ニッサンZ・レーシングコンセプトがトラブルなく富士24時間を完走。CNFや空力パーツのデータを収集

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2023年05月29日 19:00  AUTOSPORT web

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2023スーパー耐久第2戦富士 ニッサンZ・レーシングコンセプトは総合8位、ST-Qトップでフィニッシュ
 5月26〜28日に静岡県の富士スピードウェイで開催されたENEOS スーパー耐久シリーズ2023第2戦『NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース』。この一戦にニッサン/日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)が投入した『Nissan Z Racing Concept(ニッサンZ・レーシングコンセプト)』は、ほぼトラブルフリーで24時間レースを完走、多くのデータを収集することができたようだ。

 ニッサン/NMCが2023年の富士24時間ST-Qクラスに投入したニッサンZ・レーシングコンセプトは、今季正式デビューを果たしたニッサンZ GT4をベースに、空力や冷却系パーツの改良および、「CNFの知見をさらに深める」ことを目指し、燃料にカーボンニュートラルフューエル(CNF)を使用したマシンだ。

 そんなニッサン・Zレーシングコンセプトは今年の富士24時間で専有走行から順調な走り出しをみせ、26日の予選では総合8番手タイムで、GT4規定車両が使用されるST-Zクラスの車両を上回る走りを披露する。さらに27日15時にスタートが切られた決勝では、夜間走行中にスローパンクチャーに見舞われる場面こそあったものの、ほぼノートラブルで24時間レースを走破。685周を走行し総合8位、ST-Qトップでデビュー戦を終えている。

 レース後、NMC取締役副社長かつスーパーGTニッサン系チーム総監督、今回の富士24時間でも監督を務める松村基宏氏は、「CNF燃料については、燃費についてもう少し改善したほうがいい部分もありますけど、セッティングについては将来に向けてのデータを24時間分まるまると採ることができました」とレースを振り返った。

「今回のデータはレース以外でも、例えば将来、市販車にも普通にCNFを使用する時代がきたとき、CNFを使うことでどんな影響があり、何か起こったときにどのように対処できるかを研究することができるので、そういった部分について非常に役に立つのではないかと思っています」

 また、4月に行われた公式テストでは詳細について明かされることがなかったマシンについては「どのカテゴリー用ということは明確にしていません。市販車のチューニングパーツや、Zをどのようにモータースポーツで活用していくかを確認するためのコンセプトカーですね」と語った松村監督。

 具体的には、デリバリーが開始されたZ GT4をベースに冷却方式を変更し、さらにフロントおよびリヤの空力パーツ形状を変更してのバランス取り、サスペンションについても見直しが行われているとのこと。なお、CNFについては昨年同レースに参戦した230号車と同じものが使用されている。

 松村監督は「将来活用することができそうなパーツを調べ、そのパーツを実際にレースに投入することで、どのくらいのポテンシャルがあるかを確認するために参戦しました」と語り、パーツ類については「そのまま世に出るものではありませんが、今後期待してもらってもいいかなと思います」と、今回投入されたパーツの登場を示唆した。

 また、昨年と同じく230号車ニッサンZ・レーシングコンセプトのステアリングを握った平手晃平は「昨年と比べるとポテンシャルがすごく高くなりました」と満足した様子。「開発が進んでいることもあり、今年はトラブルなく24時間を走り切ることができたので、すごくいいデータを収穫することができたと思います」

 そして平手同様に昨年の230号車から継続してドライバーを務めた松田次生も「昨年参戦したときにはエンジントラブルもありましたが、今年は何も起こらず、すごく調子が良かったです。レース中もまったく問題なく走行できたので、収穫できたことはすごく多いです」と笑顔をみせた。

 今回参戦したニッサンZ・レーシングコンセプトは確認用のコンセプトカーということだが、速さや耐久性については非常に完成度が高い。将来的なCNFの活用データおよび、Z GT4や市販車用パーツの登場も期待され、注目度も高いマシンであることは間違いないだろう。

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