貫井柚佳と高橋李依が語る作品の魅力 - TVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』、第2クールが7月放送開始

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2023年07月06日 20:01  マイナビニュース

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2023年7月7日より第2クールの放送が開始となるTVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』より、主人公であるアン・ハルフォード役を演じる貫井柚佳と妖精のミスリル・リッド・ポッドを演じる高橋李依が語ったメッセージを紹介する。


角川ビーンズ文庫より刊行中の三川みりによる小説を原作とする本作は、2023年1月よりTVアニメがスタート。衝撃的な幕切れとなった第12話からおよそ3カ月。待望の第2クールが7月より放送開始となる。



注目の第2クール開始を前に、アン・ハルフォード役を演じる貫井柚佳と妖精のミスリル・リッド・ポッドを演じる高橋李依が対談。自身の演じるキャラクターや第1クールの振り返りのほか、第2クールの見どころなど、本作の魅力を存分に語ってくれた。


○●貫井柚佳と高橋李依が語るTVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』



──ご自身が演じるキャラクターについて教えてください



貫井柚佳 私が演じるアン・ハルフォードは、本当に砂糖菓子のことが大好きな女の子で、自分の誇りを大事にする職人です。すごく芯が強くて、元気で明るいのですが、いろいろなことで迷うこともあって……。落ち込むこともあるし、出口がないかもって思うこともあるのですが、すごく素直に、感受性豊かに受け取って、すべてエネルギーに変えていく。本当に強くて、私自身も憧れの女の子です。



高橋李依 ミスリル・リッド・ポッドは、作品における清涼剤と申しますか、空気が重くなった時に、沈まないように大きな声を出して空気を和らげてくれたり、旅を賑やかにしてくれたりする存在だと思います。ただ、空気に関しては、一生懸命に読もうとしていて、“俺は空気を読める妖精だ!”って思っているのではないかというくらいに全力で、彼独特の感性で賑やかしてくれているんですが……。



──ちゃんと読めているのでしょうか?



高橋 読めているときもたまにあります(笑)。ただ、絶対にアンとシャルの関係を茶化さないんですよ。それが絶対のベースにあるような気がします。普通だったらヒューヒューとか言っちゃうようなところで、絶対にヒューヒューはせず、全力でアンの背中を押しに行く。力が強すぎて、ちょっと押し過ぎ!みたいなところもありますが(笑)。



貫井 わかりやす過ぎですよね(笑)。



高橋 あと、嘘が下手なのも可愛いところです。第1クールのときも、無駄にお芝居がかったシーンがあって、ディレクションで「もっと下手に」って言われたり。自分は器用だと思いこんでいて実は不器用、みたいな感じです。



貫井 そこが可愛いです。



──演じる時に注意していることや気をつけていることはありますか?



貫井 アンは、明るく前向きにというより、芯の強さを大切に、というディレクションを最初にいただいたので、それを大切にしようと思って演じています。あと、シャルに対して照れたり、乙女心が見えたりするシーンと、砂糖菓子に対するときの真剣な表情、そのあたりのメリハリを意識して演じました。



高橋 ミスリルは、作品における賑やかしポジションなんですけど、本当に大事なところでは邪魔をしないようにする。そういったスパイスの分量みたいなところを意識しています。あと、サイズがとても小さいので、目線の高さが同じ人同士で喋っているのではないという感覚を大事にしました。同じサイズ感の人であれば普通のキャッチボールになるようなところも、サイズ感を意識して、ちょっと声を張り気味にするなど、体全体で話しているようなイメージを心掛けています。



──お互いのキャラクターに対する印象を教えてください



貫井 第6話で、ミスリルがシャルのことを「あんなやつでも感傷に浸ることがあるらしいからな」と言って、回想シーンに入るんですけど、その中でシャルの「懐かしいな」というセリフに対して、ミスリルが「何が?」って返すんですよ。その「何が?」が全然話を聞いてないなって(笑)。アフレコのとき、私は一人部屋で収録していたので高橋さんの声がイヤホンから聞こえてきてたんですけど、本当に吹き出しそうになっちゃって。



高橋 それ、すごくうれしいかも。



貫井 この「何が?」って何なんだろうと思って(笑)。



高橋 私もすごく好きなシーンで、シャルが一人の世界に入ってしんみりと「懐かしいな」って言っている横で、アンニュイのかけらもない感じで「何が?」と返せる距離感だからこそ、シャルの肩に乗っていられるんだろうなって。ミスリルとシャル二人だけの描写は少ないのですが、このシーンを観ると、二人はけっこう上手いことやっているんだなって思いました。温度感はぜんぜん違いますけど(笑)。



貫井 この「何が?」が本当に好きで、実際に放送されるのがすごく待ち遠しかったです。素っ気ないとか、会話にならないとか、そういったこと以上にミスリルだなって思いましたし、李依さんだからこそのお芝居だなととても感動しました。



