志田未来、母からの「初心を忘れるな」が役者としての軸に【連載PERSON】

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2023年05月04日 09:11  TVerプラス

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人生に影響を与えたテレビ番組を軸に、出演作品の話題からその人のパーソナルな部分にも迫るインタビュー連載「PERSON〜人生を変えたテレビ番組」。今回は、ドラマ『勝利の法廷式』(読売テレビ・日本テレビ系、毎週木曜23:59〜)で主演を務めている志田未来さんです。

本作の主人公は、子役時代に培った演技力を持つも、親友を冤罪で殺人犯にしてしまい、法曹界から姿を消した弁護士・神楽蘭(志田さん)。1年後、蘭と同姓同名のリーガルエッセイがネット上に掲載され、“敗けを知らない敏腕弁護士”として祭り上げられていました。そんな蘭の前に現れたエッセイの筆者は、謎の天才脚本家・黒澤仁(風間俊介さん)。蘭は親友の冤罪を晴らすため、黒澤が書く台本の力を借り、弁護士活動を再開することになります。

“元子役”という役柄を演じる志田さんご自身も、幼少期から数多くの作品で活躍。12歳の時に出演した天海祐希さん主演の『女王の教室』で才能を見せつけました。14歳で連続ドラマ初主演作となった『14歳の母』では、「第44回ギャラクシー賞」の奨励賞を受賞したことも。

その経歴もあり、今回演じる蘭に対し「私が演じることで、蘭の発言や行動が視聴者の皆さんにスッと入っていったら良いなと思っています」という志田さん。そんな志田さんに影響を与えた番組を聞くと、意外な答えが返ってきました。

共演3度目の風間俊介の存在は「心強い」

――台本を読んだ際の感想、また演じる神楽蘭の印象を聞かせてください。

親友を冤罪で殺人犯にしてしまったという過去のトラウマを持ちながらも、しっかりと前を向いて自分のやるベきことを理解して突き進んでいく姿がすごく素敵な女性だと思いました。またドラマの内容も、台本を書いてもらって法廷に立つという今までにない斬新なストーリーだと思い、映像化されたときにどうなるんだろうとワクワクしました。

――元子役である志田さんが“元子役”という役柄を演じることも、ストーリーによりワクワク感をプラスしていますよね。

そう言ってもらえて嬉しいです……! 私が演じることで、蘭の発言や行動が視聴者の皆さんにスッと入っていったら良いなと思っています。

――第一報のコメントで、志田さんは蘭について「通ずるものがある」と語っていました。“元子役”という点以外に何か共通点はありますか?

蘭は依頼者に共感し過ぎてしまう子なのですが、私も最近テレビを見たり本を読んだりしていると、すごく心が揺さぶられてしまうようになりました。気づいたら泣いたり笑ったりしているので、その点が共通していると思います。

――これまではあまり感情が揺れることはなかったのですか?

そうですね……。やはり年齢を重ねて、最近になって心が揺れやすくなったなと感じるようになりました(笑)。

――バディを組む黒澤仁役・風間俊介さんとは3度目の共演となります。風間さんの印象を教えてください。

もう3度目の共演になりますが、風間さんがいてくれると本当に心強いです! お芝居もそうですが、現場でちょっと皆さんが疲れてきて空気が重くなると、その空気をパッと明るく変えてくださるんです。風間さんとの現場はすごく楽しい。今作ではバディ役ということで、頼もしい相棒が出来たなと思いました(笑)。

――そんな風間さんが演じる黒澤は、無愛想でコミュニケーションをとることが苦手なキャラクター。志田さんは、黒澤と風間さんは「180度違う」とコメントされていましたが、風間さんが演じることによって黒澤が魅力的になった部分はありますか?

黒澤はただ不愛想で冷たい人だという印象を持ちがちなのですが、風間さんが演じることで「きっと過去に何かあったんだ」ということを匂わせ、役に深みが出ているように感じます。抱えているものや寂しさが、目のお芝居一つで伝わって来るんです。台本を読んだだけではわからなかった黒澤の想いを、現場で感じることができました。

――では、今作で初共演となる、後輩弁護士・流川蒼役の高橋優斗さん(HiHi Jets/※「高」ははしごだか)の印象は?

