眞貝がクラス5位完走、ラリー2を駆る勝田は排気系トラブルでリタイア/全日本ラリー第5戦丹後

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2023年06月14日 07:40  AUTOSPORT web

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ギャラリーステージを駆け抜ける眞貝知志/安藤裕一組のGRヤリスGR4ラリーDAT 2023年JRC第5戦丹後
 6月9日(金)から11日(日)にかけて、京都府京丹後市を中心に開催されたJRC全日本ラリー選手権第5戦『YUHO RALLY TANGO supported by Nissin Mfg』において、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のGRヤリスGR4ラリーDATを駆る眞貝知志/安藤裕一組がJN1クラス5位で完走を果たした。一方、GRヤリスJP4ラリー2を駆って出場した勝田範彦/木村裕介組は初日3番手につけていたが、トラブルによってリタイアを余儀なくされている。

 TGRの2台のGRヤリスがデビューした第2戦新城から続いたターマック(舗装路)ラリー4連戦の最後を締めくくるラリー丹後は、全体的にスムーズな路面が特徴だ。ステージはどのSSでも高速から低速までバリエーションに富むコーナーが組み合わせられており、サスペンションのセッティングが鍵を握る一戦となっている。

 TGRチームは、勝田が2位となった前戦の久万高原ラリーから今大会までの約1カ月間のインターバルを利用し、過去3戦で得た舗装路での知見を踏まえた事前テストを実施。気温上昇を想定した熱対策や、ターマックの集大成となるセットアップを施してラリー丹後に臨んだ。

 10日(土)の競技初日、僅差の2番手争いを展開した勝田はSS4、SS5でセカンドベストタイムを記録する好走を見せる。しかし、3番手走行中であったSS5において排気系のトラブルが発生してしまう。続くSS6を走り切った勝田だったが、その日の最終サービスでトラブルの検証を行った結果、この日のレグを離脱することとなってしまった。

 さらに、翌日の再出走に向けて競技最終日の再車検は通過したものの、ふたたびトラブルが発生。チームはもう一度修復作業に取り組んで勝田を送り出したが、最終的にリタイアを決断する結果となった。

 一方、JN1クラス5番手で初日を終えた眞貝は、前日の夜に降り始めた雨によるウエットコンディションが残った最終日、SS8でクラス3番手タイムをマークしてクラス4番手に浮上する。しかし、表彰台圏内を狙った午後のセクションでは、急速に路面が乾くなかでペースを上げることが叶わず、クラス5位でのフィニッシュとなっている。

「エキゾーストマニホールドやターボの交換に関して、TGR-WRT側からも45分間での交換は難しいだろうと言われていました。作業を諦めるという選択肢もあるなか、それでもチャレンジさせてもらったことに感謝しています」と語ったのは、勝田のGRヤリスのメカニックを務めた濱田賢三氏だ。

 また、勝田のGRヤリスのエンジニアであるブノワ・ビダル氏は「重要なのは問題を再発させないこと。なぜ問題が発生したのかを理解し、それを解決することだ」と語る。

「開発途中のクルマなので、我々がまだ目にしていない事象が多くある。このクルマを世界に売り出す前にトラブルを把握することが重要なんだ」という氏のコメントにもあるように、この『GRヤリスJP4ラリー2』は将来的にラリー2マシンとして市販することが想定されている。こうした実戦でのトラブルの洗い出しや対策は、カスタマー供給に向けての重要な課題であり、現在のJRC参戦がまさに実戦テストの場であることを象徴している。

■勝田、眞貝、両ドライバーのラリー後コメント全文

●勝田範彦(GRヤリスJP4ラリー2/リタイア)
「トラブルによるリタイアという残念な結果となりましたが、さまざまな知見を持ち帰ることができました。また、チームにとっては初めての作業という、貴重な経験にもなっています」

「将来、このクルマが多くのユーザーによって使われることを考えると、私たちの使命は開発途上においてトラブルを洗い出すことです。もちろんひとりの選手としては結果に繋げられなかった悔しさもありますが、チーム全体のことを考えればポジティブな点もあったラリーと考えています。GRヤリスの開発を振り返ってもそうでしたが、さまざまなトラブルを解決して良い結果を目指していきたいです」

●眞貝知志(GRヤリスGR4ラリーDAT/JN1クラス5位)
「今回のラリー丹後をひとつのターゲットに、これまでDATや足まわりを仕上げてきましたが、1日目はドライ、2日目はドライからウエットに変化する難しいラリーとなりました」

「1日目は非常に気持ちよく走ることができたのですが、今ひとつタイムに反映されないという状況でした。このドライ路面でのペース不足についてはしっかりと分析し、両者を確実に結びつける必要があると考えています」

「最終日はウエット路面を契機に3位表彰台を射程に捉え、なんとか濡れた路面が残ってほしいとの思いから午後もウエットタイヤを継続使用したのですが、路面はドライに回復してしまっており、結果的にはミスチョイスとなってしまいました」

「次戦のラリーカムイではDATで走る初のグラベルラリーです。熱の問題、変速や制御など、どのような課題が出てくるのか、新たな挑戦を楽しみにしています」

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