「めちゃくちゃ楽しい!」「貴重な思い出」「8時間だったら完璧」牧野、柳田、マーデンボローが感じた富士24時間

0

2023年06月01日 16:10  AUTOSPORT web

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AUTOSPORT web

2023スーパー耐久第2戦富士 牧野任祐(SUN'S TECHNO AudiR8LMS GT4)
 2023年でシリーズ6度目の開催となったENEOS スーパー耐久シリーズ第2戦『NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース』。今年も多くのドライバーが助っ人としてスポット参戦を行い、例年以上に豪華な顔ぶれが揃っていた印象があった。なかには初めてスーパー耐久のレースを経験するドライバーも多く、改めて“それぞれの富士24時間レース”を聞いてみた。

■「純粋にレースを楽しめました。来年もぜひ参加したい」牧野任祐
 今回、ST-ZクラスのSUN'S TECHNO AudiR8LMS GT4から助っ人エントリーしたのが牧野任祐だ。普段はスーパーGTや全日本スーパーフォーミュラ選手権でホンダ・レーシング(HRC)のドライバーとして活躍している牧野。富士24時間ではアウディのGT4マシンに乗ることはもちろん、スーパー耐久に参戦するのも初めてだった。しかし、すっかり“お祭り”のような雰囲気が定着している大会を気に入っていた。

「スーパー耐久に参戦すること自体が初めてなんですけど、めちゃくちゃ楽しかったです!」と牧野。

「僕はスーパー耐久のレース会場に来ること自体がほぼ初めてです。24時間レースなので特別な雰囲気になっている部分もあると思いますけど、レースだけではなく、いろいろなアクティビティやイベントがありますし、こんなに楽しいとは正直思っていなかったのでビックリしています」と、他のレースとは違ったお祭り的な雰囲気に気に入っている様子だ。

「正直、あまり寝ていなくて身体はしんどいですけど、1年に1回ですし、自分にはなかなかない経験ですからね。純粋にレースを楽しめたなと思っています」

 もちろん牧野にとって、8クラス52台という多くのマシンと混走するのは初めてのこと。「GT4車両がこんな感じだと思っていなかったですし、スーパー耐久はいろいろなクルマが走っていて、速度差がかなりあるので若干危ないと思うときもありますけど、それもそれでスーパー耐久の良さでもあると思うので、いいのではないかなと思います」と、新たな経験すべてを楽しんでいた様子がこちらにも伝わってきた。

 少し気が早いかもしれないが、来年の富士24時間について聞くと「(来年もオファーを受けたら)面白いのでぜひ参加したいです。レースに参加しないにしても、この会場に来て楽しむことができるのかなと思います」と、かなり前向きなコメントをしていた。

■「自分にとっても貴重な思い出に残るレースになりました」柳田真孝
 今季はTEAM ZEROONEのアドバイザーを務めながら、富士24時間レースではドライバーとして26号車のraffinee 日産メカニックチャレンジZ GT4をドライブした柳田真孝。過去にも十勝24時間レースの参戦をはじめ、富士24時間も参戦経験を持っているが、今年の24時間レース参戦は少し違う想いがあったようだ。

「以前からGT4のZに乗ってみたいという想いもあったので、今回レースで乗ることができてすごく嬉しかったです。レース中にしっかりと乗った時間は夜間の1スティントだけでしたけど、そこまで富田(竜一郎)選手をはじめ、みんなが頑張ってくれました。そのおかげでしっかりとレースをすることができたので面白かったです」と柳田。

「スーパー耐久は十勝24時間のころからZで参戦させてもらい、当時のミニカーを持ってきてくれた人も多くいましたし、“Zといえば柳田”と言ってくれることはありがたいです。今日もそのZでレースができたというのは、自分にとっても貴重な思い出に残るレースになりました」と、本人にとっても感慨深い瞬間だったようだ。

 ただ、肝心の結果という点では、同じTEAM ZEROONEからST-3クラスに参戦した25号車のraffinee日産メカニックチャレンジZを含め、アクシデントやトラブルに見舞われ苦しい結果となってしまった。その部分については、チームのアドバイザーとして課題を感じている様子だった。

「結果としては残念なものになってしまい、悔しい気持ちはあります。24時間レースの洗礼といいますか、接触やトラブルなど、ちょっとしたことで戦況がガラッと変わってしまい、改めてこのレースの難しさを感じました。TEAM ZEROONEには今年からアドバイザーという立場で関わらせてもらっていますが、全体マネジメントの部分も、すごく重要なんだなということを感じました」

「でも、今回はドライバーとして参戦し、チームメイトにも恵まれ、すごく良い環境で乗ることができたので楽しませてもらいました」

 チームとしても発展途上の段階にあるTEAM ZEROONE。今回の経験を糧に、さらに進化していく姿が見られそうだ。

■「富士8時間だったら完璧だった」トラブルでの脱落を悔やむマーデンボロー
 2023年の富士24時間に、HELM MOTORSPORTS GTR GT3から久しぶりに日本のレースに参戦したヤン・マーデンボロー。本人もこれだけ長丁場のレースに出るのは久しぶりだったが、どのスティントでもミスなく周回してチームに貢献していた。

 昨年覇者のHELM GTRは今年も連覇を目指すべく序盤から順調な走りをみせていたが、開始10時間を迎えたところでブレーキトラブルに見舞われて後退。最終的に総合4位という悔しい結果に終わった。

 レースを終えたマーデンボローは「もし、富士8時間耐久レースだったら完璧な内容だったんだけどね」と苦笑いをみせた。

「僕自身のパフォーマンスはうまく引き出せたと思う。トレーニングを含めた事前準備から、ドライビングやデータの分析など、自分自身のパフォーマンスをどこまで引き出せるかが重要ではあったけど、その部分はうまくいった」

「ただ、レースというのは膨大な要素が絡み合って、それらがすべてうまく噛み合わないと完璧な結果は得られない。僕自身もできる限りのことを100%やったけど、途中にブレーキトラブルが出てしまい、望んでいた結果は得られなかった。でも、そういったトラブルなどは僕たちではコントロールできることではないから……仕方ないと思う」

「とにかく、今回僕自身がスピードも安定性も発揮できて、チームに貢献できたことは良かった」とマーデンボロー。仕方のないトラブルだったと語りつつも、本心では割り切れていない様子が伺えた。

 それでも、初めて参戦した富士24時間レースは存分に楽しめた様子で、「スーパーGTでも走り慣れた富士で、きれいな花火も見ることができたし、夜中の3時にもかかわらずバーベキューの匂いもしたんだ。(料理をしていることで発生する)煙も見えて、早朝でもいろいろなところが賑わっていて……すごくクールだなと思ったし、良い体験ができたよ。改めて日本のモータースポーツファンの情熱を感じることができた」と、このレースならではの熱気を感じることができたという。

 久しぶりに日本のサーキットで勇姿を見せてくれたこともあり、現地でもマーデンボローへの注目度は高かった。なかには日本のモータースポーツ界への復帰を望む声もファンから聞こえてきている。

 そんな声についてマーデンボローは、「レースの予定については、現時点で今後のことは何も決まっていないけど、いろいろある選択肢のなかからベストなものを選びたいと思っているし、また日本のみんなに会えるようなフィールドでレースができればと思っている。本当に今の段階ではどうなるか分からないけどね」とコメントを残し、笑顔でサーキットを後にした。

    ランキングスポーツ

    前日のランキングへ

    ニュース設定