高橋 そう言ってもらえると本当にうれしいです。



貫井 でもミスリルはここぞというときに、すごく当たり前だけどとても大切なことを口にするんです。ミスリルにとっては何気なく言った言葉が、そのときのアンにとって実はすごく大切なキーワードだったりすることが多かったりして……それによって煮詰まっていたアンに光をみせてくれたり、気づかせてくれる。そこは本当にミスリルだからこそで素敵だなって。当たり前だからこそ忘れてしまうことってありますよね。空気を読むのは……あれですけど(笑)。



高橋 空気を読まないほうが実は読めていたりするんですよ(笑)。大切なことといえば、第11話で「妖精は銀砂糖の味の違いがわかる」とさらりと言っているんです。そういう日常会話では空気が読めているのに、読もうとするとなぜか読めない……。



貫井 そのあたりも作品のエッセンスになっているので大好きです!



高橋 良かった。実は放送を観ながら、「大丈夫?浮いてないかな?」ってヒヤヒヤすることも多かったので。



貫井 むしろアンとシャルの間にそんなミスリルが居てこそ、この旅がとても良いバランスで素敵に彩られているのだと思います。大切な存在です。



高橋 アンは“職人”という表現がピッタリで、本当にカッコいいなって思います。絶対に自分の仕事はやり切るということを軸としてずっと持っているので、どんなに迷うことがあっても、絶対に折れることがない。そのあたりのプロ意識がすごくて、超カッコいい働く女の子だなって思いました。



──高橋さんも働く女の子じゃないですか



高橋 だからこそ、余計に憧れるんだと思います。この作品に触れるのが、まだ働く前の女の子だったら、働くようになってからあらためてアンのカッコよさが理解できるんじゃないかと思います。



貫井 本当にそうですね!ただ、アンを見ていると、よくジョナスのことを許せるなって思います。結構なことをやられているんですけど……でもアンは相手がどんな人でも理解しようとする気持ちや思いやりがあって……いろいろなことを大切にしようという心があるからこそなのかなって思います。



高橋 ジョナスにはビンタしてたね。



貫井 第4話で一回ビンタして、すっきりしたって言ってましたが、私だったらタコ殴りですかね……(笑)。第2クールにもジョナスが登場するんですけど、失敗をした人間がその後どう生きるか……というところはとても考えさせられるものがあります。とても大切なキャラクターです。

高橋 ジョナスはね……第11話でアンがピンチなときに、シャルを呼びに来てくれたりもしたね。



貫井 それはさすがにひどいとか言ってましたけど、それまでを考えるとお前もな、みたいな(笑)。



高橋 本当にお前もな、ですよね(笑)。



──第1クールで印象的なシーンはありますか?



貫井 いっぱいあります!



高橋 私は、第11話で、ラドクリフ工房の職人のサミーがアンの手を熱湯に沈めようとしたのが本当に許せなくて。



貫井 一番やってはいけないことですよね、職人の大事な手を。ただ叩きのめすとかよりも酷いんじゃないかなって思いました。



高橋 すごく悪質。



貫井 ただその後に、砂糖菓子品評会の場、公衆の面前で「これ(アンの作った銀砂糖)が俺の銀砂糖だったらよかったのに」と吐露するシーンは、ちょっと心に来るものがあって……。私も表現者として、誰かのお芝居を見て、悔しいと思ったり、自分の中でマイナスな感情になることもあるので、すごく気持ちはわかるなと……。だからこそ、ああいった行動は最悪の選択ですが、やはり同じ職人だからこそ抱いてしまう心の葛藤というのがあると思います。



高橋 リアルに感じられたというか、ただの悪者ムーブではなく、職人同士の確執だったり人間味が伝わるシーンだった気がします。



──声優として同じような悔しさや憧れなどはありますか?



高橋 私自身、そもそもみんな持っている楽器が違うという感じで折り合いをつけるようにはしていますが、それでも、あの声は良いなとか、あの声でこの役を演じられたらもっと伝えられるのにって思うことは少なくないです。自分は自分の楽器で戦うしかないんですけど。



貫井 絶対に自分がやりたいと思えば思うほど、オーディションの結果で悔しい思いもたくさんします。でも、自分の中で納得できる部分があるからこそ、余計に悔しかったりするんだと思います。素敵なものだとわかるからこそ、サミーと同じように、これが私だったら……って思っちゃうんですよね。李依さんがおっしゃるように、やはり楽器が違うんだから、自分の道は自分で切り開かないといけない。キャットも言ってくれましたよね、「誰のことも憧れるな」って。



高橋 深いですよね、「誰のことも憧れるな」って。すごくハッとさせられました。



貫井 本当に、いろいろなキャラクターがいろいろなことを教えてくれる作品なので、すごく気付かされますし、考えさせられます。あとはアンとシャルのやりとりも印象的で、周りから見ると想い合っているのに、本人たちは自分の思いに鈍感で、相手のことを考えすぎてわからなくなっているのがもどかしくて。第5話の“釜戸はぁはぁ“も……



