日本初の本格公道レースが3月30日に東京で開催決定。FIAとフォーミュラEが来季暫定カレンダーを発表

　現地時間6月20日、FIA国際自動車連盟はWMSC世界モータースポーツ評議会をスペイン・コルドバで開催し、ABB FIAフォーミュラE世界選手権の来季2023／2024年“シーズン10”の暫定カレンダーを発表した。

　そのなかで、東京都江東区有明の東京ビッグサイト周辺にて開催を目指していた東京E-Prixが、3月30日開催の第7戦として暫定カレンダー入りを果たしたことが明らかにされた。

　化石燃料を使用しない電動パワートレインを搭載したフォーミュラカーで競われるフォーミュラEは、2014／2015年の“シーズン1”より開催され、2020／2021年“シーズン7”より、F1やWEC世界耐久選手権と肩を並べる世界選手権となった。

　今季は11チーム22台が参戦し、日本の自動車メーカーであるニッサンのワークスチーム、ニッサン・フォーミュラEチームが参戦。また、ニッサンはNEOMマクラーレン・フォーミュラEチームにもパワートレインを供給している。

　今季シーズン9も残すは6大会となる中、2023／2024年シーズン10の暫定カレンダーがWMSCの承認と各開催都市のASN（モータースポーツの管轄団体。日本ではJAF日本自動車連盟）の支援を経て、現地時間6月20日にFIAとフォーミュラEにより発表された。

　なかでも日本のモータースポーツファン待望の大会は第7戦に違いない。第7戦東京E-PrixはFIA公認の世界選手権モータースポーツイベントとして初めて東京で開催されるモータースポーツイベントであり、舞台は東京湾のウォーターフロントにあるコンベンションセンター『東京ビッグサイト』周辺の公道となるためだ。

　日本初の公道レースは、2020年9月20日に島根県江津市の市街地コースにて、レーシングカートを用いて開催された『A1市街地グランプリGOTSU2020』となる。そのため、四輪自動車／レーシングカーでの公道レースは東京E-Prixが史上初となる見込みだ。

　フォーミュラEと東京都は、『ゼロエミッション東京』戦略の一環として、ゼロ・エミッション・ビークル（ZEV）イニシアチブを支援するために、このレースを東京都内で開催するために協力してきた。東京都は、2050年までにCO2排出量をゼロにすることを目指す気候変動対策計画を掲げている。

「2024年3月に東京でフォーミュラEのレースが開催されることが正式に決定し、大変うれしく思っています」と、小池百合子東京都知事はコメントを発表。

「東京都は、ゼロエミッション車の普及を中心に、二酸化炭素を排出しない環境先進都市『ゼロエミッション東京』の実現に向けて、あらゆる分野での取り組みを加速しています。フォーミュラEは、排気ガスやエンジン音を出さない電気自動車のロードレースとして、世界の主要都市で開催されています」

「"持続可能な次世代都市"を目指して開発が進む東京湾岸エリアの東京ビッグサイト周辺で開催されるこのレース。日本初開催となるこのレースの躍動感を間近で見て、応援しましょう」

「このレースは、ゼロエミッション車の普及に弾みをつけるだけでなく、東京の魅力を世界に発信し、国際的な存在感を高める素晴らしい機会でもあります。東京都は、主催者や関係者と力を合わせ、レースの成功に向けて取り組んでいきます」

　なお、フォーミュラEでは来季も引き続き、全13大会が開催。うち4大会がダブルヘッダーとなり全17レースとなる。なお、第4戦、第5戦、第13戦についてはTBD（未定）としてリストに掲載された。また、2023年10月23〜27日にはスペイン・バルセロナでプレ・シーズンテストが行われる予定だ。

　現地時間6月20日に発表されたABB FIAフォーミュラE世界選手権の来季2023／2024年“シーズン10”の暫定カレンダーは以下のとおり。東京E-Prix開催決定で、フォーミュラEにさらに注目が集まることになりそうだ。

■2023／2024年フォーミュラE
シーズン10 暫定カレンダー（6月20日付）
イベントラウンド開催地開催日時11メキシコ・メキシコシティ1月13日22 & 3サウジアラビア・ディルイーヤ1月26〜27日34TBD2月10日45TBD2月24日56ブラジル・サンパウロ3月16日67日本・東京3月30日78 & 9イタリア・ローマ4月13〜14日810モナコ・モンテカルロ4月27日911 & 12ドイツ・ベルリン5月11〜12日1013TBD5月25日1114インドネシア・ジャカルタ6月8日1215アメリカ・ポートランド6月29日1316 & 17イギリス・ロンドン7月20〜21日