『立川立飛eスポーツフェス』開催までの舞台裏 - コロナ禍を乗り越え2000人が集結

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2023年03月31日 18:02  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
立飛ホールディングスとNTT東日本グループは2022年11月20日、多摩エリア初の大規模eスポーツイベント『立川立飛eスポーツフェス』を開催。立飛ホールディングスの開発新街区「GREEN SPRINGS」内の多機能ホール「TACHIKAWA STAGE GARDEN」で、若者を中心に人気のeスポーツのオフラインイベントが行われた。



多摩地域の魅力発信と同エリアにeスポーツ文化を根付かせるきっかけづくりを目的に、入場無料で実施された本イベント。その開催の背景を主催のNTT東日本と立飛ホールディングス、それぞれの担当者に聞いた。

○プロと来場者のミックスマッチも開催



eスポーツゲームの世界大会3位の実力を誇るチームなど複数のプロチームから、人気実力ともに日本を代表するトッププロ選手を招待し、選手によるエキシビションマッチが実施された『立川立飛eスポーツフェス』。



プロ選手によるトークセッションやファン交流会などリアルイベントならではの多彩なプログラムを用意した。プロ選手と抽選で選ばれた来場者がチームを結成して対戦する来場者参加ミックスマッチも開催された。



「立飛様とは2021年から地域企業との交流でeスポーツイベントを定期的に開催するなど、立川にeスポーツ文化を根付かせる取り組みにチャレンジしてきたのですが、一般のお客様向けに開催したのは今回が初めてになります」とは、NTT東日本 東京西支店・萩野岳士氏。



事前申し込みによる抽選で選ばれた来場者たちだが、2000席の会場に7000人以上からの応募が来たという。もちろん無料イベントであることも一因のようだが、eスポーツのポテンシャルと人気の高さがうかがえた。


JR中央線立川駅は一日平均乗車人員が16万人以上。近隣に大学なども多く、もともと立川は学生など若者が多い街だが、来場者のなかでも目立っていたのが若い女性の多さだ。



「もともと立飛様とeスポーツのプロジェクトを立ち上げた際は、若者に注目され、若者が集まる活気溢れる街づくりをしたいというお話をいただきました。それがeスポーツというコンテンツをご提案した背景にもなっているんですが、今日こうして10〜30代のお客様に大勢集まっていただき、我々が思い描いてきた未来に近づいてきたのかなと感じています」(萩野氏)


屋内でのエキシビションマッチにあわせて、GREEN SPRINGS 芝生広場ではファミリー向けに入退場自由の「おそとでeスポーツ」を同時開催。立川にゆかりのある企業が8つのeスポーツ体験ブースを出展した。



こちらの屋外イベントでは、年齢や性別に関係なく人気のeスポーツやVR(仮想現実)バドミントンなどを楽しめ、各ブースを巡るスタンプラリーなども実施。さまざまなeスポーツをより気軽に体験できる場を提供した。

○eスポーツを新たな魅力の柱に



不動産を中核に幅広い事業を展開し、多摩地域の魅力向上の観点から自社が所有する複数の施設でバスケットボールや大相撲、テニスなどのフィジカルスポーツのイベントなども開催してきた立飛ホールディングス。近年、新たな地域活性化の取り組みとして着目したのがeスポーツの活用だったという。



NTT東日本、NTTe-Sports、立飛ホールディングスの3社は立川におけるeスポーツを通じた多摩地域の活性化に向けた連携協定を結び、多摩地域初のeスポーツプロジェクトが始動している。



「地域活性化の一環で、イベント開催など芸術・文化・スポーツに力を入れており、eスポーツもひとつの大切なトライだと認識しています。eスポーツの領域やICTの分野で強みを持つNTT東日本さんとNTTe-Sportsさん、「TACHIKAWA STAGE GARDEN」というアリーナを持つ弊社。3社の強みを出し合い、eスポーツイベントを実現を目指しています」(立飛ホールディングス・後藤孝輔氏)


以降、立飛ホールディングスは社内でのeスポーツプロジェクト推進体制の確立や保有施設を活用した各種取り組みを推進。本イベントに関しては2024年に創立100周年を迎える同社の記念事業にも位置づけている。



「今後創立100周年に向けて文化・芸術面でかなり大きなイベントを仕掛けようと考えています。着々と準備を進めている段階ですが、引き続きeスポーツのイベントにも力を入れていきたいです。コロナ禍などのさまざまな状況が許せば、毎年の恒例イベントにしていきたいと個人的には思っています」(後藤氏)


そんな『立川立飛eスポーツフェス』だが、協賛企業・協力企業として31社が参画。eスポーツイベントは有料イベントがほとんどだが、eスポーツイベントでは珍しい入場無料での実施に漕ぎ着けた。コロナ禍で立ち上がったイベントということで開催までの道のりは平坦なものではなかったようだ。



「企画自体は2年前からしていたわけですが、当時は東京2020オリンピックの無観客開催が決まったタイミングでした。このイベントはコロナ禍で1度延期していて、1年越しで今日の開催に至ったかたちです。時間はかかりましたが、そのぶん思い入れも強い。企画・運営からすべて立飛様と連携して準備してきたので、いろいろな苦労も共有しながらやってこられたのかなと思っています」(萩野氏)



NTT東日本グループは今後もeスポーツ事業のノウハウ、ネットワークやICT関連の先進技術を提供。立飛ホールディングスの保有施設を活かした大規模イベントの開催などにより、同地での先進的なeスポーツ文化を醸成していくという。



「eスポーツの地域を盛り上げる力という意味では、今回のイベントを通じてひとつ実績が残せたと思っているので、立飛様と一緒にこのeスポーツプロジェクトを進めていきたいですね。今回の成功を受け、2023年11月にもイベントを開催したいと考えています。また楽しいeスポーツ大会を開催して、みなさんに喜んでいただける機会をご提供できれば嬉しく思います」(萩野氏)



伊藤綾 いとうりょう 1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催 @tsuitachiii この著者の記事一覧はこちら(伊藤綾)

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