高橋 “釜戸はぁはぁ”って言ってるんだ(笑)。



貫井 釜戸での“はぁはぁ”は、アンからしたらとてもビックリな出来事なんですけど、妖精は寒さを感じないので、寒さでかじかんだ手を温めようと息を吹きかけるアンの行動を見て、シャルは見様見真似でやっているだけなんですよね。でもそこにすごく真心が感じられて、ドキドキしながらも、すごく良いシーンだなって思いました。



高橋 “釜戸はぁはぁ”あたりから、二人がどんどん近づいていくシーンが増えてきて。



貫井 顎くいとか……ふたりの距離が近づくたびに、もう結婚じゃん!って思っちゃうんですけど(笑)、お互いがお互いを想い合うからこそ、心が近づいたり離れたりするシーンは……本当に胸が苦しくなるほど素敵です。



──名シーン満載の第1クールでしたが、第2クールの注目ポイントを教えてください



貫井 第1クールは、本当にとんでもないところで終わっているので、続きがかなり気になっている方も多いと思いますが、第2クールは、アンが誇りのために動き出すので、それをぜひ見守っていただきたいです。あと、アンとシャルがすごく接近するシーンも出てくるのですが、そこが本当に、本当に、本当に素敵です!さらに素敵な砂糖菓子もたくさん出てきます!新しい妖精も登場します!新しい砂糖菓子職人もたくさん登場します!今まではヒューやキャットのように上の世代の職人が多かったのですが、よりアンと近い世代の職人たちと出会い、そこからも新しい刺激をもらい……職人として成長していくアンや、そんなアンとシャルの関係はどうなっていくのか……。注目ポイントだらけです!ぜひ余すことなく楽しんでください!



高橋 全部言ってくれたので、そういうことです(笑)。あと、アンは絶対に誰も見捨てないんですよね。1対1で向き合い続けるんですけど、それは本当に2クール通して変わらない姿勢だと思うので、これからもアンを中心としたいろいろな人間関係を楽しんでもらえるのではないかと思います。



貫井 第12話を見てブリジットに対してマイナスな感情をもっている人も少なくないと思いますが、彼女もすごく大事なキャラクターなんです。砂糖菓子職人の大きな派閥のひとり娘として生まれた彼女がどのように生き、どのように感じてきたのか……第2クールでもキーパーソンになってくるので、アンを通してでも、俯瞰でも、ぜひ注目してみてください。



──この作品は砂糖菓子がテーマになっていますが、お二人はスイーツお好きですか?



貫井 大好きです!最近ハマっているのは「豆花(トーファー)」という台湾のスイーツです。豆乳を固めたものに、シロップやタピオカやあんこ、芋餅なんかをトッピングして食べるのですが、栄養満点なのでとてもおすすめです!ハマりすぎて最近は手作りしたりしています。



高橋 すごい!見た目は杏仁豆腐っぽい感じだね。



貫井 食感もまさに杏仁豆腐です!豆乳が原料なのでけっこうさっぱりしていて、デザートとしてフルーツをトッピングして甘くも食べられますし、朝食として甘さ抜きにしてもサラッと食べられてとても美味しいです。食べ物はバナナ以外は何でも食べます!



高橋 バナナがダメなんだ(笑)。私がよく食べるのはグミですね。食感が良いというか、とにかく口の中を動かしていたいんです。なので、ポテチとかも堅揚げを選んだりしますし、柿の種もけっこう噛むから好きです。



貫井 わかります!私も固いものもグミも大好きです。



高橋 美味しいよね。グミコーナーとか行くと、1個だけのつもりが、2個買ってたり……。知らない商品があると思わず買っちゃいます(笑)。



──それでは最後に、第2クールを楽しみにしている方へのメッセージをお願いします



貫井 ますます力強く進んでいくアンと、砂糖菓子を巡るお話がどんどん動き出していきます。銀砂糖師になったことでアンの職人としての気持ちや覚悟にも変化が見えてきます。そしてアンとシャルとミスリルはまた一緒にいることはできるのか……!夢を追うときめきも、乙女心のときめきもたくさん味わえると思いますので、ぜひぜひ最後まで見守っていただけるとうれしいです。どうぞよろしくお願いします。



高橋 12話までご覧いただいた皆様、大変お待たせいたしました!気持ちがざわざわしたままの数カ月だったと思いますが、7月7日から、前回の続きの物語がしっかりと動き出します。1クール目の銀砂糖師になるまでの物語も最高でしたが、これから先、銀砂糖師になった後、むしろこれからが本番なんだというぐらいに、本当にアンの働く姿がとってもカッコいいので、放送を楽しみにしていてください!よろしくお願いします。



──ありがとうございました



TVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』は、2023年7月7日(金)より、AT-X、TOKYO MXほかにて放送開始予定。各詳細はアニメ公式サイトにて。



(C)2023 三川みり・あき/KADOKAWA/「シュガーアップル・フェアリーテイル」製作委員会(糸井一臣)
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