アイドルとして活動されている姿をテレビで見ていたので、キラキラした方なのかと思いきや……意外とそうでもなかったです(笑)。もちろんコンサートなどではキラキラしていると思うのですが、現場ではしっかり役と向き合っている努力家な一面を見ることが多かったです。

高橋さんご自身は懐に入るのがすごくお上手で、人見知りな私でも、高橋さんとはお話しやすかったです。年齢差を感じさせないフランクな方。本作では緊張感のあるシーンが多かったのですが、良い意味で緊張感を解してくれる存在でした。

――風間さんと高橋さんがいたら、現場が楽しそうですね。

すごく楽しいです! だからこそ、1人のシーンがすごく寂しくて。「早く風間さんと高橋さんと撮影したいな」と思って、1人のシーンも頑張りました(笑)。

――毎話ごとに豪華ゲストが出演するのも本作の魅力。特に印象に残っている方はいらっしゃいますか?

2話でご一緒した泉澤祐希さん(速水政樹役)。彼は本当にすごい方だと思っています。昨年『いぶり暮らし』で共演させて頂いたのですが、彼のお芝居を近くで見ていると、本当に役がその場に生きているかのような感覚を味わえるんです。今回も泉澤さんのそのお芝居の持ち味が出ていて、法廷のシーンは印象に残りました。

作品作りの大切さ、現場での在り方を教えた作品とは

――ここからは、志田さんとテレビとの関わりについてお聞きしたいです。志田さんに影響を与えた作品はありますか?

TVアニメ『ラブライブ!』です!

――意外なタイトルが出て来て驚きました。志田さんが業界に入ってからの作品ですね。

6歳の頃からこのお仕事をしているのですが、あまりその頃の記憶がなくて。また、ガムシャラにお仕事を頑張ってきたこともあって、特に影響を受けた作品というのも思いつかないんです。そんな中でも、『ラブライブ!』には本当に衝撃を受けました。

――『ラブライブ!』のどんなところに影響を受けたのですか?

1人ではできないことでも、仲間と一緒ならやり遂げられるということ。何もないところからみんなで一緒に1つのものを作り上げていく姿を見て「ドラマ作りも同じだ!」と思ったんです。また、キャラクター一人ひとりが個性的で、キャラが立っていることにも「自分のキャラを大事にしなければ」と思わされました。私は本当に人見知りで、現場でもあまり皆さんとお話できないのですが、「ちゃんと愛嬌を持って、自分らしさを出していかなきゃダメだ!」と教えてもらえた作品でした。

――ちなみに、推しキャラはいますか?

矢澤にこちゃん。裏表が激しい性格なのですが、アイドルになるという強い気持ちがあって、いろいろなものを犠牲にしながら突き進んでいく姿がかっこよくて大好きです!

――では、今よく見ている番組はありますか?

『水曜日のダウンタウン』です。もう、本当に大好き! 毎週録画して、欠かさず見ています。嫌なことを全て忘れられるし、心の底から大笑いできるので、私のストレス発散になっています。

――お気に入りの企画は?

「身代わり数珠つなぎカラオケ」(※千葉の山奥に設置されたカラオケボックスに閉じ込められた人物が、連絡先を知る芸能人を呼び出してカラオケを歌わせ、その点数が自分の点数を上回れば、相手を身代わりに脱出することができる)ですね。人を陥れようとする時、人はあんな表情になるんだなって(笑)。すごく勉強になります。

――役者として大切にしている軸、信念、言葉などがあれば教えてください。

母からよく言われていた「初心を忘れるな」という言葉です。今は指名していただいて作品に出ることもありますが、小さい頃はオーディションに受からないと作品に出られませんでした。作品へ出演できることへの感謝の気持ちを忘れずに、自分にできることを100%以上出せるようにしています。

――最後に視聴者へのメッセージをお願いします。

後半になるにつれ、蘭の冤罪事件と黒澤さんの過去が1つの軸に繋がっていきます。どんどん見ごたえのある作品になっていくので、楽しみにしていてください。視聴者の皆さんが必ず満足できる作品になっていると思います。

取材・文・写真:米田果織
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