新型LMDh『A424』の北米参戦を歓迎するIMSA代表。アルピーヌは参加基準を「満たしている」

0

2023年06月28日 12:00  AUTOSPORT web

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AUTOSPORT web

アルピーヌA424_βは2024年のWECハイパーカークラスに投入されるアルピーヌLMDhカーのプロトタイプモデル
 IMSAのジョン・ドゥーナン代表は、2023年6月9日にフランス、ル・マンで発表されたアルピーヌのLMDhマシン『アルピーヌA424_β』は、ホモロゲーションの取得後、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に参戦することが可能であると述べた。

 ル・マン24時間レースの決勝前日に初公開されたオレカシャシーベースのアルピーヌA424“プロトタイプ”は、ル・マン24時間の主催者であるACOフランス西部自動車クラブと北米スポーツカーシリーズを運営するIMSAが共同で定めたLMDhの参加資格基準を満たしている。この基準では、「年間2500台以上を生産する公認自動車メーカー」の車両でなければならないとされている。

 最近の販売報告書によると、このフランスのスポーツカーメーカーは2022年に3546台を生産した。

「規則は明確だ。彼らはすでに充分な数のロードカーを生産している」とドゥーナンはSportscar365に語った。

「それはふさわしいものになっている。マーケティングの観点から言えば、それはメーカーが決めることだが、彼らは(IMSA GTPクラスへの参加基準を)クリアしている」

「彼らがIMSAと商業契約を結ぶ必要があることは明らかだが、誰もがそれを満たさなければならない」

 ドゥーナンは、LMDhメーカーが北米マーケットで自動車を販売する要件はないと明言した。しかし、複数の自動車関連報道によると、アルピーヌは2027年までにEV専用ブランドとしてアメリカでの発売を計画しているという。

 仮に計画が進むとすれば、アルピーヌによるウェザーテック・スポーツカー選手権への参戦は、北米地域における同ブランドの存在感を高める一助となるだろう。

「いつものことだが、発表するのはメーカー自身だ。しかし、もし彼らの計画に合うのであれば、(シリーズとしては)追加のOEMがあれば良いと思う」と続けたドゥーナン。

「(A424_βは)オレカのベースラインを背骨に持つ格好いいクルマだ」

「彼らはすでにレース以外でも、アメリカでの小売店設立に関心があることを公言している。すべての惑星が並ぶように物事がうまく進み、彼らが私たちのシリーズに加わるのであれば、それは素晴らしいことだ」

 既報のとおり、アルピーヌは2024年からWEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに2台体制でファクトリー参戦するが、同社のローラン・ロッシCEOは以前、カスタマーカー販売の目標を明言し、とくにウェザーテック選手権の可能性について言及していた。

「我々はカスタマーを持つという野心を持っている」とロッシは最初のプログラム発表の際に語った。

「チームが望めば、IMSAでアルピーヌを走らせることに何の問題もない。早い時期にカスタマーを持てば、それだけ早くプログラムを収益性を高めることができる」

■ほとんどのメーカー車両が相互参戦可能だが、グリッケンハウスなどは対象外

 Sportscar365は、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権におけるLMDh規定車とLMH(ル・マン・ハイパーカー)規定車の参加資格は同じであることを理解している。後者の『プジョー9X8』もIMSAの風洞試験と商業契約を完了すれば、北米シリーズに参加することが可能だ。

 ただし、2021年からWECのハイパーカークラスに参戦している『グリッケンハウス007』は、ジム・グリッケンハウスが設立したアメリカのメーカーが年間生産台数の条件を満たしていないため、参戦資格を有していない。また、ヴァンウォールのブランド名を使用して今季2023年からハイパーカークラスに加わったバイコレスの『ヴァンウォール・バンダーベル680』も同様だ。

 一方、ドゥーナンは参戦するシリーズにかかわらず、LMDhの全モデルがホモロゲーション取得のためにIMSA指定の風洞試験を完了しなければならないことも明らかにした。

「LMDh技術レギュレーションの一環として、LMDhマシンを走らせる者は誰でも、最初のホモロゲーション取得のためにウインドシア(ノース・カロライナ州にある風洞施設)に行かなければならない。もしLMDhメーカーがWECに参戦するのであれば、ザウバー(の風洞)にも行く必要がある」

「反対に、もし(LMH)マシンがアメリカに来ることに興味があるのなら、彼らはすでにザウバーで最初のホモロゲーションを済ませているが、IMSAで走るつもりならコンバージェンス協定の一環として、彼らはウインドシアにも来ることになる」

「そうすることで私たちはすべてのクルマを比較することが可能になるんだ」

    ランキングスポーツ

    前日のランキングへ

    ニュース設定