメに携わる者としての感想を語った。
長年アニメ業界を担ってきた原監督は「現在はアニメのクオリティーについては日本が世界一」と言いつつも「みんなこんな時代が来るなんて思っていなかった」と振り返る。数十年前のアニメ業界は「映像としては実写に比べると“子ども向け”と低く見られていたし、同業者からもバカにされていた。私はそういう作品に劣るとは思っていなかったし、子ども向けと思っているやつは馬鹿だと思っていた。実際にそんな時代が来てすごい不思議な気持ちです。もうちょっと若いときにそういう時期を迎えたかった(笑)」と笑いを交えつつアニメ業界の変化を語っていた。