「微調整のレベルではない」「風を意識しすぎた」「エンジンの差も縮まる」【SF Mix Voices 第6戦予選(1)】

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2023年07月15日 21:00  AUTOSPORT web

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2023スーパーフォーミュラ第6戦富士 山下健太(KONDO RACING)
 7月15日、静岡県の富士スピードウェイで全日本スーパーフォーミュラ選手権2023年第6戦の予選が行われ、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がポールポジションを獲得した。

 予選後、全ドライバーが参加して行われる取材セッション“ミックスゾーン”から、土曜フリー走行と予選に挑んだドライバーたちの声ドライバーたちの声を、2回に分けてお届けする(後編はこちら)。

■山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING) 予選6番手

 6月23〜24日に富士スピードウェイで行われたシーズン中唯一かつ、SF23導入後2度目の公式テストにおいて総合トップタイムをマークした山本尚貴。続く第6戦富士に向けて有力候補のひとりに数えられていたが、土曜フリー走行では13位に沈んでいた。

 これについて山本は「あれは(他車に)引っかかったからです。セクター3くらいでしか前にクルマがいない状況で走れなかったので、逆にいえば13番手でトップと0.4秒差くらいだったのかと思うと『調子いいな』と思ったくらいでした」と説明した。

「ただ、フリー走行であっても常に前にいたいので、そこで13番手と後ろになったのは本望ではなかったです。でも、そこまで悲観してはいなかったですね」

 そして、予選では6番手タイムをマーク。テストでの好調さをキープし、決勝を3列目からスタートすることとなった。久しぶりの前方スタートが叶ったが、やはり富士テストで得た感触が活きていると山本は口にする。

「(テストとは)まったく同じ(コンディション)ではないですし、テストの方が調子が良かったのですけど。テストからの調子の良さというものは継続できていると感じています」

「(Q2では)1カ所失敗もあったのですけど、それがなければ順位も1つや2つは変わったかもれません。でも、今日の牧野選手のタイムはぜんぜん追いつける感じはなかったです」

「彼はテストから調子が良くて今日のコンディションにもしっかりと合わせ込んで、彼の本来のパフォーマンスをしっかりと出せていたのかなと思うと、すごいなと思いますし、あそこに追いつけずに離されてしまったことは悔しいですね」と、山本はスーパーGTでのチームメイトの4年ぶりのポール獲得を称賛しつつ、悔しさも滲ませた。

「また、チームメイト(佐藤蓮)にも0.1秒差で負けてしまったので悔しいですね。ですが、久しぶりに6番手という前の位置からスタートできるので、十分にチャンスはあると思います。入念にクルマと戦略を考えて明日のレースでも前に行きたいと思います」

■阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING) 予選10番手

 第6戦富士の予選は、トップ10のうち7台がホンダ勢と、ホンダ勢の速さが際立つ結果となった。予選を10番手で終えた阪口晴南は「テストから(ホンダ勢が)速かったので、絶対に来るだろうなとは思っていました。気温など、富士テストと似たようなコンディションだったこともあり、テスト時のままの勢力図が出た予選となったなと思います」と語った。

「こういった結果を突きつけられるのは悔しいです。ただ、今日に限っていえば(ポールポジションが)見えるようなタイムではなかった……ですね」と阪口は悔しさを滲ませる。

「暑かったSUGOでは僕だけではなく、トヨタ勢も速かったですし、気温が高くなったら明日もSUGOのような展開になるのか。またはホンダ勢に好調さをキープされてしまうのかというのは、蓋を開けてみなければわかりません。ですので、今自分たちができることをしっかりとやっていきたいと考えています」

 そんな阪口は今季富士で開催された第1戦は8番手からスタートでのエンジンストールもあり17位、第2戦は8番手からペナルティもあり10位と、苦戦が続いていた。さらに、開幕から阪口は決勝でのペースという課題を抱え続けてきたが、その課題克服の兆しも顔を覗かせているようだ。

「開幕の富士ではロングのペースは良くなかったので、そこから対策を実施し前戦SUGOではペースもよくなってきました。それがこの富士でしっかりと活きるかですね。まずはそれを確認するためにも日曜FPの時間を有意義に使いたいと思います」

■山下健太(KONDO RACING) 予選8番手

 第2戦富士で3位表彰台を獲得し、涙を流した山下。再び舞い戻った富士ではフリー走行で4番手タイムをマークするなど、走り始めから好調さを見せていた。ただ、予選は8番手に終わった。

「予選自体も悪くはありませんでした。でも、ホンダ勢が速かったですね。予選のコンディションに合わせられなかったということもなく、現状できることをやり切った感じなのですけど、この順位でした(8番手)」

 なお、山下の予選8番手は予選5番手の宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)に次ぐトヨタ勢の中では2番手のポジションだ。

「Q1からQ2へ向けては微調整ですけど行い、それはいい方向に進んだと思います。その分タイムは上がりましたが、そこから上に行くには微調整とかそういったレベルではなく、根本的に何かが足りないなという感じです。とにかくエンジンが速いとストレートでもコーナーでも、どこでも速いですからね。タイム差とか、ホンダ勢が上にいるのを見ると、厳しいかもしれないとは思いました」と山下。

「ただ、普段ホンダ勢でもあまり予選で前にいない人も前に出たと思います。そこでロングランになった際にエンジン差も1発のアタックよりは縮まるので、そこで自分にもチャンスが出てくると思います。ですので、最後まで諦めずに頑張ります」

■坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING) 予選11番手

 ドライバーズランキング4位の坪井翔は、第4戦オートポリスでのSF初ポールポジション獲得を筆頭に、前戦SUGOまで一貫して予選でシングルポジションをキープし続けてきた。しかし、第6戦富士では土曜フリー走行で14番手と沈むと、その流れを払拭しきることは叶わず、予選はQ2進出も11番手に終わった。

 走り始めとなった午前中フリー走行の感触について尋ねると「まったく良くなかったですね」と坪井。

「どの辺が悪いというよりも、全体的にですね……。1周トータルで良くはなかったので、なんとか合わせていきたかったのですけど……、また、FPが行われていた午前中は風が強かったのですけど、予選のあった午後は逆に風が止んでしまった。個人的には少し風を意識しすぎてしまったかなとも思います」と坪井。

 ただ、Q1をB組6番手でギリギリ突破を果たすと、Q2へ向けたアジャストは望んでいた方向に進み、Q1で記録した1分23秒345から、Q2では1分22秒892と大幅なタイムアップを果たした。

 それだけに、「Q1からQ2でしっかりとタイムは上げることができました。ただ、そのQ2でのタイムをQ1から出せていれば、おそらくぜんぜん違った景色が見えたのではないかと思います」と坪井は口にする。

「でも、ホンダ勢があまりのも速いので、仮にQ2のタイムをQ1から出せていたとしても、トップには届かなかったとも思います」

「明日は暑くなるという予報もあります。僕らのクルマは暑くなった方があってるかなとは思っていますので、暑くなってくれた方がいいなと個人的には思います。でも、中段からのスタートなので、まずは1台づつ抜いて、あとは課題としているレースペースという部分も克服できるような1日にしたいなと思います」

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